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人生初の救急搬送で、夫は-4㎏ 私は+1㎏(外来編)

我が家は3階建ての1戸建て。
1階では夫が針灸整骨院をしている。
患者さんの施術をさせてもらっているが長年の腰痛持ちで、痛み止めを常用している。
私も受付を手伝っていて毎日の時間の流れはほぼ一緒だ。

2022年12月15日(木)
午前の診療が終わって大体13時頃からお昼ごはんを食べる。
その後は必ずコーヒーとおやつを食べる私たち
で、少しのお昼寝をしてから夫は午後の診療へと向かうのが14時45分。
この時私は2匹のワンコとまだお昼寝している。(夫に甘えすぎ…)

午後の診療が15時に始まったはずなのに15時30分に夫が戻ってきた。
私・どうしたん?
夫・やばい!痛い!うーっ…(唸りながらうずくまっている)
私・えーっ?なになに?どうしたん?

さっきまでコーヒー飲んでおやつのチョコ食べて痛み止めも飲んだのに…

夫・もう1回痛み止め飲むわ
お昼の痛み止めを飲んで2時間しか経ってないから本来はダメだけど、あまりの唸り様にどうすることも出来なかった。

その後、様子を見に行くと…
どうにか患者さんには普通に接していたけど、表情は次第に険しくなっていった。

木曜日の午後、診療中の整形外科はなかなか見つからなかった。
でも運良く、かかりつけの内科の主治医が夕方の診察がある日だった。

コロナの影響で予約してないと診察できないと知ってたので、先に電話して事情を説明し強い痛み止めが欲しいとお願いしてみた。
私は元看護師で以前その病院で働いていたので、先生もよく知っていた。
(夫の長年の内科の主治医)

折り返し事務員から電話をもらうまでは祈る思いだった。
夫の前では平静を装いながら心の中では
「神様、神様、お願い、お願い…」

祈れば伝わる?
事務員からの電話で診察に来て下さいとの返事をもらえた。
やったぁ!

その日、整骨院は運良く患者さんも少なくて、17時に一旦途切れて次は18時30分の予約だった。
あまりの痛さに見ていられず、その患者さんにはキャンセルさせてもらった。
本当にごめんなさい。

追加の痛み止めを飲んだのと、先生に診察してもらえる安心感で夫も少し落ち着いていた。

車で病院へ行き、歩いて待合室まで行って、座って待っていられた。
いつも優しい先生がいつも以上に心配して話を聞いてくれた。
いつもは検査結果を聞くのにドキドキする方が多いけど、今回は夫婦揃って安心感MAXだった。

強めの痛み止めの座薬を処方してもらって、1週間後の休みに腰のMRI撮影後に整形外科で診察出来るように無理を言って予約してもらった。
元職員の特権をフルに利用させてもらった。

帰宅後、20時に座薬を入れて夫はベッドに入った。
私も明日に備えて早めに眠りについた。

12月16日(金)
朝の5時に携帯が鳴った。
嫌な予感…

夫・ち…ちょ…ちょっと…うーっ…来てくれ…

私達は別々に寝ている
しかも夫は2階、私は3階…
慌てて降りていくと、ベッド上でうずくまって唸り悶えてる夫の姿に『ヤバイ』の3文字が頭をよぎった。

夫・うーっ…3時から…いっ…痛っ…痛かった

すぐに痛み止めの座薬を入れて話を聞くと…
深夜3時から痛みが激痛になったけど、起き上がれなくて携帯に手が届かず唸ってた…
やっと携帯に手が届いて電話出来たのが5時…
恐ろしい…

2時間激痛に耐えてたと思うと申し訳ない気持ちと、気絶しなくて良かったなと思う気持ちでいっぱいだった。

そこから私の頭はフル回転!

痛み止めが効いてる間にワンコの散歩へ行かないと!

下のそら(黒豆柴)は家の中でもオシッコもウンチも出来るから散歩は我慢してもらって、部屋のなかを走り回ってもらった。
朝から元気いっぱい!よし!

