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coldmountainstudy 7月の本箱。

今月はいろいろと本屋さんに行く機会が多く、新旧問わずいろいろと。

「日本近代登山の父」と称される英国人宣教師ウォルター・ウェストン。三回来日し、神戸、横浜に滞在する一方、日本各地の山を歩いた。その間、彼が登山に携行し、日々の出来事を書きとめたフィールドノートが存在していた――。槍ケ岳、奥穂高岳、立山、白馬岳、常念岳、燕岳、御嶽山、妙義山……。北アルプスや富士山などの新ルート開拓ほか、日本の登山の基礎を築いた記録がいきいきとよみがえる。

店頭でパラパラやってみて、久々にドキドキした山の本です。佐久市のまちの本屋さんで購入。
正直「日本アルプス」「日本アルプス再訪」よりもいいのではないか?

ルーティンワークを意味あるものに
手の早さは裏切らない
独立を目指す
至るところにクリエイティブがある
自分らしさと仕事のバランス……

プロは毎日の作業を大切にする。
自分のイメージを形にして、食べた人を幸せにできる。
独り立ちが可能で、腕一本でやっていける。
日々の仕事から学ぶところがたくさんある。

そんな料理人という生き方をのぞいてみよう

何故か読んでしまう稲田俊輔さん今月の一冊目です。ちくまプリマ―なのでねらいはもちろん若年層。しかし面白い若者向け本は、大人が読んでももちろん面白いのです。

よりよい“世界制作”のために、私たちの家を考えよう――。日々の暮らしを支える活動やモノを通じて「美」を捉える日常美学は、哲学の一分野である「美学」の中でも、とりわけ新しい領域。これまでの美学は、日常から離れた「芸術」を主な対象とし、家や暮らしにまつわる事象を無視してきた。しかし、私たちは日々の生活の中でも「美」や「快」を感じながら生きており、その時にはたらく感性が、音楽や美術を感じるときより低級だとは言えないはずである。椅子、掃除と片付け、料理、地元、ルーティーンなどの具体例を通じて、私たちの感性、そして世界を見つめ直す「日常美学」の入門書。新進気鋭の若手美学者が冴えわたる感性でまとめ上げた、センセーショナルな一作!

テーマ的に”のるかそるか”が大きく分かれそうな一冊。うまく自分の暮らしにハマってくれるといいんですけどね。

「部屋は、言葉を話すわけじゃない。でもありったけの息を吸って暮らすわたしたちを、静かに見守ったり叱ったりしているのかもしれない。記憶も匂いもそこに残って、見慣れたはずの毎日の隙間に、あの恋やあの会話、さみしさ、まばゆさが染みついている。」
(「はじめに」より)

きっと部屋にはそのひとそのものが表れる。意図した部屋でも、無防備な部屋でも。ほかの誰かと暮らす部屋ではない、ひとり暮らしの部屋ならなおさら。
そんな思いから、市井で生きる人たち100人に声をかけ、ひとり暮らしの部屋にまつわるエッセイを書いていただきました。部屋全体が写る写真と、お気に入りのものを写した写真も載せています。
私たちは、それぞれの部屋に流れる時間を想像しながら、この本を編集していました。
ひとり暮らしを始めたばかりの部屋、停滞と安堵が漂う部屋、その人の歴史が詰まった部屋、誰かの気配が残る部屋、これから先の長い時間が見えるような部屋……
それぞれの部屋の中に誰とも違う生活がある、ただそれだけのことなのに、100人分の暮らしの営みがこうして綴じられていることが、どうしてか心強く感じられます。

エッセイを書いてくださった方の中には、引っ越しをした人もいるし、今はひとりで暮らしていない人もいます。ひとり暮らしは突然始まったり終わったりする。ひとり暮らしでもそうじゃなくても、生活は形を変えながら続いていく。
だからこれは、とある時期に偶然そこにあった生活の、記録集のようなものです。
「ワンルームワンダーランド」といいながら、1Rのみならずさまざまな間取りの部屋を載せています。
小さなひとつの部屋(ワンルーム)から、限りない未来が広がっていきますように。

