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coldmountainstudy~ピックアップ2023.10.

冊数多め、と書いた先月よりも冊数増えてしまいました。

これは本に関するお出かけが多かったこと(イベント含む)、体調不良(自分・家族等含め)で本の回転が比較的早かったこと・・・などいくつか理由が考えられますが、一方で理由なんてないですね。面白い本に多く巡り合った。それだけ。

ではいきましょう。

「大袈裟ではなく人生が楽しくなってきている」
医療記者、50歳を目の前にして 接客のアルバイトを始める。
ちょっぴり個性的なシェフと 素敵な常連さんに囲まれて
いつの間にかここは、私の居場所になっていた――

医療の専門記者として、25年間働いてきた、一人呑みが大好きな“私”。
メディアの経営悪化に、新型コロナウイルス感染症の影響も追い打ちをかけ
このまま医療記者を続けていけるのか、不安を感じていたある日、
ガキ大将のような風貌のシェフに声を掛けられ、あっという間にイタリアンレストランの接客アルバイトをすることに!

人生の後半戦にふと現れた、素敵な居場所。
職人肌で、常連さんと話すのが大好きなシェフ、
一回りも二回りも年下のアルバイトの仲間たち、
そして素敵な常連さんに囲まれ、泣いて笑って得たものは。

今とても寂しいあなたにも、心にぽっと灯りが点るかもしれない
とある街のレストランをめぐる、15のエッセイ。

「きっと全国にはだれにとってもこんな大切なお店があるのだろう。それぞれの場所で今日もそれぞれの愛しいドラマが生まれている。

そんなことを想像すると、この世の中捨てたもんじゃないなと私は心が温かくなるのだ。」(本文より)

全く買う気のなかった本。本屋で偶然目に入り、パラパラやってそのまま購入。明らかにいいニオイがしました。
順番待ちを飛ばしてすでに読了。やはりカンに狂いはなかった。いい本。
今の時代を生きるいいヒントが隠されてると思います。

「生きる力ってなんだろう?」セルフビルドしながら問い続けた6年間の軌跡
40代で母親になって考えた。「この子に残せるのは、“何かを自分で作り出せる実感”だけかも」。そこから不器用ナンバーワンの著者による小屋作りが始まる。コスパ・タイパはフル度外視。規格外の仲間たちと手を動かすほどに「世界」はみるみるその姿を変えていき……。暮らしと思索が響き合う、軽快ものづくりエッセイ。

【目次】
第1章 それはずっと一緒にいられない娘のために
第2章 世界でたったひとつの机が生まれた
第3章 ハイジの小屋と新しい風景
第4章 実家リノベーションは修練の場
第5章 未来予想図 ここに決めた!
第6章 人力で土地をならすと古墳が生まれた
第7章 西部開拓史が生んだ工法で進め
第8章 こどもの日は自家製コンクリートを作ろう
第9章 壁は一夜にしてならず
第10章 平面から立体にー闇を切り裂く叫び声
第11章 なんのための小屋なんだ
第12章 タコを捕まえる女と裸足の男、そして体力の限界
第13章 全ては窓辺の景色のために
第14章 ときには雨もいいものだ
第15章 終わらない台風との戦い
第16章 快適なトイレへの道
第17章 トイレなんか、青いバケツで十分だ
第18章 最初で最後の全員集合!ーいつかまた小屋で会おう
第19章 さよならだけが人生なのか
第20章 壁を塗りながら本当の自由について考えた
第21章 パリへのオマージュを魚の骨柄にたくして
第22章 みんなの思い出、井戸掘りサマー
第23章 BON V OYAGE!
謝辞 あとがきにかえて

元々川内さんの分のリズムが好き。そこに加え、セルフビルド体験記。
我が家(と店)をセルフで建てた自分が読まないわけがない。
これも読了済みなのですが我が家はこれより若干ハードに作業しましたが代わりに子育てはなかった。(子供は家ができてから、だったのです。)
やはり頷きつつニヤつきつつ、愉しく読みました。

ウクライナ戦争、陰謀論、ポスト真実の時代、公共財の私物化、バワークラシー、ハラスメント……
非常識で、冷笑的な人々が増えたこの国で――

・権力者支配(パワークラシー)の国で上昇志向に駆られた人の振る舞い
・なぜ複雑な話は「複雑なまま」扱ったほうがよいのか
・人からの採点を待つ「被査定マインド」をやめる
・ものごとは原理よりも「程度の問題」で考える
・子どもたちを歓待し、承認し、祝福する大切さ……etc.

