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マレーシア教育移住の暗部:いじめ問題について私が知っていること・親ができること(1)

マレーシア留学・教育移住者の増加にともない、さまざまな歓迎できない事象も起こっています。特に最近は、留学する生徒の低年齢化もあり、親としていろいろなことが気になってしまうと思います。

常夏の明るい雰囲気、眺望のいい高層コンドミニアムでの生活、自宅コンドのスイミングプールで1年中水遊び、ウォーターパークをはじめとする楽しい子ども向けアミューズメントスポット、さまざまなお祭りやイベント、美味しくて安い食事、日本人も多いからいろいろ安心! 

などのキラキラ生活についてはSNSでも頻繁に目にできますし、学校やエージェントさんも学校見学の際などに積極的に教えてくれると思いますので、
本日は「キラキラじゃない」部分について実体験と見聞きしたことをシェアしたいと思います。

「いじめ」はとてもデリケートな問題で、当事者にとってはとても辛いことです。私自身がいじめを経験したことがありますし、我が子も近い経験をしています。決定的に困ったケースも身近で見聞きしたこともあります。
本投稿で当事者の方が傷つく描写がもしあれば、訂正対応、及びあまり人目に触れないように有料化対応などをしますので、どうぞお知らせください。
これから教育移住を目指す人の不安や疑問を軽減させたいと思う意図で書いていきます。


マレーシアにいじめはあるの?


多くのマレーシアのインターナショナルスクールでは「No Bullies Policy」(いじめを許さない方針、いじめ撲滅のポリシー)を持っています。学校のポリシーとして大々的に掲げている学校もありますし、明文化されている学校もありますし、表立って言われていなくても教職員の間では必ず、その意識はあります。

と、いうことは。
逆説的に言うといじめは「ある」んです。


マレーシアではどんなことが「いじめ」とされるの?

マレーシアに限らずですが、私のインターナショナルスクールや現地校の経験でいうと、いじめの定義は(1)多数が、(2)1人に対して、(3)継続的な(4)悪口や攻撃を行うこと の4要素が要件とされていることが多いです。(1)の「多数が」については、1対1でもいじめと認められる場合はあります。


実際にどんないじめが起こっているの?


いじめの内容としては、「悪口や嫌なことを言う」、「無視や仲間外れをする」が最も多いと思います。次いで、「物を盗る・隠す・壊す」が目立つかな、と思います。

後者については、学費が高額なインターナショナルスクールなどになるとみなさんいいものを持っていますから、「物を盗る・隠す・壊す」の被害額は大きいです。
実際に体験や見聞きしたことがあるもので被害額が大きかったものは、パソコン(盗難、落とすなどして壊される)、パソコン周辺機器(盗難、高価なゲーミングマウスやキーボードのケーブルをはさみで切る)、スマホ(盗難)、高価なシューズ(盗難・隠す)、財布・現金などです。細かいものでは文房具などでしょうか。友達然として借りて返さない、などもありますね。

ストックしておいたお菓子やインスタント食品などの食べ物や細かなものがなくなることは、環境にもよりますが、寮生活などではよくあることのようです(これはいじめというより、「ふざけ」や「あるある」という感じの場合も多いようですが、受け取り方は人によりますね)。


「いじめ」をするのは誰?


日本人が複数クラスにいるような学校であれば、日本人同士のいじめがいちばん多いかなと思います。そうした学校に入学する子どもはだいたい英語があまりできない状態で入学するため、英語ができるローカルの生徒との関りはいじめられるほど深くならないためです。

いじめではないですが、グループワークやプレゼンが多いような授業スタイルの学校であれば、英語ができないことでグループの足を引っ張ることが多くて疎まれる、ということはあるかもしれません。

ですがこれは、私はまた聞きでしか知らないので、ケースとしては少ないと思います。学校の雰囲気次第、本人のキャラクター次第ですね。「できる子がエライ」ようなムードがあればそうなりがちでしょうし、「インクルーシブ」を大切にしていればそうならないはずです。

逆に私が直接知っている例では(これはカナダでの話になりますが)、転入したてで友達がいない子などがいれば、本人がそのことをひと言その場で言えさえすれば、先生がひとこと「誰か、一緒にグループ入れて~」とクラスに声をかけると、複数のグループからサッと手が挙がります。その中でいちばん早く手を挙げたところにその子は受け入れられます。
言語の問題などがあっても(もちろん本人のがんばる姿勢は大切ですが)、できる子がカバーします。


