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卒延薬学生の再就活【完】

就活が終わりました。

この度、薬局に就職することになりました🌸

病院就職希望で就活していましたが、第一希望の病院の採用試験が不合格という結果に終わり、今回の決断に至りました。

就職活動を終了させた理由としては、

その病院以外で病院薬剤師になりたいという気持ちがなかったから。

今の目標は「来春からちゃんと薬剤師になること」なので、就活を長引かせたくなかったから。

です。

今年度、選考を受けた企業数は、去年同様、薬局1社・病院1社です。

昨年度の実績としては、薬局1社・病院1社から内定をいただいていました(薬局は今回とは別の企業、病院合格に伴い内定辞退)。

以下に、私の再就活スケジュール・就活準備を書いてみました。一例ですが、良かったらご一読ください。

前書き

以前少し触れたことがあるのですが、私は、今回応募した病院に対して強い思い入れがあり、小学生の頃から入職を志願してきました。

大学病院だったのですが、幼い頃は「そこの大学の医学部に行って、医者になって、その大学病院で働く」ことが私の目標でした。

結果として、大学受検は失敗、1年間予備校で浪人生活を送ったものの、医学部には合格できませんでした。

少しずつ目標レベルを下げていきましたが、あくまで私の最終目標は、その病院で働くこと

つまり、自分の将来像として全く思い描いていなかった「薬剤師」という形であったとしても、その病院で働けるのであれば、私的に全く問題はありませんでした。

しかし、今回、卒業延期が決まり、病院に内定辞退を申し出なければならなくなりました。

長年思いを馳せてきて、何とか勝ち取れた、憧れの病院の内定を、自分から「辞退させてください」と電話をかけなければならない。内心、辞退なんて全然したくないのに。あの屈辱的な悔しさは、一生忘れることはありません。

内定辞退アンド卒業試験不合格。
誰が一緒に働きたいと思ってくれるだろうか。

去年も今年も、その病院の薬剤師としてやりたいことに「専門資格の取得」と「博士号の取得」を挙げていましたが、学会発表や論文作成の際、実際に面倒を見ることになるのは、薬剤部の先生方であって、今回の面接官。

「大学もろくに卒業できないレベルの子」が院試に合格できるとは思ってもらえないし(まず、本当に行くの?から始まりそう)、お荷物になる未来しか見えない。そんな手間のかかる子、要らない要らない。

卒業延期、痛手すぎる。


一度辞退しておきながら、再内定をもらう。
その可能性が限りなく低いことは、受ける前から分かってた。


でも、これは私の学生最後の夢だったから。
挑戦しないで諦める選択肢なんてなかった。


就活再開当初は「もし来春(その病院に)就職できなかったとしても、いつかは絶対に入ってやるんだから!」と考えていました。

また、大学の先生にも「転職してでも入りたいなら、(他の病院になったとしても)今回も絶対病院就職した方がいい」と言われ、就職希望は病院一択でした(薬局→病院の転職は現状、厳しいらしい)。

ですが、私はここで病院就職を諦めることにしました。

今回の採用試験を通して、一度、内定辞退を経験してしまった私は、将来、薬剤師免許所有者として再挑戦したとしても、その病院に採用されることは、二度とない、と悟ったからです。

一度もらっていた内定を勝手に自爆して蹴ったのは私だし、こればかりはどうにもならない。

また、周りの卒延生たちの就活状況も決め手になりました。

見た感じ、病院就活している卒延生たちは、中々希望通りには進んでいない印象です。

そして、去年とは異なり、5月から週5で1〜4限までの授業が始まり、2ヶ月後には、卒業試験を控えています。

成績に決して余裕があるわけではない私が、終わりの見えない就活にいつまで時間を割くのか(割く必要があるのか)。その考えが次第に強くなり、腹を括りました。

国試1週間後から就活再始動、4月の1週目には1社内定獲得。もう自分、十分頑張ったじゃないか。

そもそも「どこでもいいから病院薬剤師の仕事をするんだ!」という気持ちが私には最初からありませんでした。なので、ここが潮時だなと。今から別の人生に進んだって悪くないはず。

また「薬局就職がそんなに『悪』じゃない」と思えるようになったことも大きいです(不快に思われた方がいたらすみません)。

というのも、去年、私の周りのほとんどが病院希望者だったこともあり、薬局就職にあまり良いイメージが持てていませんでした(途中で採用試験対策投げ出したと見られそう的な。完全にプライドの問題でしたね)。

