鴨と嘘と澄ました私

国道で、足を引きずる鴨を見た。
いまにも車にひかれそう。
私は心の中でつぶやいた。
「どうか、私の前ではひかれませんように。」

以前なら、澄ました顔をして、通り過ぎていただろう。
しかし、今日は無理だった。
気がつくと、自転車を端に止め、息子に動かぬよう伝えていた。

信号が赤になる。
私は慌てて、鴨のほうへ向かった。
捕まえられたとして、どうするか。
そんなことは、1ミリも浮かばなかった。
ただ、ひかれないでほしい。
その一心だった。

すると、道路脇に1台の車が停まった。
中から、女性が一人降りてきた。
一緒に鴨を捕まえることになった。
しかし、その勢いがすごかったのか。
鴨は、傷めた足を引きずって、反対車線へと逃げてしまった。

結局、私とその女性は、鴨を救うことはできなかった。
中途半端な行動になってしまったな。
とても、いたたまれない気持ちになった。

しかし、そこに澄ました顔の私はもう居ない。
以前はこう思ってた。
きっと、誰かが助けてくれる。
そんな冷たい自分が嫌だった。
だけど、行動にできない私がそこには居た。
そんな自分への言い訳が欲しくって、現れるかもわからないない誰かに、
責任を放ってた。
今日、それに気がついた。

結果として、鴨を救えていたなら、よりよかったのは間違いない。
でも、救いたい。
もう、見てみぬふりは嫌なんだ。
そう感じた自分の心に、嘘をつかなかった。
それで、今の私には十分だ。
そう思うことにした。

とは言え、あの鴨はどうしただろうと気になった。
用事を済ませ、戻ってみたが、そこに鴨はいなかった。
だけど、ひかれた様子もなく、少しホッとした。

もし次、こんなことがあったなら。
絶対あきらめず、助ける。
そう強く思って、しっかりと自転車のペダルを漕いだ。

---

『本日の問いかけ』
今日、心（感情）と頭（思考）と体（行動）の不一致はありましたか？
なんだかモヤモヤしていませんか？

👠感想や質問、お問合せ👠
感想、質問などあれば
どんな小さな想いや、疑問、質問でも大丈夫です！
ぜひ、言葉にしてみてください。
会って話すと緊張してしまう。
話すより手紙のほうが、なんか心地いい。
そんな方、大歓迎です♪( ´▽｀)
何気ない、そのあなたのメッセージで、私はまた進んでいけます。
よかったら、ぜひお手紙ください♪

↓
mail
y_p.0324@icloud.com