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遠い未来の「意識とテクノロジー」

概要

まだ到達してない意識から直接情報を取り出す方法、意識に直接情報を送る方法、それらが達成された未来でのコンピュータは、どういうモノになるのか、という考察。

前提となる技術

意識から直接情報を取り出す

これは、言語化して思考する時、その言語を外部に直接通信する、という事を意味します。
実例としては、考えるだけでテキストエディタに文字が出てくる、というものです。
また、意識としては非言語の情報、たとえば想起した画像、音声、匂い、触覚、痛覚、味覚、などの感覚も外部に送信できる、というものになります。
当然ですが、想起したものだけでなく、現在、感じている事も。

意識に直接情報を送る

これは先の例で送信された情報を、意識に戻す、という事を意味します。
テキストを音声としてであれば、意識に音声として再生されます。画像としたら、目の前に浮かびます。
同様に、画像、音声、匂い、触覚、痛覚、味覚、などの感覚も意識に送られます。

意識のデータの保存、配信

この送信、受信する情報は、デジタルデータとして保存、配信可能なものとします。

コンピュータの入出力装置について考える

この前提の場合、コンピュータの入力装置はあまり必要ありません。
こうしたい、と考えるとそれが伝わるからです。
また、コンピュータの出力装置もあまり必要無いかも知れません。
ARグラスが意識の中に入っているような状況になるためです。
外部情報によって意識に混乱が生じる可能性がある状況の場合、外部装置が必要になると思います。

「虫の知らせ」という通知

この外部情報の意識内での振る舞い、例えばスマホの通知がどのようになるか。
意識の視覚に、ARの様に何かが表示されたり、聴覚として聞こえたり、という事が考えられますが、私は、もっと別のものになると考えています。
それは「虫の知らせ」です。
意識になんとなく、やらなくてはならない感じがしてきます。それに意識を向けると、あ、今日はあのイベントがあった、と気づく。
このシグナルと、意識を向けた時に、具体的な内容を意識に送り込む仕組み、です。
コンピュータが手伝いをしているのか、自分で気がついたのかの区別はつかなくなっていると思います。

さらに、今のChatGPTの様に会話して思考の補助をしてもらう、という場合です。
言語化されない様な、ぼんやりとした問題意識が上ったとします。
すると、頭の中でなんとなくこういう解決方法がある、という「虫の知らせ」が届きます。
そして、それに意識を向けると、その内容が意識の中に明瞭に浮かび、ああ、そうすればいいのか、と気づく。
それはもう、アイディアを思い付くのと区別が付きません。

「補助人格」という機能

また、明確な問題があり、それを言語化して解決している場合、会話相手がいた方がうまくいきます。
この会話相手をしてくれます。もちろん、意識の中で。
「このケースは、どうしたらいいんだろう」
「解決方法はこういうのと、ああいうのがあるよ」
「ああいうのがいいけど、問題がありそうな気がする」
「問題点は、ここのところだと思う」
「なるほど。だったら、こういうのがいいかな」
ほとんど自問自答と同じ感覚です。
解離性同一症の他の人格と対話している様な状況に似てくるのかも知れません。
これを「補助人格」と仮称します。
この「補助人格」が意識に投影されたり、意識を受信したりするインターフェースの中心となり、「虫の知らせ」や「自問自答」の対話相手となります。
この「補助人格」は複数存在させる事も可能となりますから、会話を聞いていて、どちらの意見が良いか、という意思決定の方法も取れるでしょう。

ここまで読まれて、それなら既に自分には実装されてるよ、という方もいらっしゃるかも知れませんね。

感覚の共有

さて、送信された意識情報ですが、ネットワークを通じて、多数の人間と共有可能です。

感覚の配信

同じ料理を食べても、風景を見ても、人によって得られる感覚は千差万別です。
この感覚の共有ができるまでは、文章や音楽などによって部分的に共有する事ができる、という段階と言われるでしょう。
感覚の共有ができる様になり鋭敏な感覚の持ち主が味わった味覚情報が共有されると、その脳天を貫くような甘美な味わいを「そのまま」体験する事ができる様になります。
そうなると、今のYtuberの様な社会的な位置に「美食家」が現れるかも知れません。
この「感覚」による快楽体験の共有は、とても有効ですが、危険性もあるところから、年齢制限や色々なレーティングが必要となるかも知れません。

刑罰の変化

また、感覚が死後一定時間以内に保存される様になった場合、「刑罰」も変わる事が予想されます。
被害者の感覚をそのまま刑罰として課すことが可能になり、文字通り目には目を、が実現されます。
ただ、体験した感覚が主体者の意識によって別の感情に変化する可能性もあり、これが刑罰として成立するには、感覚のボリューム調整が必要になるでしょう。

アバター

意識を取り出して送信する技術を応用すると、遠隔地にいるロボットの感覚器官を使って、そのロボットの感覚を送ってもらう事で、そのロボットをアバターとして使う事ができるでしょう。
そのロボットの感覚器官の発達によっては、別の人生をそのロボットとして生きる事も可能かも知れません。
あれ、もしかしたら既にそうなっていたり。

他にも様々、色々な応用が社会のあり方を変える可能性がありますが、ひとまずこれにて。

補足

ああ、一つ忘れていました。
意識を取り出す時の話です。

「識紋」

おそらく脳の電磁波情報などを参照する事になると思うのですが、脳という器官は個人差が大きいので、画一的に情報を取り出す事は難しく、共有するためには何らかのフィルターで共通のデータにする必要があります。
戻す場合も同様です。
このフィルターは個人個人で異なるので、「識紋(しきもん)」と呼ばれます。
脳は経年変化するので、識紋も少しずつ変化します。

もし、あなたの若い頃の識紋が検出されたら? というミステリーとかもできそうですね。

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