『読までき英文解釈 入門書』(読解編)
英語学習への考え方が、この一冊で激変します。
はじめに
この記事では、私が辿り着いた、文章解釈の方法を紹介します。受験勉強で身に付けた現代国語の長文解釈には、かなり自信がありました。この国語の長文解釈の手法を、英文読解に応用できるのではないか?大学時代、アパートの炬燵に頬杖を付きながら、閃いてしまったのです。JR三鷹駅北口の武蔵野市にあった、あのきったねぇ木造アパートでのあの瞬間が、ここで紹介する英文読解手法の出発点です。
さて、この記事から始まる「読まずにできる英文解釈」プロジェクトでは、英検を目指す方々や英語を学び直そうとされている方々のサポートをその目標としています。
一方で、私の究極の目的は、目を覆いたくなるほどに乱れている日本語の救済です。あの閃きの瞬間を正に逆方向に機能させてみせます。すなわち、日本語の文章解釈の手法で英語の勉強を継続することで、皆さんの日本語の力の維持および向上のお手伝いができるよう努めます。日本語の長文解釈を通して編み出した手法ですから、きっと可能です。
この「読まずにできる英文解釈」プロジェクトを通して、ポジティブに繰り広げていく挑戦の日々をnoteにも認め(したため)ていきます。
「読まずにできる英文解釈」の Mission:
「読まずにできる英文解釈」の基本的な姿勢:
勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。
(徒然草第百十段)
私が提唱するMTC(まじ・とっても・Canたん)メソッドは徒然草のこの段の教えと相通じるものがあります。
通常、「英文読解」とは、「主語」と「述語」とを探すことだと思います。しかし、MTCメソッドでは、それをしません。それ以外の作業を、淡々と、つまり、頭を使わず、「読解」をしようとせず、ただ作業を続けるのです。すると、おのずと「主語」と「述語」とが浮かび上がってくる仕組みです。
ですから、英文読解が苦手だった人や、久しぶりに英語を学び直したいという方にお勧めできる手法だと思います。学生時代に頑張って英文を読解したきつい思い出をまずは払拭しましょう。「読解」しようとしない心構えを持てば、英語の長文を見た瞬間に卒倒(笑)することは無くなります。
では、物語の始まりです。
1. 英検準一級に挑んだ主婦の物語
豪一郎は、英ナビ!のマイページにアクセスし、「試験結果」のページを開いた。
『おお、ヤツの手ごたえ通りだね。合格だ!技能別正答数も全ての項目で合格者平均レベル。まあ、バランスいいね。』
すかさず、洋子(愛称 コッペ)が勤務先の息子にLINEで連絡。合格通知画面の画像も送信。
『おめでとぉ♪(o'ー'o)b』 絵文字も添えて、コッペも嬉しそうである。
『で、私は。。。ダメ。前回よりも全然できなかったんだ。』
読解問題で致命的な失敗をしてしまったコッペ。既に自己採点で状況は把握できている。コッペは、凹む様子もなく、合否を確認する気も無さそうだ。
でも、念の為。。。というか、豪一郎は、何やら閃きのようなものを感じていた。
『うっ!』
コッペは、豪一郎の背後からPCの画面をのぞき込んだまま、表情を失っていた。
2. 主婦 コッペ、挑戦の始まり
コッペは、58歳、主婦。
東京の女子大の、英語には縁遠い学科を卒業後、メーカーでOL生活。
5年ほど勤めた後、社内恋愛の末、結婚。夫 豪一郎が同社を退職し、メルボルンの大学院に留学したため、一緒に渡豪し、2年間、彼の地で過ごした。
そもそも英語にはまったく興味がなかったのだが、豪一郎が通う大学の付属の語学学校に2ヶ月だけ在籍した。
それから、20数年が過ぎた頃、ママ友から声がかかった。
コミュニティセンターに勤めるママ友は、コッペが海外に2年間住んでいたということを知り、英会話のセミナー講師を依頼してきたのである。月1回程度で、緩い内容だが、2ヶ月、3ヶ月と続けるうちに、コッペは自らの英語力の拙さを痛感し始めた。そして、豪一郎の指導の下、英語の学習を始めた。
それから、およそ1年後、『英検準一級』を受験することになった。
コッペは、「『英検準一級』が必要だ」、「是が非でも受からなければならない」という差し迫った状況には、無かった。このまま英会話の講師を続けるのであれば、「『準一級』くらいは、持ってなきゃ」という消極的な気持ちであった。それにしても、「『準一級』は、果てしなく遠い。二級でいいじゃん。」とコッペは感じていた。そう、コッペは、英検二級にさえ挑戦したことはなかったのだ。