親切、品位、勇気……失われゆく徳目を明らかにし、
〈大人の頭数を増やす〉道しるべがここに

内田さんの”論”シリーズ。成熟という言葉に引っかかりましたね。
やはり報道など見ていると・・・ね。

「すみません」では済まないとき、
何をすれば謝ったことになる?

責任、償い、約束、赦し、後悔、誠意への懐疑――
謝罪の機能や不適切な謝罪の特徴を解き明かし、
学際的な知を総動員して、「謝罪の全体像」に迫る!

【本書の内容】
親はある時期から、悪さをした子どもを叱る際、そういうときは「ごめんなさい」と言うんだ、と教え始める。すると、子どもはやがて、「ごめんなさい」と言うことはできるようになる。けれども今度は、場を取り繕おうと「ごめんなさい、ごめんなさい……」と言い続けたり、「もう『ごめんなさい』と言ったよ!」と逆ギレをし始めたりする。

「違う違う! ただ『ごめんなさい』と言えばいいってもんじゃないんだよ」――そう言った後の説明が本当に難しい。「すみません」で済むときもあるが、それでは済まないときも往々にしてあるからだ。「すみません」といった言葉を発したり、頭を下げたりするだけでは駄目なのだとしたら、何をすれば謝ったことになるのだろうか。声や態度に表すだけではなく、ちゃんと申し訳ないと思い、責任を感じることだろうか。しかし、「申し訳ないと思う」とか「責任を感じる」とはどういうことなのだろうか。そして、そのような思いや感覚を相手に伝えるだけで、果たして良いのだろうか。結局のところ、「謝る」とは何をすることなのだろうか?

本書では、満員電車のなかで意図せず他人の足を踏んでしまったときの謝罪から、強盗の加害者による被害者への謝罪、さらには、差別的言動や医療過誤、戦後責任などをめぐる謝罪に至るまで、多様な事例を具体的に取り上げながら、「責任」「後悔」「償い」「赦し」「当事者」「誠実さ」といった、謝罪をとりまく重要な概念同士の関係を丹念に解き明かしていく。そして、謝罪という行為の全体像を描き取ることを通して、「謝るとは何をすることなのか」という問いに対する十全な回答を提供する。

本書のこうした道行きは、不適切な謝罪と不必要な謝罪がともに蔓延するいまの日本の社会状況に対して、これを批判的に分析するという要素も併せ持つだろう。この社会で他者とともに生きていくための手がかりをさぐる、実践的探究の書。

【目次】
プロローグ
第1章 謝罪の分析の足場をつくる
第2章 〈重い謝罪〉の典型的な役割を分析する
第3章 謝罪の諸側面に分け入る
第4章 謝罪の全体像に到達する
エピローグ

これも内田樹さんと同じような流れで選んだ本ですね。謝罪、ホントなんなんでしょうね。古田さんは「いつもの言葉を哲学する」がとてもよかったので。

四方田犬彦の料理ノート
人はなぜ「本物の料理」を求めるのか。
なぜ知らない料理を食べたいと思うのか。
「食べる」とは生理的な行為だけではなく、歴史がつくりあげてきた体験であり、料理のなかには「見えない政治」が働いていることを浮き彫りにする
痛快無比の料理論集。
【目次】
I「日本料理」の虚偽と神話
料理の真正性とは何か
料理の復元
知らないものを食べる
ツバメの巣と盆菜料理
国民料理とは何か
肉食について
野草を食べる

四方田犬彦が執筆で忙しいときに作る、ものすごく簡単な料理一覧

II
偶景
ぶっかけ飯
缶詰の思い出
韓国の食べ物への信頼
三人の女性
台所にいることの悦び

四方田さんといえば自分は「モロッコ流謫」なのですがこの本は数冊出ている食についてのエッセイ。ジツは縁あって版元さんよりライブラリーにご寄贈いただきました。ありがとうございます。

地方創生やB級グルメなど地方を盛り上げようとする取り組みが盛んだ。だがなぜ地方の人たち、とりわけ中山間地の人たちばかりがんばらなくてはならないのか? 都市と農村の関係から、農業生産のあり方や流通、食べ方の変化に目を向けたとき、そこには都市を優先し合理性を重視する社会のシステムがあることが見えてくる。農村風景の変容も、このシステムとふかく結び付いている。農村風景を入り口に、食と農業のあり方から、都市と農村の幸せな関係を構想する。

真田さんは石積みの活動を知ってから注目していました。これも難しいテーマですね。自分の先の暮らしも含め考えつくせない。勉強のために。

「自然と人間の関わり」を描かせたら右に出るものはいない漫画家、矢口高雄。
その釣りをテーマにした第一作目である『岩魚の帰る日』と『釣りバカたち』の岩魚、山女魚を対象にした作品を合本し、ヤマケイ文庫で復刊!