いまだにはじめての独立・ひとり暮らしの頃・・・憧れ・準備から含めて・・・を思うとグッときます。そんな頃を忘れないためにも。
愛する街・国立発の一冊というのも大きい。

あ、なんだもう価格崩れてるじゃん。少しがっかり。
ウチでは何時でも読めますよ。

出版不況が叫ばれる中、独立書店と呼ばれる「新しい形の町の本屋」が次々と開店している。今日も日本中で個性的な魅力のある空間が生み出されている。そこで本書では18人の書店主たちの貴重な体験の証言により、不況でも情熱とアイデアで本屋を始めた時代に生まれた、現代の“本屋のかたち”を探る。

こういう本は何冊もあるし、今回はいいかな・・・と思いましたがよく見れば我が”師匠”mountain bookcaseさんが載っている!思い直し即購入です。

日本ほど、外国料理をありがたがる国はない!
なぜ「現地風の店」が出店すると、これほど日本人は喜ぶのか。
博覧強記の料理人・イナダシュンスケが、中華・フレンチ・イタリアンにタイ・インド料理ほか「異国の味」の魅力に迫るエッセイ。

最初に見たときは少し当り前な感じすぎるかな?と購入を見送ったのですがやはり面白そうな稲田マジック。今月二冊目の稲田さん。

上記3冊はmountain bookcaseさんで購入。

「自分の姿を知られるのは恥ずかしいと思った。それでも私は書くことに決めた。」

突然、恋人が脳梗塞で倒れて何が何だかさっぱりわからなくなってしまってからの日々を、一般女性が写真と文章で淡々と綴った記録。これは、何百万PVの人気ブロガーの日記でもないし、バズったツイートをまとめたわけでもありません。とある普通の人生における、普通じゃない日々の記録。

内容どうこうではなく。

mountain bookcaseさんでイベントされてる方だ!という思いだけで購入。
まずは読んでみます。

青木君の文章と思考はつねに揺らぎ、葛藤している。決して単一原理に執着すまいというつよい決意が彼の文体に『過剰なまでの節度』(そんなものがあるのだ)を与えている。――内田 樹

奈良県東吉野村への移住実践者で、人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」主催者による「土着」論。「都市の原理」と「村の原理」に折り合いを付けながら、いかに世間へ「ルチャ」(格闘)を仕掛けるか。若き在野研究者が綴る、生きる勇気が湧いてくる「逆」自己啓発書。

相手と関係をつくり、その関係の中でいかに生きていくか。この「相手」には、自分の中の「うまくコントロールできない自分」も含まれています。この相手とともにどう生きていくか。それこそ、僕が考える「闘い」(スペイン語でルチャ)です。だから本書で述べている武器とは、相手の技を受け、さらに強い技で返すことで生命力を高め合うような、「相手がワルツを踊ればワルツを、ジルバを踊ればジルバを」というかの名言にもあるような、「相手があってこその生」を築いていくための思考法のことなのです。本書では、相手との競争に勝つための武器を個別具体的に提示するのではなく、さまざまな事例を取り上げながら、「僕たちの闘い方」を一緒に考えていくことを目的としています。――「はじめに」より

ある程度長く生きていれば分かるように、競争した相手が味方になったり、時には味方が敵になったりすることがあります。もしくは大切なプレゼンや試験や試合の前の日に限って眠れなかったり、うまく話しかけたいのにその場に行くと言葉が出てこなかったり、「自分のことが嫌い」という人は「自分こそが一番の敵」だと思っているかもしれませんね。むしろ、相手がいるからこそ僕たちは闘うことができる。相手がいるからこそ僕たちは生きていくことができる。この考え方こそ、巷で「茶番」の比喩として使われるのとは全く異なる、本当の意味での「プロレス的思考」です。馬場がいたから猪木があった。長州と藤波、小林と佐山、山田と佐野、棚橋と中邑も同様でしょう。決して二人ではなく、武藤、橋本、蝶野などといった三人の場合もあるかもしれない。分かる人にしか分からない例えですみません。――「はじめに」より

多分多くの人には伝わり辛い、それでいていよいよ増し続ける青木さんの熱量。
それをなぞるのがとても愉しい。
プロレス的思考、大いに歓迎です。

長年にわたり数々の会心作を世に送り出し続けてきた編集者が本を出したい人の背中を押し、力づける実用・評論!! 

