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DXの裏にあるIX 〜インサイト・トランスフォーメーション〜
8年前の就活でバズった動画
僕が就活した2013年はFacebookが世の中を席巻しSNSが世の中を変えていく中で、
どこの企業説明会でもこの動画を見ました。
https://www.youtube.com/watch?v=u06BXgWbGvA&t=1s
動画で紹介されている象徴的なファクトをあげると
5000万人ユーザー獲得するのにかかった年月は
ラジオ38年テレビ13年に対しFacebookは2年しかかかりませんでした
Googleでの検索数は2006年には毎月27億件でしたが
2008年には310億件にまで増え
指数関数的に成長する世の中を我々は生きています
などなどデジタルがいかに世の中を加速度的に変えていっているのかそのインパクトに衝撃を受けました。
形骸化するDX
そして広告代理店に入社しデジタルマーケティングの部署に配属され、
様々なクライアントのデジタルシフトに携わることになるのですが、
それから8年の歳月が経ち、
デジタルシフトはデジタルトランスフォーメーション、
O2OはOMO、
レコメンドエンジンはパーソナライズAI
と進化した一方、
過度に技術にのみフォーカスが当たりすぎてバズワード化し、目的が手段になってしまっているような課題感が漠然とあります。
DXの裏にあるインサイトの変化
しかし本来、OMOやAIパーソナライズはスマホや5G、キャッシュレス、Wifiの普及に通信料金プランの寡占緩和などデジタル環境の変化に応じてインサイトが変わり、そのインサイトに対応するようにDXが推進されるべき。
そこで今回はトレンドリサーチとしてDXの裏側にあるインサイトのトランスフォーメーション、
その中でも映像コンテンツに絞って調べました。
コンテンツキングは映画テレビからNetflixへ
2020年アカデミー賞、映画スタジオ別ノミネート数
— ヒロ・マスダ / Hiro Masuda (@IchigoIchieFilm) January 13, 2020
Netflix — 24
Sony Pictures — 20
Walt Disney — 16
Warner Bros. — 12
Universal Pictures — 11
Neon — 8
Fox Searchlight — 6
Lionsgate — 4
Focus Features — 2
LD Entertainment and Roadside Attractions https://t.co/aDXfm4MOZD
2020年、ネットフリックスが映画スタジオとして
アカデミー賞獲得数で老舗映画スタジオを圧倒しました。
それもそのはずでネットフリックスのコンテンツ製作費が桁違いだということ。テレビ局は製作費を縮小する一方でネックフリックスは製作費を年々増加。製作費が映画・テレビ→デジタルに移っている。
実績やお金だけでなく才能もデジタルにシフト
DXでも変わらないこととして番組制作にはデータよりも勘に頼っていることがあります。
やはりコンテンツ制作は勘が重要なようで、大量な製作費が流れてきているネットフリックスは各方面から優秀な製作マンの採用を高い給料と自由な働き方で強化。
その裏にあるIX
ではなぜこれほどお金と才能の移動が起こったのか?
そこにはデジタルの登場で人々のインサイト変化があると思います。
IXその1:「暇」という感覚の拡張
様々なデバイスの登場で「暇」という感覚が体の各部位にまで細分化され、感じるようになった。
そのため、下図のようなながら視聴が当たり前になった。
「ながら」を一番しやすい聞くだけコンテンツへのニーズは高まった。
IXその2:最速でオタクになりたい
昨今、通信環境やデジタルメディアの進化でよりリッチで楽しいコンテンツに溢れていて、最新のドラマや小説、ゲームはもちろん面白い。
それに加え過去の名作たちは色褪せることなく今見ても面白い。
そしてそれらは簡単にネットフリックスで見れてキャッチアップできる。
つまり現代人はとても忙しい。
あれもこれも見ないといけない。
だから、より多くのコンテンツを摂取するために倍速で聞く人が増えた。
現にネットフリックスやYoutubeには1.5倍速再生や10秒スキップ機能が実装されており、
速く聴くニーズは高まっていることがわかる。
コンテンツ摂取の効率を気にしている。
その影響かコンテンツにはスキップされないような工夫が施されている。
例えば、漫画や映画では「セリフがない=読み飛ばしていい」とされるため、絵にすればわかる心理描写や状況変化をあえてセリフで表現することでスキップを防ごうとする作品が増えた。
IXその3:待たされることへの耐性が低下
世の中に面白いものが溢れ、少しでもつまらないものをスキップすることが当たり前となった。
Youtube CMは15秒から6秒に短くなり、
曲はイントロが短くなり、コンテンツの届け方としてより早く旨味にアクセスできるような設計となっている。
まとめ
というようにデジタル変化の背景には生活様式やインサイトの変化があり、その変化に合わせてまた新しいデジタル変化が生まれます。
つまりデジタル変化はインサイト変化をサンドイッチしながら進むので、
インサイト変化をうまく捉えられると次のOMOの形やDXのあり方を考えるヒントになります。
今回は映像コンテンツのデジタルシフトに着目しましたが、ニューリテール、OMO、パーソナライズ、DTC様々なDXでも同じことだと思います。
次回
ここ数年で様々なことが変化しました。
例えば
ツールはPortableからWearableへ
(個人的にWearableの次はWhereverだと思う)
映像は2Dから3D(VR)へ
(実用化される4th Dimensionが嗅覚なのか触覚なのか気になるところ)
通信は3G,4Gから5Gへ
(自動運転、スマートシティ、VRコンテンツなど超高速通信で可能になるビジネスはまだまだありそう)
お金は現金から電子マネー/暗号通貨へ
(FacebookのLibraは少しトーンダウンしてしまったが国家通貨のあり方は遅かれ早かれ変わると思う)
また、技術だけではなく世の中のパーセプションも大きく変わりました。
最たる例はゲーム。ゲームが目を悪くしたり、頭を悪くするものからスポーツの一種としてeSportsになりました。
上記の技術やパーセプションの変化には必ずインサイトの変化があるので、次のトレンドリサーチは他のジャンルのIXを調べようかなと思います。
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