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かつて野に棲んだ詩鬼の残骸をここに記すという悪い趣味です。
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2023年7月の記事一覧

詩139「囲われた生産性」

「囲われた生産性」

火もなく
非もなく
日が暮れて
煙も立たない穏やかな息苦しい人生
虫籠のような狭い喫煙所で
煙草をくゆらせながら思っていた

人生を煙に巻いて
何もないままでは訝しいじゃないか
欲しいものは天体のように眺めて
誰かとの比を見れば手漕ぎトロッコのようだ
ハンドルを上下に動かしていただけで
線路から外れることのない幸せ

それでも毎日いろんな後悔をしていた
過去の自分と向き合う旅

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