上のむぎ(赤豆柴)は家でウンチは絶対しないから散歩ですっきり!
柴犬あるある→家でオシッコ、ウンチをしなくなる
私の気持ちもすっきり!

ただ…夫は痛み止めが全く効かない様子で…
トイレに行きたいけど起き上がれない(泣)175㎝ 82㎏の夫をおんぶする事も出来ず…
寝たまましてもらうしかない。
病院だと尿瓶があるけど、そんな物が家にあるわけない…
どうしょう…
洗面器?
ペットボトルを切る?
あっ!牛乳パックだ!

ちょうど洗って乾かした牛乳パックがあった!

私・ここに出して~
夫・(苦笑い)

ところが、なかなか出ない…
普段、立ってオシッコしてる人がいきなり寝たままでは出ない…(泣)
こればっかりは何も助けてあげる事が出来ない…焦らせてもダメだし…じーっと見ててもダメだし…

牛乳パックを夫に握らせて、私は身支度を始めた。
と同時に頭はフル回転…

救急車はいつ呼ぶか?
すぐ来てくれるのか?
かかりつけの病院は救急対応してくれるのか?
病院の今日の整形外科の担当医は誰か?

そんな時に心強いのが先輩看護師さん!
迷惑を承知で7時にLINEで相談してみた。

スマホの画面をじっとみつめたままの私
すぐに既読マークがついて嬉しくて泣きそうだった。

救急車が重なってなかったら受け入れてくれるはずだから、救急車呼んで病院に連絡してもらい!と…

あ~神様…ありがとうございます!
泣きそうだけど泣いてる場合じゃない!

そんな時に
「出たぁ!」と夫が声を張り上げた。
お~良かった~
牛乳パックさん、ありがとう

救急に電話する前に持ち物の確認!
①診察券、保険証、コロナワクチン接種証明書
②お水、財布、タオル、スリッパ
(もしも症状改善して帰宅となった時に、履くものがなくて困るのを何度も見てきたから)
③整骨院の予約表
(とりあえず今日の分の患者さんの電話番号を控えて連絡するため)

救急車を呼ぶ時間も悩んだ。

病院の状況がわかるだけに悩んだ。

病院の診察が始まってから行くと、外来受診患者さんが混んでいる場合、待ち時間も長くなると…
でも、早すぎると結局は常勤医が来るまで待つ事になると…

救急車も電話してどれ位で到着するかはその時次第…1時間待つ事もあるって聞いたことがあった。

あれこれ考えていると7時45分になっていた。
もう電話しよう!って受話器を持った時…

あれ?何番だったっけ?
自分でもびっくり、番号が出てこない(笑)
私、パニクってる?

うずくまってる夫に何番やったっけ?
ほんまにごめんね(笑)

無事119に連絡すると
のほほーんとしたトーンで
「はぁい、火事ですかぁ、救急ですかぁ?」

一瞬、119にかけたよね?って確認した私。
あまりののんびり口調にブチ切れそうになったけど(笑)
時間の無駄と自分に言い聞かせて深呼吸した。

私・救急ですっ!
119・はぁい、じゃ~住所と生年月日、性別をお願いします~
どんな症状ですかぁ?

ブチ切れそうな気持ちを落ち着かせながら、一通り説明した後…
119・今から5~10分で到着しますので、サイレン聞こえたら玄関前に出て教えて下さい
あ~良かった!
1時間後って言われたら絶対にブチ切れてたと思う(笑)

サイレンが聞こえるまで階段や廊下の荷物を必死に整理した。

あっという間に救急車が到着し優しい感じの救急隊員が3人出てきた。
もう神様に見えた。

人は外見で判断してはダメだけど、3人の救急隊員の顔や声を聞いてめっちゃ安心したのを覚えている。

3人はベッドで唸ってる夫に近づき、優しく声をかけながら寝返りも出来ない夫をゆっくり丁寧に救急車まで搬送してくれた。

この間、見た事ない救急隊員にギャン吠えしまくる2匹のワンコ(汗)
びっくりしたワンコ達にもごめんね~
救急隊員にもすいませんの連発…

無事、救急車内のストレッチャーへ
かかりつけの病院を希望すると、すぐに連絡してくれて当直医の判断待ち…
かかりつけの病院がだめだったとしても、他に病院が見つかりますように…
またまた、神様に祈る私。
お願い、お願い、お願い…

受け入れOK
良かったぁ!
病院までは約10分!

