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「イドコロをつくる」

伊藤洋志 「イドコロをつくる」 (東京書籍)

伊藤作品は今まで「ナリワイをつくる」「フルサトをつくる」と続けて読んできていて、今回のテーマは自分が最近考えていることとも大分被る部分が多く、迷わず購入・読破。

全体的に”この生き辛い世の中で、正気を保つためにちょっとした居場所が必要”というテーマに沿って、具体例や案が提示されていく・・・このテーマが、タイムリーですね。

しんどいんですよね。

この騒ぎですから、さらにね。

”サードプレイス”なんて言葉も出ましたが、要するにしんどいんです。

”救い”が欲しい。ちょっとした”逃げ先””息抜き場”みたいな場所があるとやはり違いますよね。それは誰もがわかっている。でもそれを見つけられないんですね。案外。

そしてその”救い”は人によって違う・・・。

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イドコロは大きく二つに分類されているのですが、その詳細については触れません。そこは余り重要じゃない。(自分にとっては。)
要するに場所はどこでもよく程よい第三者の目に触れることが大事といった主張。一緒に居るのは家族でも友人でも仕事仲間でも趣味つながりでもいい。場所も家に店に銭湯に・・・。

たくさんのヒントが、見つかりました。

自分もいつの間にか”場”・・・イドコロを提供しようという立場にいます。

そうそう。

せっかくなので過去作になぞって自分の場合・・・を一応文字にしてみましょう。

ナリワイ・・・これはもう本屋ですね。本の紹介含め書き手としての活動もここに。
子供達(とその親、関わる大人)に釣りとその周辺を教えるガイドもここに収まるでしょう。
可能性は他にも、いくつか。

フルサト・・・うん、これは本の提示する本筋とはそぐわないけれど今暮らす寒村とその近辺が軸になりそうです。
あとはかつての旅先ですかね。しかしそちらはまだ可能性の段階。でも焦りというか急を要する感じではないですね。

そうそう先の旅先で偶然出会ったいつか行ってみたいと思ったブックカフェ・・・はこの「フルサト・・・」で見つけたのでした。熊野、本当にいいところです。

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ナリワイである本屋の活動のひとつとして、自宅の一部をライブラリー&ストアとして極めて限定的ではありますが”住み開いて”います。

これはわかりやすく、イドコロとして使ってくれればなぁ・・・と言う思いが当然入っている。自分自身のイドコロとしてももちろん機能します。事実店番の時間は限りなく愉しいし気付きに満ちていますね。今のところ。

それともうひとつ。

本屋がどちらかというと自分以外の誰かに重きを置いたイドコロとすると、やはりもう一つ、別方面で自分が満足できる・愉しめるイドコロが欲しい。

それをどこに持ってくるか?

またそこで何をするか?


(以下、そんな心配はないかと思っていますが騒がしいようなら有料記事にしようとも思っています。)


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こんな時期にそぐわないかも、ですがやはりそれは自分の場合”共食”なんですね。ともに食べることでしか得られない何かが絶対にある。最近読んできた「つながるカレー」「縁食論」から感じ取ってきた何か。

未だ試みの段階ですが・・・

自分はそれを近所の河原でしてみよう、と思っています。

スペース・ロケーション共に十分。釣りや川遊びに対応できるし、真向かいにある仲間の施設を使わせていただいてトイレ・水道・電気(照明)の問題もクリアできる。

河原での直火での焚き火の是非・・・という問題もありますがここは地区行事でもある「かあがり」(いわゆるどんど焼き)の場所でもあり、その跡を活かせばいたずらに焚火跡を残す・増やすこともありません。

”人んとこ”じゃない中立地がいいんですね。誰にも負担がかからない・・・というのは少し違うか。むしろみんな平等に負担を共有できる。もちろん単に労力という訳でなく金銭の支払い等で平らにならすとして。

まずはいわゆる”割り勘”でちょっとした会を開催してみました・・・提供を希望する方を事前に確認し、その日用意する飲食物に応じて費用を徴収する形で。

これは、普通ですね。ただ案外主催側の負担は大きい。

次に試みたのが飲食物は主催者側で用意するもの・・・プラス不足分は参加者の方に持参してもらって・・・かかった費用はお気持ち、の”投げ銭”制。

個人的にはコッチなのかな?と思います。こちらの方がより自然に場を保つことができるのかな?と。山形の”芋煮会”みたいな感じですかね?あれは”ふるまい”が多いようですがそれだと少し負担が大きい。続けよう、というにはしんどくなってくる。

話は少し横道に・・・ですが、ライブラリー&ストアでも同じく投げ銭制でドリンクの提供を始められないかな?と画策してます。

あ。

こんなこと書く必要もないと思うのですが”例の影響”に関する対策は取りつつの試みですからね。”常識”は守りつつの試みですからね。小さく、小さく。ホントはこんなこと書きたくもないのだけれど。

しかし皮肉ですね。

”例の影響”下にあるからこそこの試みは光っているようにも感じます。
参加・立ち寄ってくれた方々の笑顔がそれを物語っている。

笑顔の意味は、なんなのだろう?

そこに足りない何かが転がっている・・・そんな気がしてならない最近です。

読書感想文に分類しておいてなんですが、自分の事ばかり書き過ぎました。

しかしそれほど”自分ごと”、タイムリーな好著であったが故です。

こんな状況下。

”場所”、もっていますか?


http://www.coldmountainstudy.com/
coldmountainstudy@gmail.com 

coldmountainstudy  店主:鳥越将路




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