2-1 コッペの戦績(2019年度第3回)
コッペが最初に取り組んだのは、当時、豪一郎が発行していた無料メルマガの音読。
豪一郎の指示通りに、何度も何度も音読を繰り返した。同メルマガは1週間に一度発行されていたので、1週間で英語の勉強をするのは、これだけ。ちなみに、以下がある週のメルマガ本文である。
海外の大学院で学んだ経験のある豪一郎 曰く。『発音がきれいかどうかは、あまり気にする必要はない。中国人の英語。ベトナム人の英語。それぞれに特徴があって面白い。英語は、もう英米人だけの言語ではなく、世界の共通語なんだから、発音はそれほど気にすることはない。日本人英語でいいんだ。』
この点は、コッペも実感として理解できた。前述の通り、メルボルンの語学学校に、コッペは、2ヶ月ほど通った。そして、その時に知り合った、他国からの留学生との交流を通して、コッペも同じようなことを感じていたのだ。
一方で、『でも、アクセントは大事。アクセントを間違えると、全く通じないケースが結構あるんだよ。』と、豪一郎は、口を酸っぱくしてコッペに伝えた。例えば、19と90。つまり、nineteenとninety。改めて辞書を引いてみると、それぞれアクセントの位置が異なる。nineteenとninety。太字部分がアクセントである。これらの単語には、日本人が苦手とするR, L, THのいずれも含まれていない。だから発音は簡単だ。ただ、アクセントをきちんと意識していないと、全く通じない。それどころか、nineteenと伝えたいのにninetyとネイティブは理解してしまう。アクセントはバカにできないのだ。
さて、週に一枚だけのメルマガだが、コッペは毎週100回程度音読した。
「『準一級』は、果てしなく遠い。」と感じていたコッペは、そう決めたのだ。そして、豪一郎からは、1分間に200英単語のスピードでの音読を要求された。TOEICほどではないが、英検の読解問題もスピードとの勝負である。速く読めて、ちゃんと理解できることが大事なのだ。
ちなみに、上記記事 ゴッホの『ひまわり』(169単語)のコッペの音読記録を確認すると、
毎日15回の音読を、コッペは自らに課した。
さて、これくらいの短い英文記事を100回音読すると、どんなことが起こるか?
初見で知らなかった英単語、フレーズは覚えようとしなくても、身に付いてしまう。それどころか、文書全体をほぼ暗記してしまっている。だから、音読に要する時間が半減したのだとも言える。
こうしてインプットした英文は、単語として、フレーズとして、ネイティブと話すときに無意識に使えるようになるのだ。豪一郎は、詳細な単語表を用意した。品詞、意味、アクセント、語源、反対語、同意語。かなり詳細な内容である。
後に『MTC(まじ・とっても・Canたん)メソッド』と名付けられることになる、豪一郎が編み出した『読まずにできる英文解釈』法で、読解力を身に付け、アクセントに気を付けながら、ひたすら音読を繰り返すことで、コッペは、英語の基礎体力を確実に向上させていったのである。基礎体力が付くまでは、まあがむしゃらに読むことである。学習効率を考えたり、学習を楽しんだりというステージには、基礎体力なしでは到達できない。考えず、音読を繰り返すべし。
無料メルマガの簡単かつ短い英文記事を活用して、読解の基礎体力を身に付けた頃、豪一郎は、そろそろ英作文の指導を始めようかと、準備を始めた。英検は英作文が合否を分けると確信する豪一郎だが、まずは、多読、速読による読解力、そして、英文のインプット量の増強が不可欠だと、豪一郎は考える。
そして、迎えた英検準一級一次試験本番。中学生の時に英検四級に合格して以来の英検である。
が、緊張はしなかった。
結果は、不合格。惜しいのか。惜しくないのか。
技能別でも、満遍なく力不足であった。これを見ると、惜しいとは全く思えない。。。なのに、コッペは、この試験、それなりに手ごたえを感じていたのだ。
少なくとも、もう英検準一級を手の届かない遠い目標だとは思わなくなっていたようだ。
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