救急車内では整骨院の患者さんに休診の連絡をしていた私。
病院に到着後、救急隊員が「いつも患者さんを治してるのに大変でしたね、お大事に」と声をかけてくれて、本当に本当にありがとうございました!って何度も頭を下げました。

当直医から、常勤の整形外科の医師が診察するまでは痛みの度合いが不明になるので痛み止めを使わずに待ってて下さいとの説明があった。

運良く朝一番のMRIが空いてたのですぐに検査する事になった。
検査の前に整形外科医も来てくれて、診察と問診をして結果を待つ事になった。

MRIの結果

第4-5腰椎間の腰椎椎間板ヘルニアと診断。
突き出たヘルニアが神経を圧迫してしびれと痛みが出ている。
座薬も効果ないので硬膜外注射をする事に…
(腰の骨の間に針を刺して直接薬を入れる)

反応良かったら症状改善して歩いて帰宅できる場合もあるとの事で、しばらく様子をみる事になった。
でも夫はほぼ効果なく起き上がれなかったので入院が決まった。

入院に必要な検査がオーダーされた。

血液検査、尿検査、胸のレントゲン、心電図…

血液と心電図は寝たままでOK
尿検査はやっぱり起き上がれなかったから寝たままだけど、なかなか出ない。

レントゲンはストレッチャーで移動した後、背中を45度位上げて撮影された。
この45度ベッドを起こした事で、更に激痛が走ったらしい。

すぐに寝る姿勢に戻してしばらくすると少し痛みは落ち着いたらしい。

残すは尿検査…
看護師さんが「入院してからでもいいですよ」と優しく声をかけてくれたけど、夫は「こんな姿見られたくない!恥ずかしすぎる!」と言って頑張って私がいる時に無事、尿検査は提出できた。
お疲れ様。

やっと病棟へ…

でもコロナ禍なのでエレベーターから降りた所で夫とはサヨナラ…
またまた運良く、病棟ナースは私の友人と後輩で主人もよく知る仲だった。
知り合いがいるだけで、こんなにも安心できるのかと改めて思った。
看護師さん、助手さんに夫を託して荷物を取りに帰る私。

とりあえず必要な物…
内服薬、タオル、着替え、スマホ充電器…
寝たきりだからストロー付きコップ、歯磨き出来ないかも?でモンダミン…
あれとこれと、えーっと…

その時に夫からLINEがきた。

「座れなくてご飯食べられへん、チョコレート持ってきて」

おぉっ!
ちょっと痛み落ち着いたな(笑)

夫は糖尿病で薬を何種類も飲んでる。
インシュリン注射はしてない。

本当はチョコレートなんてダメだけど、
ご飯食べられないのは困る。
病棟ナースの許可ももらったらしいから(笑)

大好きなキットカットを荷物の一番上に置いた。

荷物を病棟ナースに預けてすぐに帰る私。

コロナ禍で入院してる患者さんやその家族…
こんなにも淋しいとは…
自分の無力さを感じながら自転車で家に向かっているとスマホが鳴った。

「ありがとう」
夫からのLINEだった。

朝5時の夫の電話から12時間経っていた。

張りつめていた何かが緩んだ瞬間だった。

あっ!
私が今倒れたら絶対にダメだ!
メソメソしてる場合じゃない!
いっぱい食べなきゃ!
(ん?合ってる?)

でも、これが私の生き方、考え方(笑)


入院編につづく









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