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coldmountainstudy 6月の本箱。

また月を跨いでしまいましたが書店に寄る機会が多かった分冊数も増えた6月のピックアップです。

かつて、川には、人々の生活が息づいていた。夏の水辺は、水遊びの子供達でいっぱいだった。私達は、この国の自然に生かされ、文化を育み、時を繋いで来たのではなかったか。
山口 保(木彫工房メリーゴーランド)

いつのまにか川は、ただの水路となり、山は無価値なものとして、打ち捨てられてしまった。いずれ「バチ(罰)が当たる」と、祖母の言葉を思い出した。
山口一郎(サカナクション)

日本三大清流に数えられる長良川は、本州の大河で唯一本流にダムと堰のない川と言われ、山・川・海の連続した生物圏の上に豊かな水文化が育まれてきた。アユをはじめ海と川を回遊する生き物、汽水域で生活する生き物は長良川の大切な恵みであり、川の生物圏の連続性、持続可能性の指標だが、河口堰はその営みを分断した。2015年、長良川の天然アユは岐阜市で準絶滅危惧種に指定(後に削除)、「清流長良川の鮎」が世界農業遺産に認定された。本書は、生物多様性の喪失が地球の限界を超えている時代に、川の生物圏を再生し、社会や経済の基盤として復権させ、川と人の関係を結びなおす可能性を探る。

書店でパラパラやって面白そうだな・・・と思ったのですが自分が少年期からの付き合いの長いテーマでもあり、一旦置いて帰宅。
と、すぐに信頼できる人が絶賛している記事を発見。やはりか!と思いすぐ購入しました。

「その人オリジナルの仕事をつくり上げている人たちですから、話には自然と思想や哲学のようなものが含まれます。だからわたしはこの本で、彼らの声を一本の糸のように縒り合わせるだけでよかった」

荻窪に新刊書店「Title」を開いて8年。ふと自分の仕事がわからなくなり、全国にいる仲間のもとを訪ねると、消費されず、健やかに生きるヒントが見えてきた――。
読み終えるころにはきっと元気がでる、少し偏屈、でも愛すべき本屋を訪ねる旅。

「いまは、都会も田舎もそうなんだけど、コミュニケーションを欲している人たちに溢れている。本屋はそういう人たちの受け皿になれるんじゃないかなという思いでやっています」……高久書店 高木久直さん

「合理的であるほどスマートでカッコいいというイメージをみんなが持っている。しかしそれによって自分が職を失ったり、仕事からやりがいがなくなるということについてはみな無自覚ですよね」……誠光社 堀部篤史さん

「俺は“東京に色目を使う新潟”というのがよくわからなくて、あるときから東京の反対を向いたんです」……北書店 佐藤雄一さん

相変わらず読んでしまう”本屋の本”です。辻山さんの文章自体好きなのできっと愉しく読めるでしょう。

ぶっ飛んでいるのに、なぜか論理的。
生きづらさがマシになる(かもしれない)
それが、東洋哲学。

「人生でやりたいことってなんだろう?」
「本当の自分ってなんだろう?」
そんな全・自分迷子に贈る、衝撃の哲学本がここに誕生。
すべての答えは、「東洋哲学」にあった!

東洋の哲学者たちは、とにかくみんなキャラが濃くてバグってる。

でも、そんな彼らの教えは、「どう生きればいいか?」という人類普遍の悩みを打破する「考え方」をぶっ飛んだ方法で、でも論理的に、導いてくれる

無我、空、タオ、禅、他力、密教…

知れば知るほど、この世界や自分の見え方が変わってしまうのが東洋哲学の面白さ。
本書では、インド・中国・日本から、ブッダ/龍樹/老子/荘子/達磨大師/親鸞/空海7人の哲学者たちの教えをご紹介。

あなたの悩みに合ったお気に入りの哲学者が、きっと見つかるはず。

基本的にヘンな名前の人の本は読まない・・・と思っていたのですが(狭量)気になり過ぎて購入。自分、案外弱い分野ですしね。さて著者名に対する偏見は薄れるか・・・?

