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私たちが海外プログラムで得たものとは(選抜型海外プログラムレポートvol.7)

2023年3月7日から14日まで、6名のEMCの1期生たちが、「選抜型海外プログラム」に参加しました。帰国から2週間、改めて海外研修の内容や、そこで得たものについてインタビューをしました。

■起業家教育に特化したバブソン大学を訪問して

「バブソン大学に入りすぐに目に入った言葉が頭から離れません。
"Those who dream, we call dreamers. Those who do, we call Entrepreneurs."
というものです。
私は何かと言い訳をして行動を先延ばしにする癖があります。しかし、この言葉を世界の最先端のアントレプレナー教育をするバブソン大学で目にして、このままではいけないという焦りとやる気が湧いてきました。改めて、自分の将来と向き合った時間になりました。
また、教授の話やプレゼンに対するフィードバックがとても印象に残っています。リーダーになるには巻き込み力、求心力が必要が必要だとおっしゃっていました。フィードバックで特に印象に残っていることはつかみについてです。問題提起やプレゼンの最初はとにかくいかに聞き手を夢中にさせるかであり、どのように人の心をつかむかが大切だとおっしゃっていました。これらは日米関係なく大切なことだと思うので、意識していきたいです。」(佐藤 菜緒子)

「全寮制なんですが、寮にも種類があって夜型や朝型に合わせたり、体育会系のクラブなどに合わせた寮がありました。生徒が交流できる場所が多数あり、グループで作業したり、話ができる場所がありました。
学生たちが、狭く深くコミュニティを作っている点も気になりました。そのおかげで、人づてに何かを紹介してもらうことが多いらしいです。
授業について、驚いたのは、EMCとやっていることがほとんど同じということです。私が面白いと思った点は、少人数ではなく10人以上のグループでプロジェクトに取り組んでいるということ。マーケティングや運用する人で役割をしっかり分担していました。中間と最終しか発表を行わないため、一回一回のスライドや服装などの見た目に力が入っていたように感じました。」(佐々木 華彩)

■CICを訪問して

「コネクションを大事にしていて、たとえどんなに良いアイデアを持っていても、コネクションやそれを実現できる人付き合いがなければ起業家として成功しないという話が印象的でした。たくさんの人と関わり、人脈を広げることは世界共通ですね。確かに、自分以外の人に魅力を伝えて、共感を得られなければ意味がない。どんなふうに自分のプロダクトを相手に伝えるか、どのように人と接すれば協力してもらえるかなど、起業家に必要な要素はたくさんあります。CICを訪れてみて、起業に必要なことを改めて考えるいい機会になりました。」(阿部 拳太)

「CICで特に印象に残っていることは2つあります。
1つ目は学生向けの取り組みです。たとえば、中・高・大学生が施設を見学できる仕組みや、ピッチやビジネスの相談、トレーニングなどをしてくれる仕組みがあります。起業家育成のためには、中高生から意識を変えることが大切だと思うので、これらは本当に素晴らしいものだと思いました。
2つ目は、オフィスの構造です。オフィスの構造が複雑で、キレイに並ぶ日本の会社のオフィスとは全く違いました。なぜこのようなデザインなのか担当の方に尋ねたところ、入居前にアンケートを取り、部屋の構造や方角、窓の向きなどできる限り理想に近づけ、環境を整えているからだとおっしゃっていました。そのほかにも理由はあるようですが、企業秘密ということで、自分自身で考え予測したいと思いました。東京にもあるCICですが、東京とはまた違った雰囲気で、日本の富士フイルムや三菱なども入居していて、嬉しくなりました!!」(佐藤 菜緒子)

■Venture Caféを訪問して

「Venture Caféで行われているThursday gatheringに参加しました。日本で参加したことがありますが、比較にならないほど多くの国籍の人が参加していた。インド、ドバイ、ドイツ、アメリカ、南アフリカなど、このように多国籍の人々と出会えるのはアメリカならではと思いました。
そんな彼らと話した時に最初に聞かれるのは、”what do you do?”でした。私にはまだはっきりした目標がなく、具体的なことが言えなかったのですが、彼らにははっきりしたビジョンがあって、なんとしてでも掴み取る気持ちでいるのを強く感じて、とても悔しかったです。自分の今の状況に対して喝を入れてもらえました。考えているだけでは意味がないのと同じで、行動してから考えることをもっと積極的にしていこうと思いました。日本のThursday gatheringとはまた違った空気感があったので、他の国のVenture Cafeの空気感も気になりました。」(白石 絢)