表題作の「岩魚の帰る日」のほか、名作として名高い「移しイワナ」「チライ・アパッポ」「Yのイニシャル」ほか全13話を収録する。

大人が楽しめる極上の釣りマンガである。

もちろんすでに持っているのですが、ライブラリー用に改めて。ヤマケイ文庫の働きは素晴らしいですね。次もそんな一冊。

日本の源流域の大イワナ・大ヤマメ釣りのパイオニア白石勝彦氏の釣りの名著『大イワナの滝壺』の続編、『わが回想の谿々』が待望の文庫化!!
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昭和37年、上高地梓川から始まった僕の渓流釣りは、最初の10年間に熱く燃えさかる炎のようになって爆発した。このときの経緯は前著『大イワナの滝壺』に書き綴ってあるが、本書はそれに続く昭和50年初頭から現在に至る、いわば僕自身の第二期の渓流釣りを書いたものである。

滝を越え、ゴルジュを泳いだ先で出会った大イワナの楽園を見たときの息がつまりそうな興奮、あのときの深い感動をいつまでも持続するために、ひたすらに渓流に通いつめた一渓流釣り師の軌跡、それが本書の内容である。

(「まえがき」より)
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■内容
まえがき
・夢想する谿師の前に広がる大イワナの世界 新潟県黒又川支流・赤柴沢(昭和48年9月)
・人返しの淵を越えて幻の魚止め滝への執念の遡行 山形県飯豊山塊玉川支流・大又沢(昭和48年8月)
・新たに見つけた谿にほとばしる大アマゴのきらめき 静岡県大井川水系・寸又川本流(昭和49年6月)
・国道の脇に見逃されていたイワナの楽園の発見 秋田県成瀬川水系・北ノ俣川(昭和50年6月)
・鉱毒流れる死の川の上に隠されていたイワナのパラダイス 秋田県玉川支流・大深沢(昭和52年4月、6月)
・大イワナの後に襲う鉄砲水。運命の女神に翻弄された苦闘の谿 青森県白神山地赤石川(昭和52年9月、53年6月)
・昭和50年代、僕の釣りを方向づけた新しい日高渓流群の登場 北海道日高山脈新冠川(昭和52年8月)
・関西きっての大アマゴの楽園といわれた険谷の秘密を覗く 三重県大台ケ原宮川支流・大杉谷(昭和52年8月)
・日本アルプスの脊梁山脈を越えて大イワナの世界へ 富山県黒部川支流・北又谷(昭和53年8月)
・飯豊の忘れられていた谿は泳ぎの連続する険谷だった 新潟県飯豊山塊前川(昭和53年9月)
・ある生還――日本のヒンターシュトイサー・トラバースルート 岐阜県高原川水系・双六谷金木戸川(昭和54年7月)
・夢想と危機の時代を越えて在来イワナの領域へ わが回想の谿々(昭和62年8月~)
・さらば源流のイワナ釣り 北海道知床半島羅臼川(昭和63年2月)

あとがき

解説にかえて 源流、白石さんとの冒険 岩井渓一郎

上記ヤマケイの2冊は面白過ぎて一気読みです。長い(釣り)シーズンオフ、もっとじっくり読めばいいのにね。

全国の書店員から熱烈な支持!
最注目の著者による、大反響エッセイ文庫化。

人生はドラマではないが、シーンは急にくる。
わたしたちはそれぞれに様々な人と、その人生ごとすれ違う。
だから、花やうさぎや冷蔵庫やサメやスーパーボールの泳ぐ水族館のように毎日はおもしろい―― 。
短歌、小説、絵本と幅広く活躍する著者が描く、「ともだち」との嘘みたいな本当の日々。
大反響の傑作エッセイ!