ですが、いざ就職する身になってみると、「薬剤師としては一緒だし、勤務条件だって全然悪くない(寧ろ良い)じゃん!!」と前向きに捉えられるようになりました。

就活スケジュール

●2月
・109回国試(2/18, 19)
・病院①見学会

●3月
・病院①見学会(2回目)
・薬局①企業説明会(3/6)
・薬局①個人面談(3/12, 3/19)
・薬局②企業説明会(3/17)
・薬局①面接(3/27)
・就活カウンセラーによるES添削(3/18, 22, 25)

●4月
・薬局①内定🌸(4/3)
・就活カウンセラーによる小論文添削(4/15, 19)
・病院①採用試験
・病院①不合格(4/30)

私の大学は、卒延生の就活に対して、完全に放置プレイでした(新6年生には3月から今年度の就活情報が送られていたそう)。大学からのお知らせを当てにせず、早めに自主行動を開始したのは正解でした。

準備したこと

①説明会・見学会

【薬局】

薬働ナビから2社の企業説明会にエントリーしました。

薬学生向け求人サイトは他にもありますが、昨年度、大学から薬働ナビの登録を求められたこともあり、今年も利用しました。薬局・病院以外もメーカー、MRなど、様々な業界の求人が載っています。

病院希望でありながら、薬局の選考を受けた理由は、「本番(病院面接)の練習」です。補足するならば、

1つ内定をもらえると自信に繋がる(自信を持って病院選考に臨める)

どこかの内定をもらっている→人としてヤバい子ではないという証明になる(かも?自論です)

です。

この時はまだ「就職先は病院一択!」だったので、薬局を選ぶ際に重視していたのは「病院併願でも内定をもらえるか」でした(去年も同様)。なので、大学の就活体験記を見ながら、選択肢を絞りました。

説明会に参加した2社から、選考を受ける薬局を絞った理由は、

2社目の説明会の前に、最初に説明会に参加した薬局の方で面接日が決定してしまい、そちらの準備を進めていく中で気持ちが完全に1社目に向いてしまったから

2社目の人事担当者とやりとりする中で、自分が社風に合わなさそうだと感じたから(会ったこともないのに最初の返信からタメ口は流石に腰抜けた)

です。

昨年度は、薬働ナビ主催の合同説明会に参加し、色んなブースを回って話を聞いた中で、1番雰囲気が良かった薬局を選びました。

【病院】

病院のホームページを毎日確認していました。見学会開催のお知らせが出たら、なるべく早く指定されたアドレスに参加希望メールを送りました。

病院見学会では「積極的に質問すること」が大事だと思います。とにかく熱意を見せる。

また、私は、その病院の実習生ではなかったので、名前を残すことも心掛けていました。

採用試験の合否に関係ないとは思いますが、質疑応答の時間に質問していた学生は、参加者名簿にチェックを付けられていたり、質問内容をメモされていました。

見学会は、去年含め、複数回参加しました。

そして最後、見学会に参加した後も気を抜かず、その日のうちに、見学会開催のお礼メールも送りました。

②情報収集

【薬局】

企業説明会で使った企業パンフレット(事前に郵送されてきた)から情報収集しました。

また、薬事日報に記載されていた選考を受ける薬局に関する記事(3ヶ月前くらいまでのもの)を調べて印刷し、通学時間中に読み返しました(詳細は④時事対策に記載)。

正直、薬学生の面接対策はここまでしなくても受かります。ですが、昨年度もこれに取り組んだ結果、面接本番で大変役立ったことから、今年度も取り組むことにしました(他の薬学生との差別化としても◎)。

薬事日報(電子版)
記事に関する企業名や法人名が書いてあったので、
それを元に情報を取捨選択しました。

【病院】

病院見学会に参加し、院内を案内してもらう中で、沢山メモを取りました。

後日、自主的に調べたことは、病床数研修施設認定くらいです。

また、ネット上に病院紹介動画も上がっていたので、それも自宅で視聴しました。

③面接対策

【薬局・病院】

昨年度、大学の就活体験記やネットで検索した「薬学生の面接でよく聞かれる質問」を参考に、回答をデータにまとめていたので、それを印刷し、暗唱を繰り返しました。

今年は、卒延に対しても突っ込まれるかなと思ったので、多少項目は追加しました。

面接対策まとめ例
一字一句言えるまで、声に出して練習した。
本番では、練習したことを100%復元できないにしても、
キーワードを思い出せば話せるレベルには持っていった。
合計16ページ

