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coldmountainstudy~ピックアップ2023.4.

今月は気になった新刊は少なめ。

偶然出逢った過去作ほかを交えてピックアップです。

'17年から始まったクーリエ・ジャポンの人気企画「25歳からの哲学入門」から30のお悩みを厳選。

先行きの見えない将来にお金の心配、仕事や人間関係のストレス、そして恋愛の苦しみ。現代を生きる人たちは様々な悩みを抱えている。もうこれ以上、どうすればいいかわからない――。そんな泣きたい日にこそ読んでもらいたい、「よく生きるための答え」。


<本書のおもな人生相談>
●「新しい自分」になるにはどうしたらいいのでしょうか。
●人にいい顔ばかりしてしまう自分にうんざりします。
●どんな状況も乗り越えられる、強いメンタルが欲しいです。
●人生のすべてが心配です。貯金もなくパートナーもいません。
●老後が気がかりです。何歳まで働かないといけないのでしょう。
●情熱を傾けるものがなく、人生の目標もありません。
●どうしたら嫌いな人とストレスなく付き合えますか。
●やりたくない仕事にどうやって向き合えばいいのでしょうか。
●とにかく月曜日や連休明けが憂鬱で仕方ありません。
●セックスレスで悩んでいます。もう二人は手遅れなのですか。
●誰かを「愛する」というのは、どういうことなのでしょうか。

岸見一郎先生の人生相談形式の一冊。こういう形だと読みやすいし、すんなり入ってくることがある。読んでいて疲れませんね。


孤独をいかに愉しむか?
17名の著者が贈る、十人十色の孤独論!
少子高齢化や核家族化の進行、そして、2020年から猛威をふるう新型コロナウイルス。
現在、物理的、精神的に「孤独」を感じている人が増えているのではないでしょうか?
2022年、イギリスに次いで日本でも孤独・孤立対策担当大臣が誕生。まさにいま日本社会においても孤独は「対処すべき問題」として注目されています。
本書では孤独に向き合った作家の評論や、冒険や山小屋生活などで得た独自の孤独論など、総勢17名の著者が様々な孤独を語ります。
何気ない日常の、騒がしい街中で不意に襲ってくるあの「孤独感」はなんなのか?
決してネガティブなだけではない孤独の持つ「孤高のしたたかな世界」に浸れる一冊です。

【目次より】
lesson1 孤独上手たち
齋藤孝(教育学者)/仏陀に学ぶ、単独者としての作法
中条省平(フランス文学者)/孤独と追放――アルベール・カミュ最後の10年
奥本大三郎(フランス文学者)/永井荷風――独身者の悦びと不安
南條竹則(作家・翻訳家)/孤独の詩を読む――ポオとラヴクラフト
鈴木雅生(フランス文学者)/サン=テグジュペリ――人生と思索を鍛え上げたもの
岸見一郎(哲学者)/三木清と孤独
新元良一(作家)/ソロー『森の生活』が語りかける声
適菜収(作家)/孤独の哲学者ニーチェ

lesson2 いかに孤独と付き合うべきか
下重暁子(作家)/孤高の俳人 尾崎放哉と山頭火
岸惠子(女優・作家)/“孤独”を取り込み、自由に生きる
田中慎弥(作家)/引きこもり作家のリアル
高村友也(作家)/「意識の孤独」の手綱を引いて生きる

Lesson3 孤独の深層にせまる
林望(作家)/隠遁者の孤独
荒木飛呂彦(漫画家)/孤独のゾンビ映画論
石戸諭(ノンフィクションライター)/ジョン・ル・カレが描くスパイの孤独
吉川浩満(文筆家・編集者)/サピエンス――孤独な種の恍惚と不安
角幡唯介(作家・探検家)/単独行がもたらす究極の孤絶

執筆陣から「kotoba」あたりの特集をまとめたものでしょうか?未読なことは確か、好きな書き手ばかりなので迷わず選びました。


〈”県民食”に風土と歴史あり〉 日本全国の土地土地で人々のおなかを満たしてきた22の食べものを深掘り。
”あの美味しいもの”への理解と愛が深まる、食文化・教養エッセイ。
【もくじ】
◆はじめに
01……道東ではなぜ牛乳豆腐が生まれたのか?
02……岩手ソウルフードにはなぜ、三つも麺類があるのか?
03……忘れられない、十和田湖のきりたんぽ
04……山形の食文化は、なぜ特別なのか?
05……信州蕎麦は冷たいのが正解?
06……金沢の醬油はなぜ甘い?
07……東京人はなぜ讃岐うどんを愛するのか?
08……東京と紅茶は相性が悪いのか?
09……浦和はなぜウナギが名物なのか?
10……名古屋人はなぜ小倉トーストが好きなのか?
11……なぜ、名古屋の喫茶店は特別なのか?
12……大阪人はなぜミックスジュース好きなのか?
13……歴史の中心地、関西を物語る淡口醬油
14……カレーの元祖が大阪に多いのはなぜ?
15……神戸っ子のハード系パン好き
16……広島市にはなぜパン屋が多いのか?
17……広島のお好み焼きはなぜおいしいのか?
18……博多ラーメンの出汁はなぜ、豚骨なのか?
19……カステラはなぜ、江戸時代の日本に根づいたのか?
20……長崎に和菓子屋が多いのはなぜか?
21……海に囲まれて暮らす沖縄ケンミンは肉ラバー
22……沖縄のおやつ。ポーポーとサーターアンダギー

