痛みのメカニズム
痛みを知る・痛みの治療・慢性痛症
これまでの医学教育の中で「痛み」を学問として教えられてきた事はありませんでした。
痛みは、あくまでも何らかの疾患に付随する症状として理解されていたのです。
ところがごく近年になって
「痛みそのものが病気」
であると言う病態があることがわかってきました。
「慢性痛症」
と言う概念です。
これは単に痛みが長引いているのではないのです。
それ以来、痛みの研究も急速に進み、今では痛みを学問として捉える時代になりました。
それでも臨床の現場ではまだまだ浸透していないようです。
今でも、痛みの学問的理解は徹底していないのかもしれません。
整骨院・整体院に来院される患者さんの80%は痛みを治療してほしいと来院されます。
なぜ整形外科等にいかないのでしょうか。
また整形外科に行って検査したが「異常ありませんと言われました。」といいます。
なぜでしょうか?
病気(疾患)の進行を考えますと、特殊なケースを除いて一般的には
①感覚異常が引き起こります
次に
②機能障害が引き起こります
この状態の時を
【機能性疾患】
といいます。
この状態の時は病院で病理学的検査を受けても異常箇所が見つかりません。
もっと病気が進行すると、炎症、腫瘍、癌など、体の細胞組織の編成が引き起こります。
この状態の時を
【器質性疾患】
といいます。
病院で病理学的検査を受けると異常箇所が見つかります。
このような状態になると、薬や入院、手術が必要になります。
病院が扱うのは、病理学的検査で異常箇所が特定できる【器質性疾患】です。
医師の皆さんは、この状態を扱う専門医として訓練を受けています。
この領域での診断と治療は得意ですが、
それ以前の【機能性疾患】については、あまり訓練を受けていないので不得意なのです。
ですから「検査をして病理学的な異常が見つからない」と、原因はわからないがとりあえず症状を取るための対策療法を行うのです。
または「様子を見ましょう」と言って診断のできる病気になるのを待つのです。
【器質性疾患】に進行するまで待つのです。
つまり根本的な治療ができないのです。
ところが
腰痛、膝痛、肘痛、肩痛、頭痛、冷え性、便秘、不眠、内臓機能低下など、日常生活に支障をきたす大部分は、機能的な異常を原因とする
【機能性の疾患】
なのです。
カイロプラクティックは、器質性の疾患に移行する前の【機能性疾患】の段階で原因を特定できる検査と分析、そして治療技術を持っています。これがカイロプラクティックの優れた所です。
見えない痛みが『結果』とするならば、痛みのメカニズムを理解することで『原因』を特定できるはずです。
『原因』があって『結果』があります。
これは痛みに限らず、生きていく上で人生も同じメカニズムが働いていると私は思います。
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