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失敗しないコツは湯煎にあり。ハードルがぐんと下がるチョコレート作り“きほんのき”

チョコレートを手作りするオトメに声を大にして伝えたい、元パティシエが一般人目線でお届けするチョコレート作り“きほんのき”。読めば今年のバレンタイン勝ったも同然です(誰に)。


その湯煎間違ってます。

唐突にすみません。まず初めに24秒でわかる動画をどうぞ。

料理の正解なんてひとつじゃないけど、チョコレートはそれにあらず。
ある程度の決まりごとを守らないと急に暴れ出すわがままボディ、それがチョコレート。

例えばほとんどのレシピについて回る「刻んだチョコレートをボウルに入れ湯煎で溶かす」という工程。お湯を張ってボウルを浮かべる簡単なお仕事…に見えてちょっと違います。

例えば以下は間違った湯煎の例

26cmフライパンに18cmのボウル

フライパンの湖面にぷかぷか浮かぶボウル、気持ちよさそうですね〜

22cmボウルに15cmのボウル

ボウルに貼ったお湯に浮かぶボウル。こちらもよく見かける光景です。

が、いずれも間違った湯煎の方法です。


ちょこっとだけチョコの話

まず軽めにチョコレートの話を。

チョコレートはかなかにデリケートな素材で特に「水分」と「温度」に敏感です。とはいえ家庭で作る程度なら難しく考えることはなく、“失敗の元を避けるだけ” でOK。順を追って見ていきます。

チョコレートはなるべく製菓用を

レシピに書いてある「クーベルチュールチョコレート」というやつです。

簡単にまとめると
「扱いやすくて風味がいい、加工向き」がクーベルチュール、
「手軽でそのまま食べておいしいが加工には不向き」が市販の板チョコ。
(ものすごくかいつまんだ要約なので詳しくはこちらをご覧ください)

「でも社長、クーベルチュールってお高いんでしょう?」と思うでしょ?

我々の味方、全国展開のカルディなら150g入りで349円。品質のよさも加味すると案外リーズナブルだったりします。

タブレットやコイン型のものと違い、ブロック状のチョコレートは使う前に刻む必要があります。なるべく涼しい部屋で、手袋をはめて作業しましょう。

刻む前にまな板のまわりの空間に数回霧吹きをしておくと、静電気でチョコレートがふわふわと舞うのを防ぐことができます(チョコに直接霧を吹くのはNG)

板チョコにおいても頼れる業務スーパー

「チョコを作るならクーベルチュールで」と言った側からなんですが、なるべくリーズナブルに済ませたい気持ちもわかります。

コンビニやスーパーの板チョコ(50g/1枚)が1枚100円を超えるなか、積極的に推していきたいのが業務スーパーのビターチョコレート。1枚100g入りで149円なので、一般的な板チョコよりもだいぶ割安です。

いつだって我々の味方、ありがとう業スー。


清く正しい湯煎とは

前振りが長くなりましたが、こちらが清く正しい湯煎のスタイル。

お湯を張った鍋にチョコレートが入ったボウルをはめこんでいます。湯温は50〜55℃が適温です。ちなみに鍋は【staub  ピコココット 20cm】、ボウルは【野田琺瑯 全白 20cm】を使用。

さらに、ボウルと鍋の間にふきんを挟むと安定感は盤石。小ボールに大ボールを重ねる方法もありますが、ボウルは下がすぼまっているため若干安定感には欠けるかも。


アルコール温度計を推す理由

手前が〜50℃計、奥が200℃計。高音まで測れるものほどメモリが細かい

詳細については省きますが、チョコレート作りには温度を測る場面が度々登場します。いわゆるテンパリングってやつです。最近はデジタルで高性能のものがさまざま販売されていますが、私が推したいのはアルコール温度計

こちらは200℃計。ややメモリが小さいが揚げもの時に重宝

赤く色づいたアルコールの上昇(下降)スピードでチョコレートの温度の変化がわかりやすいのがおすすめの理由。令和の便利な時代、何でもかんでもデジタルがいいとも限らないだな。

「でも社長、お高いんでしょう?(本日2度目)」

いえいえ、1本500円程度と割とリーズナブルに手に入ります。送料がかかるので調理道具専門店が近くにあれば直接足を運んでみて。

自他共に認める道具マニアの私が推す調理道具専門店は
自由が丘 Grand Chef(グランシェフ)。自由が丘に実店舗があり通販でも購入できます。調理道具や製菓道具が所狭しと並び、わからないことは専門的な知識を持つスタッフがていねいに応えてくれる頼れるお店。

とにかく欲しいものが過不足なく揃う、ここに行けば間違いない!あまりにも好きすぎて昔働いていました。その話はまた今度。

レンジでチョコレートを溶かすのをすすめない理由

チョコレートって高温が苦手です。電子レンジは便利な一方で加熱ムラができやすいというデメリットがあります。

もちろん弱い出力で短時間加熱すればできないことはありませんが、加熱しすぎて風味が劣化したり焦げる可能性も。最良の状態を見極める自信がなけらば湯煎がベター、というニュアンスです。

さらっと書くつもりがいつの間にか長文に。バレンタインはもうすぐそこ。太字の部分だけかいつまんでさ〜っと読んでいただけると幸いです。

全国の恋する乙女のみなさん、娘さんの友チョコ作りに付き合わされているママさん、ラストスパートファイトです!

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