「いまから五十年よ」
つまり私が九十歳まで。
市場ではありえない年齢ではない。明日もすこやかに、四・五坪の帳場で店番中。

沖縄那覇の「市場の古本屋ウララ」店主・エッセイ最新刊
お待たせしました、待望の『那覇の市場で古本屋』第二弾!
あれからいろいろありました。
市場の引越、アーケードの建替、コロナ禍……。
それでも続く市場の日々。

「市場の古本屋ウララ」の帳場から、本のこと、市場のこと、アーケードのこと、お客さんとのやりとり、忘れられない風景、そんな日々をたんたんと、ときにさざ波を感じながら綴る、あれからとこれから。

これまた”本屋の本”。辻山さんと同じく宇田さんの分もスッと入ってくる優しさが好き。
沖縄といえば諏訪にいらした言事堂さんもですが、何か独特の雰囲気がある。ウララさん、是非訪れてみたい。海外はしばらくいろいろ高値そうだし、沖縄か!?

国家や資本主義が私たちの欲望をさまざまに制限する現代にあって、「ただ生きる」とはどういうことか。「ただ生きる」ために、私たちは何をすべきなのか。

アナキズムの観点から、キング・クリムゾンを聴き、ゴダールや石牟礼道子の物語に飛び込み、デヴィッド・グレーバーや鶴見俊輔と対話してその思想を大胆に読み替える。社会の編み目にある暴力や非対称な関係性をあぶり出し、それらを避けるための基盤として相互扶助があり、自由があり、欲望があることを描き出す。

音楽や映画、文学、思想を軽やかに跳躍して、硬軟織り交ぜた文体とときに挑発的な語り口で国家や資本主義と対峙する。そして、不断の努力と相互扶助で日々の営みを支え、小さなさざ波から大きな潮目を変えていく、日常にあるアナキズムの可能性を活写する。

「もう革命しかないもんね」が最高だった森元斎。テーマも音楽映画文学・・・もう読むしかないもんねです。

休みなよ、って言われても。

・休日、何もしてないのに気づいたら夕方になっている。
・お休みなのに、つい仕事のメールをチェックしてしまう。
・折角の休みだからと、逆に予定を詰め込み過ぎてしまう。
・全然休めた気がしないまま、月曜の朝を迎えてしまう。
・「休みの日って何してるの?」と聞かれるのが怖い。
――ひとつでも当てはまってしまったあなた、必読です!!

働き方改革時代、ワークライフ「アン」バランスなあなたに贈る、休み方の処方箋(エッセイ・アンソロジー)!

覗いてみません? あの人たちの、休み方。
(執筆者一覧・50音順)
麻布競馬場、伊沢拓司、石井ゆかり、石田夏穂、岡本 仁、角田光代、角幡唯介、くどうれいん、古賀及子、小西康陽、斉藤壮馬、酒井順子、酒寄希望、向坂くじら、佐藤良成、杉本裕孝、高橋久美子、滝口悠生、武田砂鉄、竹田ダニエル、つづ井、年森 瑛、永井玲衣、蓮實重彦、平松洋子、藤代 泉、古川日出男、星野博美、堀江 栞、益田ミリ、宮内悠介、宮田愛萌、吉田篤弘

や、狙いは自分には全く当てはまらない感じの読者層なのでしょうが・・・執筆陣が”休むこと”に対して何を語るのか?が気になって購入。

10年間、あなたの代わりに読んできました。
話題書150冊の「肝の1文」を並べてみたら、いまの日本に至るまで、10年間の進歩、退歩、あし踏みが見えてくる。
「週刊朝日」連載の「今週の名言奇言」を再編集・再構成した一冊。

■現代社会を深掘りしたら
ニュースの表と裏を読む
脱・差別への処方箋
職場と家庭で起きていること
地域の再生に秘策はある?

■文芸作品から社会が見える
フィクションが現実を超えるとき
青春はシュール、家族もシュール
仕事あっての人生だから
文学のトレンドは老後にあり
本当は怖い文学の舞台裏

■文化と暮らしと芸能と
歴史っておもしろい
ネット時代の読む・書く・話す
暮らしと人生のレシピ
あの人の言葉が聞きたい

本屋がこういうの読むのもな・・・とも思ったのですが放っておけばよまない本もあるし、気になってても読み切れるわけではないし・・・と思い切って。何故か雨でずぶ濡れの状態でまちの本屋さんに立ち寄り購入した一冊。
(こういうの記憶につながりますよね。)

斎藤美奈子さん自体少し避けてたかな・・・というのもあり。克服なるか?

最後のお別れすら許さない病院、火葬すら立ち会わせない予防策、子どもたちへの黙食指導、至る所に設けられたアクリル板、炎天下でも外せないマスク、連呼された「気の緩み」――あの光景はなんだったのか? 

人類学者が「不要不急」のフィールドワークから考えた、「和をもって極端となす」日本社会の思考の癖、感じ方の癖!

