見出し画像

かみすわ一箱古本市!

昨日2/4は同じ長野県・上諏訪で開催された、はじめての一箱古本市に参加してきました。

もともと本屋にあまり縁のない上諏訪で本のイベントを!という主催者さんの思いで立ち上がった企画。

その主催者の一人が、本つながりの仲間で。

同じ長野県(ヨソモノですので県境は気にしないタイプですが)、しかもそう遠くないエリア。

そこで本のイベントをしよう!・・・って言っているのに寂しい結果に終わった、ってなんか悲しい。

そこで本屋仲間数店誘って・・・の参加となりました。

イベント前のチラシの段階で出店者、またはイベント会場にはいないけれど一緒にイベント参加・協力していますよ・・・という”サテライト会場”も結構充実。まずは一安心。

主催者さんも本のイベント開催にはカンのある方なので事前準備もOK。告知は傍から見ていてもしっかりしているな・・・と言う感じ。(年が変わって急ピッチで進んだ印象でした。当日朝までメディア等の告知は続いたようです。)

さぁあとは当日!です。

誘い合わせた本屋仲間の一人が事前に会場周辺の下見を済ませておいてくれました。コレが大きかった。

何故か?

周辺の人とこのイベントの話になった時に必ず上がったのが「上諏訪駅周辺は駐車場がなぁ・・・」という声でした。

確かに会場である「すわっチャオ」が入る「アーク諏訪」にせよ、その隣の市営駐車場にせよ安価とは言えない駐車料金。(普段使いの・・・例えば買い物のお客さんなどには1時間無料等の考慮がされています。)

仲間の下見で会場すぐ裏に安価なコインパーキングがあることがわかった。しかし駐車台数は少ない・・・じゃ早めにいかなきゃ!という流れが自然に出来た。

あとはその制約の中どうやって愉しむか?

かなりローカルな部類の話題になりますが、coldmountainstudyがある八ヶ岳の北斜面側と諏訪がある南斜面側・・・当たり前ですが両者の移動には「どのルート八ヶ岳(の裾野)を越えるか?」という問題が付きまといます。

晩春から秋口までは麦草峠を越えれますので、コレがルート的には一番早い。(道は厳しいけど。)

しかし今回は滅多にない・・・というか自身初の2月開催のブックイベントなんですね。厳冬期です。
それ自体はとてもいい。本のイベントが少ないので人が集まったという面もあるだろうし元々自分は寒い信州の冬だからこそ”冬眠”しないで何かやろうよ!というタイプですし。

しかし厳冬期、移動にはやはり一番リスクが高い時期です。

麦草峠以外にも山梨廻り・白樺湖経由や和田峠経由・・・といくつかのルートを選択できる状況、さてどうするか?

自分が選んだのはこんな作戦。

とにかく早く家を出て、交通量が多いとイヤな(特に大型車)和田峠をとっとと超えてしまう。その代わりに早く諏訪に至れるので早朝営業の中華そばをゆっくりと楽しみ駐車場の場所取りにも有利に。
駐車場が取れれば帰りはゆっくり周辺の店なども見つつ(駐車料金1日最大¥500です。余裕がある。)、運転がラクな山梨廻り(諏訪~富士見~小淵沢~清里~南相木)で帰る。

成功でした。

イベント前日の2/3,coldmountainstudyのある南相木は雪だったのでさらに警戒して出発。AM5時過ぎですかね。
しかし佐久市から和田峠、諏訪に至るまで雪はなく。
もちろん大型車もなく快適にAM7時諏訪湖畔到着。他のルートだと上諏訪駅を中心に逆方向から向かってくることになるので諏訪湖畔は通らない。このルートを選んだ理由の一つが諏訪湖畔の中華そば「大石家」での朝食でした。

中華そば大盛。せっかく”諏訪湖ビュー”の席に座れたのに丼の湯気で窓は真っ白。


だから食後に。大石家向かいの諏訪湖。

この店は朝7時からやっているんですね。古き良き中華そばなので朝から食べてもダメージがない。その証拠に結構な数の常連さんがこの日も朝から訪れていました。常連さんのほかにツーリストや、時には消防団のアニキたちが朝ビールなんか。とても雰囲気がいいんです。

久々に堪能しました。

その上諏訪駅周辺へ。感じをつかむために少しクルマでぐるぐる。

目当てのパーキングも幸運なことに空きがあり無事駐車。同じ狙いで同じ時間にやってきた本屋仲間と合流し駅内のカフェで珈琲。この時間もよかったですね。普段出店中話す余裕がないようなこともじっくりお話できました。

さて、受付時間が来て搬入。

搬入自体はエレベーターも広く快適。たどり着いた先のイベント会場が・・・。

キレイ。

イベント前日。普段は会議室です。

いやぁ、もっと通路的な場所だと勝手に思っていました。

駅前ビル「アーク諏訪」の3Fが市民交流施設となっています。

これくらい駅前!なイベント会場。奥は諏訪湖。

貸与の什器もキレイで使いやすくて。しかし自分こういうのうまく使いこなせなくて。周りの出店準備を見てるとみなさんおしゃれにキレイに自分の店を作ってゆく。

その中で唯一、coldmountainstudyだけはいつもの形で出店しました。

超いつも通り。協調性がない。

逆に目立つんじゃないか?なんて下心も。
ある程度それは当たるんですが、お客さんにとっては唯一ウチだけ間口が狭く本を見辛い思いをさせてしまったかな?とも途中思いました。(長机はさらに幅がありますので。)