【文庫版あとがき収録】

れいんさん、例に漏れず「わたしを空腹に・・・」で知ってそのリズムと視線に引き込まれました。
全然関係ないおじさんでも気持ちよく読める貴重な若い書き手さんです。

居酒屋作家・太田和彦の書き下ろし酒飲み話。

近年は家飲みを極める居酒屋作家の、人生終盤に差し掛かった酒の肴は「人生を振り返ること」。

酒のつまみになる100話を収録。

こちらは安定の大先輩。年寄の説教、最高です。太田酒呑み文学ここに極まれり。(読了済みです。)

ニート息子も女子高生も、狩る・飼う・捌く! 
サバイバル登山家と型にハマらぬ家族たちが繰り広げる都会の原始生活。

「俺は今後できるだけ庭でウンコする」
長男の受験失敗、次男ニート化もなんのその、
妻は大ネズミの唐揚げ弁当をこさえ、
娘は可愛がったニワトリを絞めて食べる。
小さな悩みも吹き飛ぶ愉快な日常エッセイ集

サバイバル登山の服部文祥さんの日常エッセイ。って、これが日常ってだけでもう信じられない。オモシロそう過ぎます。奥さんのエッセイも面白いとよく聞くのでそちらもいつか。(「はっとりさんちの狩猟な毎日」)

この社会の居心地の悪さはどこからきたのか?
明治維新と敗戦、憲法、天皇、
経済停滞、少子化、巨大地震…

「考えたくなかった」
戦後日本の論点を徹底討論!

<本書の内容>
右も左も、いまだに外圧頼り。内発的に自分たちの価値を肯定し、守るということができていない(東)

天皇が生物学を勉強したのは、正気を保つためにやっていたんでしょう(養老)

日本人は戦争による被害も、人災ではなく天災のように捉えてしまう(茂木)

「シビリアン・コントロール」なんて、自分の国の言葉にもできないようなものが身につくはずがない(養老)

戦後、この国は、人の心を安定させるものを、かなり潰してしまった。新興宗教が強いのも、コミュニティの貧しさと関係している(東)

「九条」に限らず、日本は整合性をつけることへの欲望がない(茂木)

日本経済が30年も停滞している理由は、もう作らなくていい、壊さなくていい、という暗黙の民意なんじゃないか(養老)

被害の記憶を伝えたいなら、震災の日だけでも実際の津波の映像を流したほうがいい(東)

なんかモヤモヤしてるんでしょうね。今月はこういうテーマが被りました。
書店で購入したのですが帰宅後amazonをチェックしてみると一時的に在庫切れ。なるほど、モヤモヤしてるのは自分だけじゃないですね。
3人の組み合わせも面白いと思いました。

「客商売」にドラマあり!

レストランは物語の宝庫だ。そこには様々な人々が集い、日夜濃厚なドラマを繰り広げている――。人気の南インド料理店「エリックサウス」総料理長が、楽しくも不思議なお客さんの生態や店の舞台裏を本音で綴り、サービスの本質を真摯に問う。また、レビューサイトの意外な活用術や「おひとり様」指南など、飲食店をより楽しむ方法も提案。食にまつわる心躍るエピソードが満載、人生の深遠を感じる「客商売」をめぐるドラマ!


【目次より】
Ⅰ お客さん論
客、お客さん、お客様/常連さんと特別扱い/レビューサイトのお客さん/サラダバーとお客さんの経営学/貪欲なのに狭量な日本人の味覚/ホームパーティにおける手土産問題/ひとり客のすゝめ①――店は歓迎してくれるのか?/ひとり客のすゝめ②――カウンターが濃い店とヤンキーの先輩の店/ひとり客のすゝめ③――もっと世界に「おひとり様」を!/ざわつかせるお客さん/コース料理受難の時代/不安になるお客さん/嫌いなものについて堂々と語ろうではないか論

Ⅱ 飲食店という文化
お客さんに可愛がられるお店、リスペクトされるお店/マイナージャンルのエスニック/「接客」という概念の無い店/あるラーメン店の老成/後継者とお客さん①――ある三代目の物語/後継者とお客さん②――飲食店は大切な文化である/飲食店と価格①――「1000円の定食」は高いのか?/飲食店と価格②――「値上げ」をめぐるジレンマ/平成クリスマス狂想曲/忘年会ノスタルジー

Ⅲ お客さん物語
お茶漬けの颯爽/友だちとは何であるか――議論で更けてゆく居酒屋の夜/説教したがるお客さん①――誰がための「説教」か/説教したがるお客さん②――人生初の出禁/立ち飲み屋のお客さん十態/騙す人々、騙される人々①――いつものカフェが狩猟場になった/騙す人々、騙される人々②――ヤンキーの誘惑とピアノ弾きの夢/英国パブのマドンナ/浅草のジルベール

最近一番のお気に入り、面白過ぎる「エリックサウス」稲田さんのエッセイ。これはもう少し呑みながら・・・の時間が多く取れる時まで、とっておきます。

ひとは誤ったことを訂正しながら生きていく。

哲学の魅力を支える「時事」「理論」「実存」の三つの視点から、現代日本で「誤る」こと、「訂正」することの意味を問い、この国の自画像をアップデートする。

デビュー30周年を飾る集大成『訂正可能性の哲学』を実践する決定版!