「あなたの経験や見識を本にすることで、社会貢献をし、人生を豊かにできる」
本を出したい人が大好きだと公言する編集者が、これから本を出したいと思っている人に対して伝えたいことは?
「出版の神様」に愛されることで幸せな出版に成功した著者のやっていること、出版業界のほんとのところを語り尽くします。
目次
見たい未来を、言葉にしよう
出版界の人たちに興味をもとう
本を出そう、時代を創ろう
出版社からのコメント
「すべての人が本を出すことに挑戦してほしい!」
その信念のもと、出版コンサルタントとして数々の会心作を世に出し続けている著者が、
・本を出したいけれど、一歩が踏み出せない
・興味はあるが自分にできるとは思えない
そんな人たちを叱咤激励します。
出版業界の仕組みから、編集者の生態、成功した著者たちがやっていることまで、著者のホンネトークに、思わず本を出してみたくなる!?

いわゆる”本を書く・出す”ための教科書・・・とは違った熱量を感じ購入。たまにはこんな刺激も必要かと。

これは世界一役に立たない“お酒"の本です。
でも、読むと人生が少しだけラクになる…かも。
cakes連載『パリッコ、スズキナオののんだ? のんだ! 』を書籍化
酒にまつわるあれこれをゆるーく、ぬるーく、たまに真剣に書き綴る。
人気酒場ライター2人による酒飲みユニット「酒の穴」による初エッセイ集!
ナオ 最近の酒はどうですか? どんな酒ですか?  
パリ どうもこうも、なんていうか、「どうでもいい酒」って感じです。
ナオ はは! 俺もだなー。つまり、日常的で、平凡な。
<中略>
パリ そうそう、でも「どうでもいい」って、こだわりを捨てたから自暴自棄にしか飲まないとかじゃなくて、どこで飲んでても楽しいし美味しい。
ナオ まさに!
(本文箸休め対談より)

世界一役に立たないお酒の本、というだけで買う価値があります。
大体なんでお酒に役に立つ話を求めるか?
そこに価値認めるなんてロクなヤツのすることじゃあないです。
最高。

数々の海外の釣り文学を取り上げ、日本で未翻訳のものは著者が翻訳して紹介しながら、釣りの歴史と魅力、自らの釣り遍歴と人生をまとめた。英国での釣り宿体験も収録。

多分に懐古主義な雰囲気感じさせる一冊。
でもそれでいいのだ。読んだことない釣り文学というだけで満足な一冊。

星野さんと上記2冊は山梨は長坂、「のほほん」さんで購入。
単に新しいだけじゃない、いい本がある本屋さんとして自分の中で定着しています。

最後に。

人はみな、ホルモン大航海時代をゆく小舟のようなもの。
思春期はホルモンの嵐の往路を、更年期はその復路の嵐を進む。そして進みながら戸惑う。
婚期とは?結婚とは?離婚とは?母とは?娘とは?老いとは?


ポルトガル料理研究家で文筆家の著者が
人生の大海原で奮闘するあなたに届けたい、毎日を機嫌よく過ごすためのエッセイと、ほぼ一人前レシピ23品。
「人は誰かの示したお手本やレシピ通りになんて生きられない」

だから日々のごはんこそ、我儘に作るのだ。

初見、「なんつータイトルだ」と思いましたが普段SNSの連載も見ているしすぐに納得。
なにより希少な”ポルトガル料理の研究家”です。
応援していきますよ。

実際本屋に赴き、本を選ぶ・・・ということが何たる贅沢かと思わせらる7月でした。

8月もそんな感じだといいな。


※リンクがamazonなのはamazonで買って欲しいということでは決してなく、単に見やすい・調べやすい・・・ということです。誤解なきよう。


http://www.coldmountainstudy.com/
coldmountainstudy@gmail.com 

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