【本書の内容】

コロナ禍で連呼された「大切な命」というフレーズ。それは恐らく、一面的には「正しい」フレーズであった。しかし、このフレーズのもとに積み重ねられた多様で大量の感染対策が、もとから脆弱であった人々の命を砕いたのも事実である。そしてその余波は、いまだに続いている。

もちろん必要な対策もあっただろう。しかし、「批判を避けたい」「みんながそうしている」「補助金が欲しい」といった理由に基づく名ばかりの「感染対策」はなかったか。そのような対策が、別の命をないがしろにしていた可能性はなかったか。忘却する前に、思い出す必要があるはずだ。未来の命を大切にするために。

“出会いとは、自分が予想し得なかった人や出来事との遭遇のことを指す。だからこそ、出会いの瞬間、私たちは驚き、戸惑い、右往左往する。2020年冬にやってきたコロナも私たちにとっては出会いであった。驚いた私たちは困惑し、社会は恐れと怒りに包まれた。あれからすでに4年が経過する。人でごった返す繁華街から人影が消えたあの時の風景に私たちはどのように出会い直せるだろう。”

「出会い直し」とは、過去に出会った人や出来事の異なる側面を発見することを通じ、それらとの関係を新たに編み直すことを指す。本書では、コロナ禍のフィールドワークで集めた具体例とともに、「コロナ禍と出会い直す」ためのいくつかの視点を人類学の観点から提供する。現地に赴くフィールドワークを、研究者自らの手でエッセンシャルから「不要不急」に追いやっていいのだろうか。感染予防のためなら、暮らしのほとんどは「不要不急」になるのだろうか。

人間の生とは何か。人類学者が問いかける。

自分、しつこいですからね。まだあの騒ぎから考えられることはあると思ってます。何より忘れてほしいようなことは忘れてやんねぇからな!の思いは、常に。斎藤さんと同じまちの書店で、別の機会に購入。

どんな仕事にも《事務》は必要
「例えば芸術家であるピカソが、直感のままに生きてらっしゃるとでもお思いですか?」
芸術家でも会社員でも学生もフリーランスも、事務作業を疎かにしては何も成し遂げられない。
夢を現実にするたった一つの技術、それが《事務》です。
「自分に自信がない」
「やりたいことが続かない」
「悩んで行動に移せない」
足らないことは《事務》でした。

富士見町「moutain bookcase」さんに寄った際の一冊。今回はマンガだしいいかな?・・・なんて思っていたのですがどっこい、今の自分にメッチャ必要な内容でした。早めに読みたい一冊です。

定職に就かず、家族を持たず、不完全なまま逃げ切りたい――

元「日本一有名なニート」がまさかの中年クライシス⁉
赤裸々に綴る衰退のスケッチ

「全てのものが移り変わっていってほしいと思っていた二十代や三十代の頃、怖いものは何もなかった。何も大切なものはなくて、とにかく変化だけがほしかった。
この現状をぐちゃぐちゃにかき回してくれる何かをいつも求めていた。
喪失感さえ、娯楽のひとつとしか思っていなかった。」――本文より

若さの魔法がとけて、一回きりの人生の本番と向き合う日々を綴る。

名前の関係で(?)避けがちですが決して嫌いではないphaさん。多くの人が「当り前だよ、いまさら何言ってるの?」と反応しそうなテーマですが、逆に多くの人に「本当に分かっていってるの?」と問いかけているような気がして。これも、早めに読みたい。偶然寄った諏訪の書店で。

私にとってカメラを持つことの最大の効用は、世界に「つまらない場所」というのが存在しなくなったことであるーー。ブッダガヤで出会った「瞳の少女」、ヘルシンキで胸を熱くした幼き兄妹の姿、夜のコルドバで心を騒がせた「路地裏の哀愁」……。沢木耕太郎が旅先で撮った八十一枚の写真と、その情景から想起する人生の機微を描いた短いエッセイ。大人気フォトエッセイ『旅の窓』、待望の続編。

沢木さんの旅エッセイ、というだけでもうハズレはありません。本音は何時だって旅に出たいですね。
これも「mountain bookcase」さんで。

7月はまた冊数少なめに戻る予定です。や、でも雑誌は結構でるか・・・。


※リンクがamazonなのはamazonで買って欲しいということでは決してなく、単に見やすい・調べやすい・・・ということです。誤解なきよう。


http://www.coldmountainstudy.com/
coldmountainstudy@gmail.com 

coldmountainstudy  店主:鳥越将路



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