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「明け方の若者たち」感想【ネタバレあり】

「私と飲んだ方が、楽しいかもよ?笑」
その16文字から始まった、沼のような5年間。

ここだけ見ても普通の恋愛小説かって感じするよね。
まぁ読んでみて。
って言っても誰も読まないと思うけど。

でもね、まじで良かったよ、この本。
普段は本読まないしTwitterとLINEでしか
文章書かない・読まないくらいの人間だけど、
なんだかスラスラ読めたよね。

最後にまともに本を読んだのが
中学2年の時の「人間失格」だったかな。

ぼくが本を読まなくなったり
女性に対して不安を抱えるようになったのは
思春期まっ盛りなあの頃に
人間失格を読んでトラウマを抱えたのがきっかけ。(言い訳)

そんなことは置いといて、
久々に自分から本をよんでみようと思ったのは
著者のカツセさんのおかげよね。
いつも、ぼくの性癖にぶちささるツイートを投稿してくるんね。

そんなこんなでこの本を読んでみた。

今の自分の立場と似た主人公。
しかも性格まで似てるときた。

この主人公が経験していく
『彼女』との日々は、
さぞ楽しかったろうね。

で、何やら暗雲立ち込めたり
時系列バラついたり
そしてあの128ページ目。

いやぁ。ほんとに揺さぶられた。

しかも恋愛だけじゃなくて、
生き方とか仕事とか交流関係とか
いろんな観点から1人の人生を見ていくの。

どこかの部分で

「あれ、これ自分じゃん」

ってなると思う。
そしてこの主人公に自己投影してのめり込む。

カツセさんのフォロワーは女性が大半で、
男性視点の話なんだなー
って思ってたんだけど
これなら男性にも受けるし、
いろんな観点で共感得られる。
そこがよかったのかな。

この本を最後まで読めばわかるんだけど、
これっていう終わり方がないんだよね。
俗に言う「おれたた」(俺たちの戦いはこれからだ!)ENDなんだよね。

人生ってそんなもんだよね。
これっていうゴールがないように思う。

で、タイトル。

『明け方の若者たち』

これよね。

明け方は希望じゃなくて、
絶望の始まり

カツセさんはこんな感じのことを言ってた。
(うろおぼえ)

夜が明けて、
仕事やら、
今日という人生を始める、
若者たちの絶望感を表現できた作品だと思う。

過去の絶望をこの本に込めて、
ちょっと前に進める。
そんな気がする。


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