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虐待サバイバーの宿命?その①変質者ホイホイの私

恋愛においては、過去に3人の元彼氏に首を絞められたり、刃物持ち出されたり、頭突きされたり等の色々な暴力を受けた私ですが、( 一度でも暴力を振るわれたら見切りを付け別れています) それ以外の人間関係でも、日々変質者を大量に引き寄せていました。

同僚、旅先で出会う人、日常で関わる人などの多くの人と、私は上手く境界線が引けずに侵入されている様です。

この国では皆自己主張がかなり激しいのに、私はここ7年間は特に精神的に弱っているせいで、不幸にも自己主張が年々下手になっています。

とにかく警戒心マックスで、日々ヘトヘト、男女問わずほとんどの人間が怖いので、誰にでも媚びておいた方が良いだろう…と内心怯えているのが原因です。
しかも仮面を付け内面を完璧に隠して生きているので、外ではいつも笑顔を携えています。

それが逆効果で、こいつ大人しくて弱そうだから、無理強いしちゃえばオッケーだろうと他人に軽く扱われ、『この女は俺を受け入れてくれる』と思い込みの激しい男に勘違いされてしまう様です。

ヨーロッパでは積極的に男性が女性を口説く傾向が強いです。
私に執拗に言い寄ってくるのは、精神的に問題を抱えた人がとても多いです。
自らの精神性の向上、ましてや外見上のケアなんかはとっくの昔に放棄し、醜くブクブク太って臭かったり、性格も歪んでいて、女性との出会いにはまず無縁といった人達が大量に寄ってきます。

白人だけではなく、インド系、アフリカ系、アラブ系も多く、彼らは往々にして貧困気味だったりもして、日本人だしお金持ってるだろうと期待されてる節すらあります。あがよくば日本に移民したいのでビザ目当てとか?

具体的に挙げると、ヨレヨレの安物の古い服を着て、灰色の薄暗いオーラを放つ、家族に逃げられた寂しい白人中年男性、とても多いです。
もしくは浮気心を抑えられない妻子持ちの、老いた気持ち悪い中年男性達。

若い人なら精神疾患や虚言癖があって有害人物とされ解雇されたアラブ系の元同僚とか、バツイチで窃盗癖がある体重100キロ級のシングルファザーのアフリカ人同僚とか、似たようなプロフィールの無職のインド人とか南米人とかに今年はしつこくされました。

こういう人達は、私から私の資質を奪い取る事で、孤独と性欲を満たし、俺はここから脱してみせると言わんばかりに、すごい勢いで迫って来ます。
彼らの顔は一様に必死で、とにかく恐ろしいです。

無理矢理に抱き付いてくる、人のいない部屋に押し込む、キスをする、身体を触る、話しながら胸元を凝視する、なぜか付き合う前提でおり、勘違いした言動を繰り返す。もれなく全員がマッサージしてと頼んでくる。

私がだんだん本気で拒み始め、何も始まらないとようやく理解すると、逆上し嘘をばら撒いたり、傷付けようと仕事上で嫌がらせに転じるなど、性格まで最悪な人も多数いました。

こういうのが本当によくある事なので、ヨーロッパに来て20数年、何とも思わなかったのですが、今年に入り父親の性的虐待のトラウマを治療をした後から、急に感じ方が大きく変わって来ました。

こういう不快な事をされると、文字通り朝から晩までそれらがフラッシュバックするようになりました。
何かに集中してないと、彼らの言動が何度も何度も蘇って来て、侵入を許した自分を不甲斐なく思い、怒りや悲しみに呑まれ、嫌悪感で日常生活がままならない様になって来ました。

不思議な事に、この手の男性に怯えれば怯える程、変な男の人がすごい頻度で寄って来るようになりました。
そして3ヶ月ほど前に決定的に危ない目に遭ってしまいました。


私はその日、自宅の修繕の前段階として見積もりを出してもらう為に、工事系のサイトで探した業者を呼び、家に来てもらっていました。

私が一人暮らしのアジア人だと分かると、その男は急に横柄な態度に変わり、なぜか常に怒鳴り気味で応対して来ます。
不機嫌に押し黙ってみたり、返事が「あぁ?!」とか常にそんな感じです。

何とか一通りの必要な諸々を終え、早く帰ってもらおうと玄関に追いやりました。
するとこの男は玄関口で立ち尽くし、怖い顔で「今すぐ100ユーロ支払え」と凄んで、支払いを迫って来たのです。

「私が利用したサイトは見積もりも移動費も全て無料のものだ。」と言うと、
「これは手数料だ、それとは別件で請求出来る。お前は俺に住所を渡した時点で、この支払いをシステム上了承してるんだからな。今すぐ払え!」と大声で言い続けています。

自宅にはその男と私の2人きり、その男は私が彼に100€を今すぐ払うべき理由を延々と述べ立てて、帰る気ゼロです。
荒唐無稽な言い掛かりで、これは私に払う義務はないのに恐喝されてるんだとすぐ理解しました。

私は頭がズーンとして、重力に引き摺り下ろされ、どこかに落っこちて行く様な巨大な無力感に襲われて、泣きそうになりながら、「そんな意味がわからないお金を払えない。」と言い続けました。