「様々な方とネットワーキングをすることができました。
ある人から「自分の市場価値の上げ方」を教えてもらいました。たとえば、英語を学んでる人はもちろん多いですが、場所によっては即戦力になるということ。例えば、私が地域おこしで通っている徳島などに行くと、英語が堪能な人は少ないので、英語が喋れたら自分の価値をあげることができます。
あとは友達。海外に行って何か挑戦している人はいい人が多い! 自分も海外に出て、たくさん面白い友達を作ろう と思いました。
私もたまに通っている福島の西会津に行ってる人もいて、日本の田舎にも海外の人を引きつける魅力があることを再確認しました。」(清水 涼太)

「日本のVenture Caféと近い雰囲気があって、とても居心地が良かったです。アメリカの大学生やインドからの留学生とコミュニケーションを取れたことも、非常に良い経験でした。ラウンジには、無料でお酒やポップコーンが提供されていたり、どこからでも全体を見渡せるような空間設計になっていて、常に誰かと話すことができました。EMCのラウンジも、よりコミュニケーションを取りやすい場所になるように空間設計していけたらと思いました。」(佐藤 健太)

■SXSWに参加して

「SXSWは想像以上でした。街としての熱気も溢れており、出展している企業のブースもすごい。中には日本企業もブース出店していたのですが、日本人の自分たちが知らないような最先端の取り組みを紹介していました。例えばTBSは、仮想空間を利用したサスケのゲーム開発と、字幕の文字入力が自動化されるシステムを自社開発していて、時代の先端を走っていると感じました。普通であれば子会社や他の企業のプロダクトを導入するのだそうですが、エンジニアを雇って自社開発をしているのは珍しいと言います。
一方で、アメリカ企業は参加者にどんどん話かけて、自社のプロダクトを積極的に売り込もうとしていたのに対し、日本企業はこちらから話しかけないかぎり売り込んできたり、長い話にはならない印象でした。もっと積極的に売り込んだり、相手の時間を使ってでも話し込んだ方が、より興味を持ってもらえたり、次のチャンスにつながるのではないかと感じました。
また、セッションで最も印象的だったものはゲーム産業です。ストーリー構成や画面のグラフィックについて話をしていて、とても面白かったです。会話の中で日本のゲーム産業の話になった時はとても嬉しかったです。日本はゲーム産業において世界トップクラスで、特に任天堂を褒めていました。強い産業を持っていることは、世界で戦っていく上で改めて重要なことだと思いました。もっと日本の強い産業について学んでみたいと感じました。」(阿部 拳太)

「SXSWでの気づきや学びが、大きく2つあります。
1つ目は、オープンなスペースでの交流について。会場がパーティーみたいになっているところがたくさんありました。とてもラフに人と交流できる空気になっているんです。ビジネスの話をしている人や、自社にスカウトしている人を見て、そういった会話はかしこまった場でするものと思っていた私は衝撃を受けました。ラフな場所の方がリラックスできますし、敷居の低い場作りをすることで、私みたいな学生でも立ち寄りやすくなります。企業と人の距離感が近くて、とても素晴らしいと思いました。日本では、企業を身近に感じられる機会があまりないため、このような仕組みをもっと日本に取り入れていけたらなと思いました。
2つ目は、外の世界を学ぶことの重要性です。SXSWで見たものは、興味深くて、センスが良くて、最先端なものばかりでした。自分もクリエイティブさをもっと身につけたいと思いました。また、セッションで話している内容をもっと知っていたら理解度が変わっていたのだろうなとつくづく感じた。もっと沢山のことを知る必要があると強く感じました。」(白石 絢)

■全体を通じての振り返り

「私にとってのこの研修のテーマは、『経済発展に街や大学はどのように影響を与え、ボストンやSXSWから何を学べるか』でした。
ボストンでは、教育に対する投資が大切であると実感しました。国が投資を進めるだけでなく、民間企業が大学に対して投資できるシステムを整備することが必要だと考えます。また、投資はお金に限らず、施設や雇用の提供などでも行われるべきだと思います。
一方、SXSWで印象的だったのは、企業と市民の距離が近いことでした。市民は、企業やアーティストたちと交流することで、経済や政治に対する関心を高めることができます。これに対して、日本では市民、企業、政治を分けて考える傾向があるかもしれません。
また、日本の規制が厳しすぎることも問題だと感じました。海外では、ライムやUberなどの新しい交通手段が普及していますが、日本では違います。新しいアイデアが生まれるためには、ルール変更のハードルを下げる必要があります。これからもっと勉強して、この問題に対する解決策を模索していきたいと思います。」(佐藤 健太)