私は、コミュニケーションには自信があったので、誰かに面接練習をお願いすることはしませんでした。

去年は、周りの流れで研究室の先生に対応してもらいましたが、実際に面接を受けて、結局、普段のコミュニケーション能力だと感じたので、敢えてそこに時間を費やす必要はないと判断しました。

薬局も病院も、面接形態は対面でした。それに伴い、各選考日の1週間前くらいから自部屋で入室・退室の練習をしました(ドアのノック、ドアの開け方・閉め方、就活バッグの持ち方、挨拶の仕方、お辞儀の角度、分離礼など)。

よく参考にしたサイトはこちら↓

④小論文、グループディスカッション対策

【病院】

病院の採用試験に「小論文」と「グループディスカッション」がありました。

小論文は、就活体験記に載っていた過去問とネットで見つけた「薬剤師就活のよくあるお題」を参考に、書いて練習しました。

私が受けた病院の小論文は「制限時間1時間、1題3行程度のテーマが2題、例年記述目安は各600文字以上、毎年初見問題」と割とハードだったので、短時間でテーマの意図を汲み取り、意見を素早くまとめ、すぐに書き始める必要がありました。

語彙力・文章構成能力に自信はなかったので、事前に書いたものを、大学の就活カウンセラーに見てもらいました。

書き始めた当初は「何が言いたいのか分かりにくい、伝わりにくい」と言われていましたが、文章構成を何パターンか試してみて、自分に合った書き方で1日5題程度練習したところ、選考直前期のカウンセリングでは「お手本として大学に寄付できるレベル」と言われるまでに上達しました。

そのおかげで、本番も自信を持って取り組むことができ、書き終えた後の手応えは、去年より良かったです。

小論文対策は「下手くそでも、読み返したら何言ってるのかよく分からない文章しか書けなくても、とにかく書いてみて沢山練習する。そして、他の人に読んでもらって、アドバイスをもらう。そして、また書く」の繰り返しに限ると感じました。

グループディスカッションは、面接対策同様、特に何もしませんでした。本番意識していたことは

「積極的に発言する」
「相槌を打ちながら、相手の方を向いて話を聞く」
「周りの意見を受け入れ、可能ならば、自分の意見も付け足す」
「空気を乱さない」
「自分の強みを活かしてチームに貢献する」

くらいです。

(私の強みは「どんな意見にも迅速に反応できること」だと考え、去年も今年も、司会などの役割には無理して立候補しませんでした。その代わり、沈黙を切ったり、あまり発言できていない人の意見に質問してみるなど、話し合いを活発に進めることに尽力しました。)

⑤時事対策

【薬局・病院】

薬事日報(電子版)を読みました。

私は、選考試験で使えるかもしれないと感じた記事を選び、要約してまとめていました。

薬事日報まとめ例
バックナンバーも読むことができたので、今年は
2024年1月1日からの記事をまとめていました。
合計22ページ

そもそも、薬事日報を読もうと思ったのは、十分な実習ができていないという自覚があったからです。

私は、2022年8月〜2023年2月の期間に実習に行っていたのですが、病院実習期間が全国的なコロナ禍と被ってしまいました。

実習先の病院でもコロナの感染が拡大し、安全面が優先された結果、実習生は病棟へと上がれなくなり、私は、実習期間の半分以上を1人で黙々と待機室で問題演習していました(この内容なら、正直、家で良かったと思う)。

不運なのは皆同じだろうと思いながら、大学に戻ってみると、同時期に実習していたにも関わらず、友人たちは実習先で様々な経験をさせてもらっていたことを知りました。

大学ではできない、現場で実際に行われている業務に携われていたことを羨ましく思いつつ、ほぼ座学しかしてこなかった自分は、全国的にも、遥かに薬学的知識と経験が不足した状態なのではないだろうか、と只々不安を増長させていました。

そんな時、2023年の3月、大学から薬事日報の無料購読キャンペーンのお知らせが送られてきました。

「薬学生なら、実習先で当然のように聞き学んでいることを知っておかないと、面接で聞かれた時(または発言する時)に恥をかいてしまう」と思い、キャンペーンに申し込みました。

結論、薬事日報で掲載されていた記事は、私が期待していた「病院実習の不足分」を補えるものとは異なりましたが、話題の新薬医療DXなどについての知識を増やすことができました。

