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言葉の記録

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記事一覧

兎は寂しいと死ぬんだって誰かが言ってた

電車に乗ってヘッドフォンをつける
今気に入ってる音楽を流すとイントロが流れてきて
スマホの電源を落とす

京阪電車は地上を走る
だから窓の外からは街が見える
大阪のどのへんの街なのかは分からないけれど
電車のスピードによってどんどんその景色は移り変わっていく

ぼーっと見つめる
マンションが見えたり
住宅地が見えたり
大きな派手な看板が見えたりする

少し時間が経つと駅に着いてその景色は終わる

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演劇を死ぬための道具にはしたくない

最近、演劇がなかったら死んでたんじゃないか、ってくらい嫌なことがあった。それは今でも続いていて、今でもずっと嫌で、でも死なないでいられるのは、演劇があるからなのかもしれない、と。

そこでふと思った。

「あたしは演劇を死ぬための道具にしてるんじゃないか?」

生と死はいつも対に存在している。
生きているということはいつかは死ぬということ。
死んでいるということはいつかは生きていたということ。

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人生

今まで進んできた道が果たして正解だったのか、それを証明してくれる人は誰もいなくて。もう一つの道の方が良かったんじゃない?なんて言われても、もう一つの道ってなんだよ、って、そんな道は知らない。今進んでる、この道しか、私達は知らない。

もし、「こっちにいけば○○だし、こっちにいけば△△だけど、どうする?」なんて言われたら。誰に、なんてことは置いておいて、もしそんな選択肢を、人生の選択肢を選ぶことが出

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人に対してちゃんとする

人に対してちゃんとする。その「ちゃんと」の度合いは人によって違うだろうけど、あたしの「ちゃんと」の度合いは挨拶とか礼儀とか、そういうのができる、「ちゃんと」。ありがとうございます、お疲れ様でした、よろしくお願いします、……そういうのがちゃんと出来る人が、ちゃんとしてる人が、演劇人には多い気がする。

一体なぜなのか。一人くらい、礼儀とかそういうのがなってない人がいてもおかしくないだろう?だって人間

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電車

男が歩いている。定期券を取り出して、改札をピッとして通る。電車をしばらく待っている。

男、スマホをいじる。女が歩いている。定期券を取り出して、改札に差し込んで通る。男の斜め後ろに並ぶ。

「……お、阪神勝ってるやん」
「……」
「……ぁ、」

電車がやってくる。数人が乗っている(歩いてくる)。男、気恥しそうに電車に乗って奥へと歩いていく。女、ドアのすぐ近くに立っている。

部活終わりの女子高生二

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生と死

もし、死んだらこの世から消えるシステムだとしたら。

その人の記憶は誰の脳からも消える。
その人に関する物質も消える。
もちろんその人の存在も消える。
骨も肉も目も耳も、消える。


人は死にたがるだろうか
生きることをすぐに諦めるだろうか

「嫌なことがあったなあ、あーあ、この先も嫌なことがつづくのかあ、よし、死のう」

そういう人が増えてくるのだろうか

恋人たちは、不安になるだろうか

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眠ることを知らない僕

僕は、眠ることを知らない
眠るってことがそもそもどういうことなのか
寝るって、どういうことなのか
僕は知らない
分からない

眠ったことがないから
寝たことがないから

「眠るってどういうことなの?」

「わからない。 だって眠ってる時にはなんにも考えてないもの 。感じてないもの」

じゃあ、みんなほんとは眠ってないのかもしれない
眠ってると思ってるだけで
ただ、寝転んでいるだけかもしれないじゃな

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