「研修に行く前に、いくつか目標を立てていました。その1つに『多くの人と交流をするだけでなく、将来も関わっていける人と出会う』という目標がありました。結果的に、その目標を達成することができました。Venture Cafe Cambridgeで出会った方と仲良くなり、3月の後半に日本に来てもらう約束をしたんです。彼らは、寿司プレートのデザインをしていて、私は日本人としていくつかアドバイスができました。その結果、彼らと仲良くなって、日本に来てもらえることになったのです。自分の知識がきっかけで人と繋がる喜びを感じました。自分でも気づいていない自分の強みって、こういうふうに見つかるんだなと勉強になりました。
また、英語を常に話すことを意識しました。例えば、Uberの車内では常に運転手さんと話すようにしました。『英語を勉強中だから、英語の先生になってもらえませんか?』と質問すると、みなさん快く受け入れてくれます。そうやって会話していると、親近感を覚えると共に、アメリカの労働者階級の現状というのも見えてきます。SXSWでの講演会場では、講演を聴き終わった後に、『今、英語を勉強中で、講演内容が一部わからなかったんだけど、どんな話だったかざっくり聞かせてもらえないか?』と隣の人に話しかけたりしました。それによって、自分がどこまで理解ができたかを把握すると同時に、さらに英語で会話する機会を得ることができました。
一方で、バブソン大学に行った時に、現地の学生に突撃インタビューをするなど、もっとクレイジーなことをすればよかったという反省もあります。与えられたプログラムをこなすだけでなく、自分にできることを見つけて挑戦したら、もっと実りのある時間になったでしょう。また、自分の存在をもっと言語化できるようにしようと思いました。たくさん交流しても『学生です』で話が終わってしまうのがとても悔しかったんです。もっと自分を説明できるように、アクティブに行動していきたいと思いました。」(白石 絢)

■今回の研修参加を、今後の学生生活にどう活かすか

「実践あるのみです。バブソン大学で目にした
“Those who dream, we call dreamers. Those who do, we call Entrepreneurs.”
という言葉の通り、夢を見たり口先だけでは何もしていないことと変わりません。実際にバブソン大学に通う学生、SXSWに参加していた日本企業のみなさん、すべての人に共通するのは実践です。自分の殻を破り、枠組みにとらわれずに行動する心を学びました。大きくても小さくてもまずやってみて、それから悩むのもいいのではないかと思います。」(佐藤 菜緒子)

「とりあえずプログラミングをやってみる。自分に向いているのかもしれないから。今の最先端を追い続ける。テクノロジーの分野は自分には関係ないと思っていたけど、テクノロジーが世界を変えるし、知らないと置いて行かれる気がしたから知識として持っておくのは大切。勉強する。」(佐々木 華彩)

「まず授業や普段の態度を変えていく。例えば、質問力の向上、自信を持って物事を進行させる、常にグローバル視点でものを考える、朗らかにいく、などです。
今回の研修で、自分がどれほど甘い環境にいたのかがわかりました。また、どれだけ変化がない環境で育ってきた理解しました。例えば、アメリカは少し土地を離れるだけで全く違う都市構造や文化があるけど、日本は大体同じです。単一民族中心の社会というのは、かなりマイナスな環境だと思いました。
これを改善するために、学生時代のうちに1年間海外で揉まれて、日本との差を感じながら自分の腑に落ちる課題感(怒りポイント)を見つけにいく。その第一歩として、3年次は海外視点を持って行動すると決めました。
具体的には、1、2学期でとにかく英語を極めます。スピーキング向上のために、積極的に困っている訪日外国人に話しかけます。最終的には自分の意見を話せるようになります。リーディング向上のために、様々な文献を読み、単語を覚えていきます。ある程度の本が読めるようになりたいです。リスニング向上のために、TEDやカンファレンスに参加し、生の英語を聞く機会を意識的に作ります。
同時に、日本にいながら多くの国を調べ、情勢や文化、スタートアップ環境を調べて、自分の興味がある国を増やしていきます。そのほかにも様々なスキル的部分(ファイナンスなど)や、テクノロジーにもある程度は精通できるようにしていきます。日本にももっと詳しくなり、海外に行った時により違いを感じられる準備をしておきたいです。そして、夏休みは海外で何か活動をしたいです。」(清水 涼太)

学生たちのインタビューは以上になります!
選抜型海外プログラムレポートは、以上で完結です。長文を読んでくださって、ありがとうございました!

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