未華

2002(21) 全部うそ、全部ほんとう

未華

2002(21) 全部うそ、全部ほんとう

最近の記事

たゆたえども沈まず

私は来月、介護を辞める。 うやむやな理由で働き始めた今の会社は、同期もいないし、味方もなかなか出来ないし、入社当初から嫌な部分ばかり干渉されるような雰囲気を感じていた。 それに、色んな立場の人間の板挟みになって、消費される。 グレーゾーンだらけだし、利用者さんの家族はああだこうだ偉そうだし、何をしても悪態つかれるし、最悪! 絶対に辞めてやる! 見習い期間でさえ、その意思を強く持っていたし、タイミングを見ていた。 私が今いるフロアは、特別養護老人ホーム(特養)の中のショートス

    • 初恋は6の目のサイコロ

      好きな曲に出会ったり、立ち返ったりしたときまるで初恋だなと思う。 喉が閉まって涙が出そうな、胸が痛くて苦しい感覚。叫びたいような、抱きしめたいような、他の何もいらない満ち足りた気持ちで重力も忘れる感覚。 ふと好きな曲を思い出したときは、その曲と見つめ合う。 そしたら私の足は自然のままに動く。 着くべき場所へ向かって行くんだから、私は自分の中で生きる"純粋な私"を旅させる。 どんなマスに止まってもいいんだよ、ちゃんとその目で見て感じてくるんだよと言う。 いつだって「行っておいで

      • フレンチブルに轢き殺されたい

        ズボンの裾を踏んで歩いていると路上のそこら中が部屋なんじゃないかと思い始める。雨に裾を濡らしたとしても。 夜勤が終わりそのまま、自分の中に籠ったまま、私は新幹線に乗りました。 始めれば始まるが、始めるための力がない。精神論で言えば、「それがお前の実力だ」と自分に突きつけた。 周りと比べず、何にも変えられない自分を生きたい。そんな気持ちが湧いて出て、失望と希望入り混じった気持ちで年相応を自覚する。 失望はいつもそばにいる。 いつのまにか人生のプラトニックは私の手で粉々にして

        • ひとり暮らしをしたならば

          ひとり暮らしをしたならば 隣はjazz barであってほしい、と思う。 地下鉄一本乗ったなら、レコード収集が趣味のお姉さんが住んでいて、うっかり知り合ってしまいたい。ずっと誰かに対していいなあと思い続けていたいし、誰に目が死んでるねと言われても主観ではキラキラしていたい。 たまに勝手に家に入ってくつろいでる相方がいてほしい。相方のプリンを勝手に食べたことに反省して、同じのを2つ買って、美味しいコーヒーを用意して次くつろぎに来るのをニマニマしながら待ちたい。 できれば安めのワ

        たゆたえども沈まず

          マーブル

          息が詰まる 上手く言葉にできないときや、誰にも知られたくないとき、自分のプライドと孤独が織り混ざったとき 息が詰まっている。 四方八方どこも見れずに塞ぎ込んでいた数年は、取り返すのではなく、それはそれでそのままにしている。 今はただ前に進むことだけに注力する。 外面だけよくなって、目的ばっかりに囚われぬように。 正論は、時々歯切れ悪く心を傷つけるのでまいってしまう。 たまには息抜くのも大事。 (ガス抜きの方がニュアンス近い) 最近の口癖は「あかんなあ私」とか「どうしたら

          マーブル

          あんたの現在地

          分ってたまるものか  ということがよくあります。 誰も、誰のことも知れないんだから絶対とは言いません。 知れるというなら 「そうなんですね」と言うだろうし、 そうやって静かに見守って行きたいです、愛はあります。 でも、私のことはこれ以上知らないでいいからね。 知ったつもりになられるのはまだまだとっても腹が立つ。 シャー わたし今どこにいるんだろう と、答えもなく、そもそもボヤッとした自問は常にありますが、アナグマみたいに黙々と、好きなように行きたいところ、入るべきコミュニ

          あんたの現在地

          今何してます?

          光の加減に振り回されようよ うちから歩いて10分のところに田んぼ道がある こんなとこで排気ガスを浴びて、野菜も拗らせそう...。 というその足は、その歩き方はだらしない ただ漫ろに歩いているだけで 間を埋めるものは何もない ただ全てがさりげない輪郭をもつだけだ 空白の多い時間のこの中であなたは 何を考えてるんだろう、正直どうでもいいけど 生産性の無い私の頭の中は 歪む音をあげて今日もよく回転しているよ みんなそうだといいなと思うけど、一緒になってしまったら一緒にいる意味

          今何してます?

