新卒マーケターが SQL 叩けるようになったら世界が変わった話
こんにちは、コバヤシ マサヤです。
この note では、新卒でマーケティングチームに入った僕が SQL を勉強し叩けるようになったら世界が変わった話を書きます。
特に、マーケチームに所属する若手メンバーや、育成に関わるマネージャーに読んでいただきたい内容です。
この記事のまとめ
読んだ後の感想
公開後、素敵な感想をいただけたのではらせていただきます。
SQL とは?
SQL とは世界で最も普及しているデータベースを操作するための言語で、主にデータを抽出するときに使います。
「Structured Query Language」の略で、直訳すると「構造化された問い合わせ言語」らしいです(初めて知りました、笑)
SQL を習得しようとした理由
僕は20年4月に新卒で NewsPicks に入社しました。
NewsPicks は(あくまでも個人的な意見ですが)新卒採用や若手教育に大きなパワーをかける組織ではなく、ひたすらに若手に機会を与えることで成長を促すカルチャーです。
僕が所属するマーケチームは特にその色が強いので、入社当初は実戦経験が乏しくて大変でした、笑
大学時代からマーケティングを専攻していたとはいえ、当初自己完結できる仕事なんて何もなくて、何をするにも誰かのサポートが必要な状態でした。
そんなとき、チームマネージャーから「自らデータを抽出・分析することができれば、自身が関わる全ての意思決定を良いものにできる」的なことを言われ、以前参加したあるイベントにて若手イケイケのマーケター(@りょーさん)がデータの重要性を語っていたときから気になっていたこともあり、「何かひとつ武器がほしい」と思っていた僕は SQL の勉強をはじめました。
SQL を習得したことで起きた変化
実際に SQL を叩けるようになって変わったこと、よかったことは下記の3点です( 2 と 3 は副産物)
1 / スピード感が生まれる
「施策を考え、実行する人」と「効果の検証や結果の分析をする人」が同一人物になるので、下記3つの理由でスピード感が生まれます。
そもそも部分的な依頼は目的を見失いやすく、かといって前提や目的を丁寧に共有してまで実施する仕事か考えると、「そこまではいいかな、、」と思えてきてしまうこともあります。
その際に、エンジニアへの依頼を諦めてしまうケースも多いと思うのですが、「ちょっと気になるけど、他人を動かすほどの確証はない」みたいな数字をみれるかどうかは意外と大事だったりするので、その仮説や違和感をクイックに、かつ確実に潰せるのは大きなアドバンテージです。
2 / 事業や仕事の全体感がわかる
仕事の真髄は「意思決定」だと思っていて、正しいデータは良い意思決定をするためにあります。つまり、データを抽出する行為は常に意思決定とセットになっているはずです。
意思決定レイヤーのメンバーがどのような思考で事業をみていて、どのような課題を感じ仮説をたて、どんな検証方法をしているのかを、当事者として体感することができます。
意思決定レイヤーのメンバーと一緒に意思決定をすることで、より自身のスキルアップにつながるはずです。
また、ダッシュボードの構築などの仕事を経験することで、事業のKPIやそのロジックの理解にも役立ちます。
3 / "自分の仕事"をつくることができる
これは新卒や若手特有の事象なので、特定の方々にしか当てはまらない前提で書きます。
施策の結果などのデータの可視化は切り出しやすいので、まだまだアマチュアレベルでも「やってみようか」という意味も込めて任せてもらいやすいです。実際に僕もはじめて丸投げされた仕事は「特定のページのPVを可視化すること」でした。
いくら小さくとも、任された仕事をこなし何かに貢献するという成功体験を積み重ねることで信頼や自信に繋がります。「仕事の報酬は仕事」なので小さな仕事の積み重ねが大きな仕事や機会を呼びます。SQL は万人が持っているスキルではない = 希少性がある、かつ できた / できない がはっきりとわかるので、マーケターとしての最初の武器にはもってこいのスキルだと思います。
スキルアップするためには
また前途した通り、仕事の真髄は「意思決定」で、正しいデータは良い意思決定をするためにあります。
つまり、データは常に主人公でなく名脇役です。
良い意思決定を支える名脇役としての役割を果たすためには、下記の3要素がポイントだと思ってます。
1 / わかりやすい"レポーティング"
データのレポーティングはビジュアルが命だったりします。見づらい資料では伝わるものも伝わらないし、最悪の場合間違って伝わってしまいます。
レポーティングを受けたメンバーが、理解にかけるエネルギーを極力少なく、バイアスなく、皆が正しく同じ解釈できるものこそ、良いレポートです。
とにかく不要なものは削ぎ落とし、あらゆる箇所を統一し、視認性を高め、全ての強調に意味を持たせるだけでかなり違います。
2 / 課題を特定する"眼"
ただ単にデータを抽出するだけでなく、「そのデータは何を意味しているのか」「何か新しい気づきを示していないか」などファインディングスを見つけられると新しい仮説の導出、ひいては課題の特定につながります。
基本的に事業成長のためのマーケターの仕事は仮説と検証を繰り返すことなので、検証側だけでなく仮説側もできるようになると、より事業成長に貢献できます。
3 / 刺さる"コミュニケーション"
データには人や事業を動かす力を持っていますが、残念ながら勝手に伝わってくれるものではありません。ただデータが羅列されているだけの資料を見ても、なかなか人も事業も動きません。
わかりやすい資料を用意しレポーティングをした上で、取るべきアクションを的確に伝えるコミュニケーションができないと、せっかくのデータを活かすことができません。
(分析ではなく、ダッシュボードづくりなどモニタリングしたい数値の可視化であればわかりやすく見えるようにするだけで十分かもしれません)
ここらへんまでできてくると、データドリブンな組織づくりにかなり貢献できますし、データが扱える人材として重宝されます。
SQLの勉強方法
大したことはしてないです。
でも SQL は大したことをしなくても習得できると思ってます。
僕は Progate を進めながら、実際に他のメンバーが書いたクエリを見てイジってみる、みたいなことを繰り返していました。
Progate も最後まできっちりやったかというとそうではなくて、8割くらいやいました。
3/5 セッションを修了していて、やりかけのものがひとつ(笑)
また、幸いにもチームマネージャーがめちゃめちゃ SQL 叩ける人だったので Progate のような練習環境だけでなく実戦の場で触りながらやることで、緊張感が生まれるのでインプットの効率が良くなった気がします。
SQL はコスパ良いです。価値が高い割には実戦で活用できるまでのコストが低いので、自身の価値を高めるかけ算スキルとしても超優良スキルです。
そして近い将来、マーケターにとってデータ抽出・分析は必須スキルになるので早いうちに習得して自身のエッジにしておくと、自身や担当プロダクトをより高いステージに連れていってくれる武器になるはずです。
世界的にエンジニアやデータサイエンティストが不足していて、どの組織にいてもこれは課題でありなかなか解決されないので、つまりデータを抽出・分析してくれるエンジニアのリソースがないシチュエーションが頻発します。
データを見ずに事業を成長させていくなんて手段はありえないので、「マーケターがやる」というのが自然な流れです。
最後に
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。ちょっとだけ告知させてください。
NewsPicks よりリリースした『JobPicks』というプロダクトを担当しています。
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