何より、面接で逆質問する際に、薬事日報で読んだ、その薬局の最新の取り組みについて触れてみたり、グループディスカッションで薬事日報で知ったことを一つのアイデアとして発言できたりするなどして、大変有効活用できました。

去年受けた薬局の人事担当者からのフィードバック
このメッセージの5日後に内定の連絡がありました。

私は、就活を再開するにあたり、今回も薬事日報を利用したかったので、大学の事務に問い合わせてみたところ、特別にキャンペーンへの参加を許可してもらいました(原則1人1回のみ)。

そして、今年度も、薬局の面接で薬事日報で知ったことを発言した際、その場で

「うちの会社のこと、そこまで調べられてるんですね…!凄いですね…!!」

と言われ、効果抜群でした。頑張って取り組んで良かった!薬事日報様、ありがとうございました!!

就活を通して知った「薬事日報」ですが、現場の薬剤師にとっても、有益な情報が沢山載っていると感じました。将来、薬剤師になって、お金に余裕ができたら、是非購読したいです🍀

⑥その他気をつけたこと

【薬局・病院】

④面接対策のところで「入室・退室のマナー」については書きましたが、それ以外に気をつけたことを、簡単にまとめておきます。

(前日まで)
・ジャケットのしつけ糸は切っておく
・パンプスのヒールで削れているところは、油性マーカーで塗り潰す
・バッグの倒れやすい向きを確認しておく(面接中バッグが倒れることのないように)
・本番ニキビがないよう、睡眠はしっかりとる。お菓子も食べすぎない
・爪は短く切る
・「就活メイク」を調べておく
・面接練習は鏡を見ながら行い、表情を調整する(私は第一印象で「怖い」と思われがちなので、特に気を付けていました)

(当日)
・携帯用クリーナーを持参し、待機室でも身だしなみを整えておく。
・シャツのボタンは1番上まで止めていることを確認する
・髪型は、後れ毛が絶対に出ないよう、スプレーやワックスできちんと固める(結局使わず済んだけど、一応会場にも持参した)
・発言する時は、明るく・ハキハキと・笑顔で話す
・立っている時も座っている時も良い姿勢を心掛ける
・机の正面に立てがあっても、必ず膝と脚先は揃えて座る(意外に脚先見えてる)

私の解釈ですが、就職選考は「いかにこの人(自分)と働きたいと思ってもらえるか」だと考えています。

「面接試験は内面だ。外面で判断するような会社はどうのこうの…」という声も見かけますが、外面の印象で、その後話す内容の説得力は絶対に変わってくると思います。

最近の面接試験では、着席するまでマスクを付けていることもあるので、マスクオープン!からの顔の与えるインパクトはかなり大きいはず

特に、顔の中でも「」は、清潔感だけでなく、普段の生活スタイルまでも表れる(連日夜中までゲームして寝不足→肌荒れ、みたいな)ので、きちんとした印象を与えたいなら、男女ともに肌は整えておくのがベストだと思います。

就活を終えて

今年度の就職活動に関して、結果としては、希望通りには行きませんでした。

しかし、採用試験に向けて最大の努力をして準備したことや、本番でもそれをきちんと発揮できた自信があるので、全く悔いは残っていません。最後まで諦めずにやり切れたと思います。

そして、今だから言えることですが、長年「憧れの病院で働きたい」とは言っていたものの、その先のビジョンはありませんでした(どうなりたい、何がしたいというのが"全く"なかった)。

その病院に就職して、そこで働く。
そこで終わっていたことに後で気付きました。

勿論、面接では答えられるよう、病院の強みや特色から想像を膨らませて、回答を準備して行きましたが、正直「憧れの病院の一員として所属したかっただけ」だったかもしれません。

小学校の卒業文集
文の続きに「医師になること」って書いてあったけど、
心から思ったことは…

脱線しましたが、今回の結果は、やはり「内定取消」というワードが大きく響いてしまったと思います(取り組んでいたことは去年も今年も全く同じなので)。

希望の就職先に無事内定もらえた人、おめでとう!絶対に国試受かって!!
人生変わってくるから!!!!!

ちなみに、薬局就職予定で卒延した人達は、薬局に1年だけ待ってもらっているそうです(そういうところが多いみたい?)。病院でも待ってもらえた人はいます。


とりあえず、私の就活は、これにて終了です。次の目標は「大学卒業」。全力で生きたいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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