聞き手・構成/辻田真佐憲 帯イラスト/ヨシタケシンスケ

保守とリベラルの対話、成熟した国のありかたや老いの肯定、さらにはビジネスにおける組織論、日本の思想や歴史理解にも役立つ、隠れた力を解き明かす。
それは過去との一貫性を主張しながら、実際には過去の解釈を変え、現実に合わせて変化する力――過去と現在をつなげる力です。
持続する力であり、聞く力であり、記憶する力であり、読み替える力であり、「正しさ」を変えていく力でもあります。
そして、分断とAIの時代にこそ、ひとが固有の「生」を肯定的に生きるために必要な力でもあるのです。
(目次)
第1章 なぜ「訂正する力」は必要か
第2章 「じつは……だった」のダイナミズム
第3章 親密な公共圏をつくる
第4章 「喧騒のある国」を取り戻す

日本には、まさにこの変化=訂正を嫌う文化があります。政治家は謝りません。官僚もまちがいを認めません。いちど決めた計画は変更しません。(…)とくにネットではこの傾向が顕著です。かつての自分の意見とわずかでも異なる意見を述べると、「以前の発言と矛盾する」と指摘され、集中砲火を浴びて炎上する。そういう事件が日常的に起きています。(…)そのような状況を根底から変える必要があります。そのための第一歩として必要なのが、まちがいを認めて改めるという「訂正する力」を取り戻すことです。(「はじめに」より)

これも同じような流れですねー。先の対談のひとりでもあるし。前作(?)にあたる「訂正可能性の哲学」が面白かったので。

「社会との約束の下、寝て食べて動く。しかし、いつ約束したのだか判然としない。」

奈良県東吉野村。人口一五〇〇人の村の山あいに佇む一軒家、人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」。自宅を開放して図書館を運営する夫婦が、仕事に、生活に、山村と街を、あるいは彼岸と此岸を往復しながら綴った日記に、エッセイや草稿「研究ノオト」を収録した、日記帳。

人の動きが少しづつ戻ってくる中で、あらためて見えてきた他者や社会とその「外側」にあるもの。内と外を行ったり来たり。ぐるぐる回りながら考えた、二〇二二年の記録。

自分もライブラリーを運営していることもあり、このシリーズは欠かせないですね。もう4冊目か。出る限り・・・方向性が変わらなければ・・・読み続けるのだろうな。

「なにもしない」料理が、地球と私とあなたを救う。

AIの発達、環境危機、経済至上主義…
基準なき時代をどう生きるか?
人間とは、自由とは、幸せとは。
「料理」を入り口に考察した壮大な著!

土井節炸裂、一生ものの雑文集。
『ちゃぶ台』の名物連載、ついに書籍化。

レシピとは人の物語から生まれたお料理のメモ。他人のレシピは他人の人生から生まれたもの。でも本来、料理は自分の人生から生まれてくるものです。それがあなたの料理です。つたなくっても、自信がなくっても、私はいいと思います。「味つけせんでええ」というのは、それを大切にすることだと思っているのです。

一生懸命お料理すればそこにあなたがいるのです。お料理するあなたが、あなたを守ってくれるのです。――「まえがき」より

●目次
1 料理という人間らしさ
2 料理がひとを守ってくれる
3 偶然を味方にする――「地球と料理」考
4 味つけはせんでええんです
5 料理する動物
6 パンドラの箱を開けるな!

最後はこれ。軽井沢のエホンゴホン堂さんに久々お邪魔したときに手に取ってそのまま購入。
自分、「ちゃぶ台」はよく読むけどすべてじゃないんですよね。抜けてるところが読みたかったのと何より久々、土井さんを読みたかったのと。

あ、先月予告した雑誌その他の回、出来てませんね。こちらはカタチを変えていずれ・・・。

来月は文庫で面白そうなのが数冊。あとはここ最近の本屋巡りで気になったヤツらをどうするか?ですかね。

これから本を読むにはいい季節になってきます。


※リンクがamazonなのはamazonで買って欲しいということでは決してなく、単に見やすい・調べやすい・・・ということです。誤解なきよう。

http://www.coldmountainstudy.com/
coldmountainstudy@gmail.com 

coldmountainstudy  店主:鳥越将路


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