◆あとがき

食文化を書くのがとても上手な阿古真理さん。今回は少し軽めの県民性エッセイ。TV番組にもありますがこれも旅も絡んでとても愉しいテーマですね。



思想家であり武道家の内田樹と、比較宗教学者で僧侶でもある釈徹宗が、日本人が失っている霊性を再発見するシリーズ「聖地巡礼」。第2弾は多産の空間・熊野を巡ります。今なお日本の宗教性がむき出しとなっている聖地・熊野で内田樹・釈徹宗は何を思い、感じとったのか。巻末には、これまでの聖地巡礼を振り返って「復習」していますので、シリーズ1巻を読んでいなくても楽しめます。

先日立ち寄った長坂「のほほん」さんでの一冊。熊野ですからね。読みます読みます。まだまだ熊野も離れられない。

次の2冊は佐久・西澤書店さんで。いつかは読もうと思っていた本をまとめて、という感じですかね。


「人はバッグひとつの荷物だけでどこでも生きていけるのだと、18歳の春に知った。」
紀行作家でバックパッカーのシェルパ斉藤はなぜ故郷を離れて旅に出るようになったのか。
山村での少年時代、倒産と転校、一家離散、新宿二丁目で新聞奨学生、未知への挑戦など、挫折や苦悩しながらも前向きに歩き続け、人気の紀行作家になるまでを赤裸々につづった著者初の青春記。

これは今読んでいます。長野県ローカル新聞の連載をまとめたもの。版元も長野県ローカルなので少し見つけづらいかもしれませんが、とても面白い青春記。自分の年齢になると青春記もそう頻繁にはよまないのですがこれは久々にイイ。連載一回が見開き1ページのスタイルなのでサクサク読めますよ。


「私たちは、身体から離れては生きられない」 「身体表現の究極を生きるアスリートたちには、自分だけが知る身体の声がある」 相撲部屋の親方、新日本プロレスの逸材、日本記録を保持するランナー、オリンピックでメダルをもたらす公認スポーツ栄養士、箱根駅伝強豪校の寮母……スポーツの最前線を幅広く取材し、筋トレ、体脂肪、サプリメント、腸内環境などのメカニズムにも踏み込む。誰もが持つ「筋肉と脂肪」の内側に分け入り、未知の扉が開く唯一無二のルポルタージュ。

これも大好物の分野ですね。個人的にもそう追い込んでるわけではないですが運動と食事は関心を持って暮らしています。
平松さんとアスリートは少し遠く感じもしますが、平松さんと食はとても近いわけで。加えてインタビュー上手でもありますね。

本は、ここまで。冊数少なめ・・・なんですが。

今月は雑誌・ムックとの出会いが多くて。そちらもざっと紹介させてください。

spectatorは今号からちょっと雰囲気が変わって。でも独特の魅力はそのままですね。自己啓発ってテーマがまた絶妙。
ムックの方はお隣・山梨県のウチからそう遠くないエリアでとても面白い暮らしをしている人がいる・・・と聴いていたのですがその方の暮らしが本になって出ました。ラッキー。いつかお邪魔してみたいですね。


POPEYEの仕事特集に、dancyuの旅特集。
これもつい読んでしまう特集ですね。dancyuにはつい先日家族で出かけた静岡の行ってみたかった居酒屋が特集されていて。またすぐに出かけたくなっちゃいますね。


そしてPOPEYEの別冊も旅特集なんですね。もはや自分の年齢層だとかみ合わないのかな・・・なんて思いつつ眺めてみるとやっぱり面白くて、これまたつい購入。ポルトガルに”ナイフの町”があることを知ったのもいつかのPOPEYEの旅特集ではなかったか。


そして本の雑誌。
お知らせを忘れていた!
前号では巻末の沢野ひとしさんの連載でcoldmoutainstudy含めこの周辺の本屋さんがとりあげられているのです。



閑話休題。

4月号の流れで次号予告をチェックすると敬愛すべき読書人・目黒考二さんの追悼号とある。これは読まねば、です。

実際5月号はよく売れていて、amazonもこの記事の時点で品切れのようですね。これも「のほほん」さんで買いました。ってかこれがあるとしたら「のほほん」さんだろうと思って寄った感じでしたね。

結局雑誌を含めると結構な冊数の4月でした。

5月は(正確に言うと4月中に発売されるのですが)斎藤さんと近い感じの「必ず読まねば!」が1冊ある。正確に言うと新聞連載は欠かさずに読んでいたのですでに読み終えているのですが・・・。

いずれ忙しい時期に本をためて、閑期に読む。そのリズムが今年は特にハッキリしてきそう。しかし本との出逢いは一期一会・・・一度見かけた本を後回しにして痛い目にあったことが何度あるか。

見逃さず目を凝らして。

来月もよろしくお願いします。

※リンクがamazonなのはamazonで買って欲しいということでは決してなく、単に見やすい・調べやすい・・・ということです。誤解なきよう。

http://www.coldmountainstudy.com/
coldmountainstudy@gmail.com 

coldmountainstudy  店主:鳥越将路


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