          先陣を切るケーキ

          ひそひそと環境汚染に努めて 風をきって家に帰る リビングのソファに屍の母はいる ソファに足だけ乗せて地面にとけている 生活と洗濯機よまわれまわれ なるべく音は立てないように 足音ひそめて耳にビート 間違いを認めて 物足りない自分を受け入れて 暗い洗面台で髪をとく。 よーし今日は鉄板食べよう 車に母のせて走らせよう 母が好きなのは和牛ステーキ 一緒に食べるとおいしいね こういうことは言えるうち、口に出して言いあおう。 帰宅するなり寝る準備 わたし

          先陣を切るケーキ

          ふれるように話していたい

          肌にふれるように 大切な人と話していたい 葉につくかえるのように、ぴとっとくっついて 風に揺れて、雨に濡れる 当たり前みたいに時間が過ぎる それでいい、一見特別には見えないくらいがいい 100円しか渡せなかった字の占いのおじちゃん 「みいなさんは器用な人ではないので」 「そうです!」 いつだってひとりにふれていたい 鵜呑みにはしていないけど、鵜呑みにはしているみたい 占いなんてって思ってる、はず、らしい 深夜の帰路は かえるの学校の休み時間 わたし

          ふれるように話していたい

          ムーンエイジ

          わたしは今日、人生で一番ピンとくる映画に出会いました。 人間の一番柔らかいところを両腕で抱きしめるような感覚。 昨日ふと仕事終わり飲みに行ったバーでパッとでたあるナイトショーの話題。 それについて多く語った訳でもない。 次の日6時起きだし、苦手な人と勤務被ってるし、仕事興味ないし、ぴーひゃらぴーひゃら... ゆっくり寝てから仕事行きたい、ガチで。 でも、ムーンエイジは弾けるみたいに体クネクネさせて体の窓という窓の隙間から流れていく勢いで暴れてる。 その場である種の予言

          ムーンエイジ

          あの子が選んでくれた服を着る

          駅にいる。わたしはまた季節外れだと気づく。 単純に簡単に好きになっていったら、その先も軽いままなんだろか。 今しか見えないのは、ばかなんだろうか。 でも、最後を考えながら生きるのは結構つまらなくてね。 何者にもなりきれてないその様は、季節外れにコソコソ避けられる異常な人かと思えてくる。 目を食いしばっても悔しすぎて泣けない。 人に相談しようと、自分の意思は変わらない。それをあの子は解ってる。 分かるというか解るって感じだと思う。 だから肩を貸してくれない感じがするんだろ

          あの子が選んでくれた服を着る

          また少し大きくなったね

          季節の変わり目を感じる温度、さくらんぼみたいなにおいの空気。 わくわくしてます、どきどきも。 寝坊から始まった秋ですが、勘違いで1時間早く仕事についてモーニングにも行けたんだし、 これ書いてたら電車乗り越しちゃったけど、今日はなんだか機嫌がよくて許せるし、 これは「出だし順調」ということでしょうか。分かんないけど、そういうことにしちゃおうか。 適当に、てきとうに暮らしてます。なんかその方が性に合ってるのかもなと思ってます。 自分が言ったことを正解にする勇気は無く「〜

          また少し大きくなったね

          怒りってほんとは...

          悲しみが来るときは、単騎ではやってこない。 かならず軍団で押し寄せる。 高校生になって、怒ることが明らかに減った。それは怒りの本性が悲しみだと気づいたから。 そしてまた、悲しみの軍団がやってきた。 私が口にした言葉は話し相手の人生を大きく変えてしまったり、たいして知らない相手のことを苦手の欄に入れてみたり、力足らずで友達を苦しめてしまったり、理不尽で傷ついたり。 でも分かっている。 全てわたし次第で受け取り方も変えることができたこと。自分でした選択。 どんなに素晴らし

          怒りってほんとは...

          薄月夜と目があいまして...

          今回の帰省は最後から2回目だ。 さようなら。どうもありがとう。またね。 島のさようならは春に限らない。 各々はどこからともなくやって来て、脳内ドラマティックな者に限っては、何も言わないでいなくなる。(寂しい) だから、よく、短いながらに心を込めて言葉にする。 もちろん、また会うつもりでいるが、人の最後はいつか分からない。なら、こまめに伝えておきたいものだ。 3年前の春、大阪の家を出た。 そのころのわたしといえば、感情をほとんどなくして、ギリギリ人道を歩いていた。 星ヶ

          薄月夜と目があいまして...

          靴紐を結ぶ

          ダメではない。 きっと、ダメではない。 病は気からというように、ダメな気がすると言うからダメになる。 18歳。もう子どもっていう言葉に甘えるつもりはない。 最近は、補助輪を取る道具を探していたところだ。 だからどうかもう、わたしのことを決めないで。 残念だけど、わたしは誰かの主観通りにいく人間じゃない。 残念だけど、喧嘩売りがいたなら、言葉を全部受け取って終わらせる。 わたしはきっと強くて弱い。そしてバカ。 誰かの毒に苦しんだりもするけれど、気にするほど暇じゃない。 み

          靴紐を結ぶ

          野生。

          いつも眠そうな目。 空気を読むことなど知らぬ発言力。 やつがまた、この島に生まれてしまった。 デデンデンデデン♪ みたいな... いや、しょうもない前置きはどうでもいい。 今日は、つい「ふふふ☺️」と言いたくなるようなできごとがあった。 私は気づいたときには草の前にしゃがんでいた。 私がしゃがんだ前にはやぎがいる。 実際には、そこに一人女性もいた。 前提としてこのやぎさんたちは、学校の敷地の草を刈る使命を持ちながらここにいる。 そこにいた女性は、やぎの飼い主さんであ

          野生。