続々と出店者集結、準備を終えいざ開幕。

ここで主催者さんたちのマメな告知の成果が。

AM10時の開始直後から、明らかに本を見に来るお客さんが続々と!(だからウチの間口が狭く見えてしまったのです。言い訳。)

各店舗に人。賑わいました。

結局この人波はイベント終盤まで続き、ひさしぶりの仲間達も続々遊びに来てくれて。疫病騒ぎ以来・・・なんて首都圏からの一箱常連さんも。嬉しかったなぁ。(その方酒呑みでもあるので酒蔵揃う上諏訪は好きだそうです。そういえばかつての「くらもと古本市」でもお逢いしたなぁ。いい思い出です。)

本屋としては沢山のいい本を旅立たせ、仲間との交流を愉しみ、もちろん売り上げも・・・といい一日を過ごさせていただきました。

主催者さんたちの準備がいいと、本屋は気持ちよく一日を過ごせるんです。お客さんも。改めてそう思いました。

出店者のバランスもまた良かった。地元・近隣・遠方・・・いろいろなパターンの本屋が混じってだから並ぶ本もいろいろなパターン。BGMが真空管アンプを使ってのレコード・・・が個人的にまた嬉しかったですねぇ。

いい時間にいい時間にいい音は欠かせません。本屋は特にそうじゃないですか?

イベント終了後は本屋仲間数人で付近に新規オープンした本屋さんに。


沖縄からやってきた美術と暮らしの「言事堂」さん。


いい感じの店内はご近所・リビセンのプロデュース。


本に食い入る本屋仲間達。

いい本屋では必ず一冊、の法則に則りこの日は沖縄の食に関する新刊一冊を。いい収穫。

これも朝、パーキングをゲットできたメリットですね。時間に余裕があった。

・・・全体的に。

初回のイベントということを差し引いても大成功だったと思います。

そして。

初回のイベントでお客さんから「またやってほしい!」と言われること、コレが貴重。しかし、どれだけ歓迎されても一回限りで終わってしまうイベントが多いというのもまた本当なんです。

続けていくことの難しさと凄さ。

ここに尽きますね。もちろん自分は愉しみに”次”を待っています。出来る限りのお手伝いもしますよ。
(だからこそ、関係者に対する駐車場優遇等はこれから発生していって欲しいですね。同じ場所で限れば。)

と。

ここまでは普通のイベントレポートなのですが、今後のcoldmountainstudyの活動にもヒントが隠れていたのでそれについて最後少し。

・・・。

この日も出店していた本屋仲間の活動のひとつに「愚問愚答」なるものがあります。

ざっくり言ってしまうとQ&Aですね。禅問答的な。

例えば「1500年前と1500年後、どちらにそそられますか?」・・・こんな感じの問いがweb上で(facebookです。)1年365日、発せられ見ている我々は勝手に答えていく。もちろん、応えるも答えないも自由。問うことが重要。

ソイツを紙に落としたものを持参していたんですね。売り物として。

なんと3年分。言いかえれば3年間、売れていないのだ。ちなみに1年分約¥4000だ。これは長野県の最低労働賃金をもとに算出されている。

イベント中彼、比較的ヒマだったんですよ。なんてったって売り物が、コレです。

ちなみに彼の仕事は、林業。杣人です。

巨大な杉の切り株にささった「暮しの手帖」コミコミで¥11000。切り株は乾かせば薪にだってなっちゃうよ?で。買ったところでコレどうすればいいんだ?って感じで。

そりゃあもうヒマなわけです。

この「愚問愚答」・・・web企画のみならず年一回リアルイベントとして開催されていたりするんですね。「愚問愚答の会」として。

で、あまりにヒマだから始めちゃうワケですよ。イベント会場で「愚問愚答の会」。自分なんてイベント参加経験もあるわけだからやりやすいわけですよ。偶発的に。周りの人も巻き込んで。

そうすると、もちろん面白いんですよね。特に愚問愚答氏と自分のやり取りなんて「タモリ倶楽部か!」ってくらいのアップテンポなんで。

それを偶然聞いてたお客さんから「TVのお笑い芸人より面白い」なんて言われちゃうワケです。

ちょうど。

先日、茅野・富士見を本の旅で訪れた際こんな本を購入していました。

以前から欲しい・・・と思っていたので購入。なのですが。

後刻チェックしてみるとなんと在庫切れ。プレミアのついている状態。(もう何度目かの在庫切れ→プレミア・・・らしいです。)

そもそも愚問愚答氏もこの本がきっかけで問いを発するようになったとの由。

これはもったいない。

何かできるぞ。

・・・と。

3月にcoldmountainstudyでこの田中未知さんの問いに答える読書会を開催することにしました!

いくつかのイベントを開催してきている当店ですが自身発案の主催はコレが初めてになります。(たぶん。きっと。)

新たな愉しみにつながる今日を生きている幸せ。

このnoteからも参加者さんが出てくれればまたこれも幸せ、です。

http://www.coldmountainstudy.com/

coldmountainstudy@gmail.com 
coldmountainstudy  店主:鳥越将路

この記事が参加している募集

よろしければサポートをお願いいたします!いただいたサポートは蔵書中心に本屋としての体力づくりに使わせていただきます。