件のサイトの支払い規定を確認しに行くと言って、私がパソコンのある部屋に移動すると、その男は私に着いて部屋に入って来て、同僚に確認すると言い電話をしました。

そして「仕組みが変わったそうだ。お前は今日は支払いをしなくていいが、3日後に振り込みの請求がそのサイトから来る。」(全て嘘だった。残念ながらこの国ではこういう暴力的な詐欺が横行しています。)と言い、私の部屋のソファーに勝手に座り始めました。

そして何故か急に態度を軟化させ、
「一人暮らしでパートナーいるの?ひとりでは夜は寂しいだろう。」
「今から俺と定期的に体の関係を持たないか?」
とあれこれ口説き文句を並べ始めました。寝室の方向を顎でしゃくり、移動しようと促しています。

私は、帰らせるチャンスが訪れた、と感じました。
暴力的な態度が一変して向こうがお願いする立場になったので、勝ち目があると。

「今日はそんな気になれないけど、今度飲みに行こうか。メッセージして。でも私はさすがに今日会っていきなりそんな関係にはなれない、ごめんね。」と懇願するそいつに、笑顔で3回繰り返しました。

納得いかなそうな、拗ねた顔で食い下がるそいつに、「どうしてあなたは一人なの?」とか、身の上話を少し聞いてあげました。

妻子に逃げられたというその男は、「ハグだけでもして」としつこくお願いしてきます。悲しいんだと言っています。

とにかくさっきみたいに逆上させずに帰らせる為に上手く立ち回らないと…とフル回転の頭で、彼の身の上に同情を示す言葉を述べて「ハグだけならね」とハグしてあげました。

「ハイ、じゃまた今後ね。電話してね、本当にしてね。見積もり送ってね。今日は帰って。ね!」と必死に女優の様に振る舞う私でした。

「片道1時間半も掛けて来たのに、何も無しで帰らせるなんて君は酷い女性だ。」とか、
「せめて上の服を捲って、裸を見せて、それでこんな風にくるりと回って。」とか動きを実演しながらしつこくお願いしてくるが、
「今日はダメ、またね。」とちょっと強めに言い、笑顔で玄関の方に促しました。

「最後にもう一回ハグして、お願い。」と玄関でまたもや懇願され、してやったら、お尻を両手でがっしり握られて、イラっとしましたが我慢しました。
でもそれだけで済み、恨めしそうな顔でそいつは大人しく帰って行きました。

40分ほどこの様な寸劇を繰り広げ、とても疲れました。

私はその後1週間、精神状態が少し変でした。
ストックホルム症候群然ながらに、『彼は悪い人ではなかった』と好意的にその日の事を捉えようとしたり、かと思えば、警察のサイトにアクセスし、被害を長文で事細かに書いて通報してみたり、散らかった目まぐるしい精神状態にありました。

怒りっぽくなり、色々耐えられなくなり、私にパワハラしていた女上司の事を人事に報告に行ったりもしました。(悪事をばらすと彼女はあっさりとパワハラを辞めました。)


そんな落ち着かない日々を過ごす中、私の変質者ホイホイは、ついに犯罪者ホイホイに進化を遂げようとしていると確信を抱き、目が覚める様な出来事に遭遇しました。

その工事の男の件があった10日後、ジョギングの帰り道の事です。
時刻は夕暮れ時、そこは郊外の住宅街の二車線の道路沿いで、人の余りない時間帯でした。

私の進行方向15m先辺りに歩道に接して車が一台泊っていました。
その車に乗り込もうとしていたかなり太った白人の中年男が、歩道を歩いて向かってくる私を見て、車に入るのを辞め、ドアを開けたまま車の外に立ち尽くし、じーっとこちらを見ています。
寒いのにランニングシャツ一枚で、お腹が異様に出ていて、動きが変だなと思わず警戒しました。

少しずつ近付くにつれ、その男の顔がはっきりと見えてきて、私は思わず戦慄しました。
その男はサイコパス犯罪者の様な異様な顔をしていて、大きなギョロ目で私を凝視し、ニヤニヤといびつに笑っているのです。
異質な空気を放っていました。太り方も汚いランニングシャツ姿も、男の表情も全てが異様でした。背景すら暗く歪んで見えました。
そして車に乗り込むのを辞め、何故か私が自分の前を通るのをじっと待ち構えているのです。

危険を察知して咄嗟に私は踵を返し、方向転換し、来た道を逆走して逃げました。
振り返ると男はまだこっちをじっと見ていたけど、追いかけては来なかったので、通りがかったら卑猥な言葉でも掛けて怖がらせてやろう位の魂胆だったのでしょう。

でも私は恐ろしい物を見た気がして、本当に何とかしないと、私は今や犯罪者を引き付ける迄にレベルアップしてしまったんだ!と愕然としました。
あの工事の男だって、最初は脅してお金を盗む気だったんだから、良い人の訳ないじゃない!と、やっと目が覚めました。

何故私の人生にはこんな事ばかりが起きるのでしょう。

次の回では、トラウマ治療中に知った事を書きます。

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