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【宝石解説】翡翠(ジェダイト)③-歴史編

はじめに

 人類のみなさん、こんばんは。むじゅんです。

 この記事を見つけてくださってありがとうございます。

 わたしと一緒に、「知らなくても生きていけるけれど、知っていると人生に深みが出ること」を勉強していきましょう!

※筆者は専門家ではありません。ご了承ください。

あやかねこお茶

 今回一緒に勉強していくのは、翡翠の歴史について。

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 過去の記事で翡翠の基礎データ翡翠の鉱物としての特徴をご紹介しています。

 まだ読んだことのない方は、ぜひ読んでみてくださいね!

 (YouTubeで音声解説動画も上げていますので、どうぞよろしくお願いいたします。コソッ…)



それでは、翡翠の歴史を一緒に勉強していきましょう!!


忘れ去られていた石、翡翠

 世界中で愛されている翡翠ですが、実は翡翠の加工で最も古いのは日本で、縄文時代前期(西暦で言い直すと紀元前5000年~3500年前)に日本で行われていたものです。

 日本では、勾玉や、敲き台(たたきだい)などへの使用が確認されています。

 角髪(みずら)という昔の髪型をした男性が、緑色の勾玉のアクセサリーを身に付けているイラストは、みなさんも一度は見たことがあるのではないかと思います。

みずら


 しかし、残念ながら、日本では奈良時代以降翡翠の人気は低下し、忘れ去られるまでになっていました。昭和初期になるまで、「日本で翡翠は産出しない」と言われるほどです。

 そんな中、1938年、新潟県で翡翠が再発見されました。これはまさに大発見で、次の年に論文が書かれることとなりました。

 そして、一時は忘れ去られた翡翠という宝石は、日本で産出することや日本人の歴史に深く関わる石であると再認識され、日本鉱物科学会によって日本の国石に指定されたのです。


オルメカ文明とヨーロッパでの翡翠

 次に翡翠加工で古いのは、中米で起こったオルメカ文明。これは、現在のメキシコ辺りであり、紀元前1200年頃のことです。

 金よりも貴重なものとされ、多くの仮面、小さな像、レリーフが作られました。顔の造形がとてもはっきりしている「ヒスイの仮面」は、写真を見たことがある人もいるかもしれません。

 こういった制作物は、ただの飾りというだけではなく、呪術などにも使われたと言います。翡翠に彫刻をすることで、「聖なる護符」にもなったそうです。

インディアンいらすとや

 時代は巡り、スペインがアメリカを征服した際、現地の人たちに大切にされていた翡翠を見つけたスペイン人たちは、翡翠をお守りとしました。ヨーロッパでも翡翠は珍重され、「魔法の石」と呼ばれることもあったそうです。


ミャンマーでの翡翠

 主要な翡翠の産地でもあるミャンマーでは、13世紀にジェダイトが発見されました。

 それまでミャンマーではネフライトが“翡翠”として愛されていましたが、この発見により、ジェダイトがネフライトに代わって愛用されるようになりました。


中国と台湾での翡翠

 そして、翡翠を語るうえで欠かせないのが中国と台湾。最も翡翠を珍重し、中国は「翡翠の国」という別名がつけられるほど、翡翠を愛してきました。

 5千年もの昔から「玉器」と呼ばれる翡翠の器が作られてきましたが、翡翠はそれから長らく、中国の支配体制に欠かせない鉱物となっていきます。

 「」というのは翡翠のことです。中国において、翡翠は崇拝と権威の象徴であり、政や儀式に多用されました。王の椅子のことを「玉座」と表現すると思いますが、これは、中国において翡翠が支配者にちなんだ石であることが由来です。

玉座いらすとや

 「玉文化」が存在していた中国では、身分の高い人の遺体を、金や銀の糸でつなぎ合わせた薄い板状の翡翠で覆うという習慣がありました。更に、遺体を翡翠で覆うだけではなく、悪霊が遺体の体内に入らないようにするため、遺体の口に翡翠を噛ませることもあったそうです。

 時代が後になると、西太后が翡翠を愛し、熱心にコレクションしました。そのことから、最高級の翡翠である琅玕色の翡翠のことを、英語で「インペリアルジェイド」と呼ぶのです。


 しかし、ここまで翡翠、つまりジェダイトのことを大切にし、使用していた中国ですが、ネフライトは産出するものの、意外にもジェダイトは産出しませんでした。つまり、どこからか交易でもたらされたのではないでしょうか。


おわりに

 今回は、翡翠の歴史について一緒に勉強していきました。

 実は、日本人にとっても関わりが深い石だということが分かっていただけたのではないでしょうか。

 日本で世界最古の翡翠加工が行われていたにも関わらず、すっかり忘れ去られていた。この歴史はとても寂しいものですが、幸いなことに、再び日本と翡翠のつながりが再発見され、日の目を浴びることになりました。

 現代では意外かもしれませんが、翡翠は歴史的に、ダイヤモンドや金よりも価値が高いとされることもあった力強い石です。

 せっかく再発見された翡翠。日本人が忘れてしまって寂しい思いをさせてしまったぶん、これからは大切にしていきたいものですね。

 翡翠について、やさしい音声で解説している動画をYouTubeにアップしていますので、こちらも覗いてくれるとうれしいです。



 次回は、「翡翠のパワーストーンとしての力」を勉強していきたいと思っていますので、ぜひフォローやスキ!をよろしくお願いいたします。

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も覗いてみてくださいね!

最後まで読んでくださってありがとうございます。それではまた次回。

 おやすみなさい。


参考文献・WEB

フォッサマグナミュージアム,2019,「ヒスイって何だろう」,https://fmm.geo-itoigawa.com/event-learning/about_hisui/

倉敷市立自然史博物館,2017,「輝石類(きせきるい) pyroxene」,  http://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/geology/rock/zougankoubutu/pyroxene.html#jadeite

クリスタルワークス,2019,「ジェイド(翡翠)」,https://chicappa-crystalworks.ssl-lolipop.jp/86.html

三島由加理,2007,『幸せを招く 宝石力』,中経文庫

天然石のピアスやアクセサリーowly.&雑貨販売 Zakka Owl,2017,「ジェード(翡翠/ひすい)Jade-ジェダイト(ヒスイ輝石・硬玉)Jadeiteの特徴・意味と効果」,https://www.zakkaowl.com/stone/jade

天然石パワーストーン意味辞典,2021,「本翡翠(ジェダイト)」,https://www.ishi-imi.com/2006/07/post_7.html

天然石・パワーストーン,2019,「1月1日の誕生石」,https://www.infonix.jp/birth_stone/150/

Wikipedia,2021,「ヒスイ」,https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%B9%E3%82%A4

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ヘッダ画像:5499501176_52929様

インディアンのイラスト:いらすとや(みふねたかし様)

インディアンいらすとや

玉座のイラスト:いらすとや(みふねたかし様)

玉座いらすとや

ねこ:むじゅん(オリジナルイラスト)

あやかねこお茶

翡翠:むじゅん(オリジナルイラスト)

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みずら:むじゅん(オリジナルイラスト)

みずら

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