八島 游舷『天駆せよ法勝寺』

つい読み返したくなる短編小説があるものだ。
第9回創元SF短編賞を受賞したこの作品は、この一編の短編小説でAmazon Kindleより99円という衝撃価格で楽しめる。
“物理”を“佛理”としたところから惹き付けられるが、仏閣そのものが宇宙船となるという仏(ぶっ)飛んだ破天荒な世界観は、まさにテクノ法要を唸らせるが如く奇想天外。
仏の叡智は宇宙に繋がる仏教の宇宙観からしたら、この創造力を持ってきた癖の強いアプローチの異彩さは秀逸なまでにお見事。
そして私は、読み終える度に平沢進さんの「ロタティオン」が聴きたくなってしまうのだった。

平沢進『ロタティオン』


天駆せよ法勝寺-Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作
https://www.amazon.co.jp/dp/B07CSS4KH4/ref=cm_sw_r_em_apa_glt_AAR4BN7QERFZQNS1BBWM

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