いちばん多いいじめは「言葉によるいじめ」


もっとも多いケースである言葉によるいじめは日本人同士が多いです。
「悪口や嫌なことを言う」、「無視や仲間外れをする」については、後から来た日本人留学生に対して「お前の英語は下手だ」「発音が悪い」などと言ったりする「英語がらみ」の内容があること以外は、日本とあまり変わらないと思います。

英語ができる子も何か言われることがあると思いますが(ちょっと英語ができるからって調子に乗っている、まじめちゃんか?のようなことなど)、その場合はローカルの友達や勉強熱心な子(自分と志向が合う子)と仲良くすればよいし、本人にとってもその方が心地よいようです。「いじめ」というよりは「ギクシャクしているから距離を置いている」といった程度で収まります。
心地いいことではないですけどね。


いじめの原因は?


いじめの原因は本当にいろいろだと思います。が、多いな、と思うのは、「嫉妬」「焦り」、そして「憂さ晴らし」です。

自分よりデキる子(英語の上達が速い、スポーツが上手い)に対する嫉妬、自分の友達やポジションを取られてしまうのではないかという焦燥感。
また、親による厳しい締め付けや日常の不満感などから、その憂さを晴らすように弱い立場の人にその矛先を向ける、といったところでしょう。

主に「いじめる側の心」が原因になっていますが、「いじめられる側」に原因があるかな、と思うことも稀にあります。これについては別で書きますので、ご興味のある方は「スキ」や「フォロー」で教えてくださればと思います。

身体的ないじめはあるの?


これは今まで、マレーシアでもカナダでも聞いたことがないです。日本でも私は直接の例として見聞きしたことはないですが。

身体的に傷つけられるようなことはあまり心配しなくていいと思いますし、仮に起こりうるとしても、絶対にその前になんらかの兆しがあるはずです。

また、いじめに対するスクールポリシーはどこでも厳格です。ときとして本当に退学になりますし、停学や出席停止はとても簡単になります
その分、言い逃れのできない「身体的ないじめ」はめったに起こらないと思いますし、その分、「言い逃れのできるかたちでのいじめ」になると思います。


「いじめ」に対する学校側の対応は?


日本よりも「いじめが絶対にしてはいけないこと」として認識されており、学校側はいじめを隠す・対応をしないということはまずありえません。

ただし、いじめられる側が「いじめだ」ととらえても、子ども同士の「Comflict(対立・衝突)」と見なされるケースはあります。

親としては、我が子が対人関係で嫌な思いをしていれば「いじめられている!」と受け取ってしまいがちですが、再度前出のいじめの原則を確認して、それが「いじめ」や「嫌がらせ」であるのか、成長過程の健全な「対立」「友達との関りの一貫」に近いものなのか、見極める必要があります。

マレーシアは「いじめ」が多いの?気にするべき?


いじめが多いかどうかは本当に感覚的なものなので、どちらとも言えません。環境にも左右され「マレーシアは」と語ることはできないです。極地的に多い場合も少ない場合もあるかもしれません。

私はマレーシアにいじめが日本より多いとは思いません。「いじめへの不安が原因でマレーシア留学を辞める必要」はないでしょう。
一方、「いじめがまったくない国」はないんじゃないかな、とも思います。

個人的なことをいうと、私は小中学校時代にいじめを経験しています。低学年、高学年、中学生、と「あればいじめだったな」「辛かったな」と思い起こす経験があります。日本のいじめの事例もわりと身近で複数見聞きした経験があります。そのため、我が子のいじめ問題を見る目はその分冷静であると思います。

我が子もConflictや嫌がらせは体験しましたので、そこから「いじめに発展させない」方法なども今後シェアしていきますね。

長くなりましたのでいったんこの辺で。

次回以降、

「いじめられる側」に原因がある場合についての所感

「いじめかな」「我が子が困っているかな」と思ったら親がまずすべきこと

「いじめかな」と思っても、親が絶対にすべきでないこと

「いじめ」があったら学校にどう言ったらいいか

我が子が「いじめる側」と認定されてしまったらどうするか

我が子が「いじめる側」にならないために

「いじめられた」我が子へのケアはどうすればいいか

「これっていじめ?」の状態から本格的な「いじめ」に発展させないためにすべきこと・すべきでないこと


について書いていきます。気になる方は、しおり代わりにフォローやスキをしておいてくださいね。マレーシアに限らず、日本でも他国の学校でも参考にしていただけると思います。

「これを先に書いてほしい」というものがあればぜひ、X(Twitter)シェアにコメントしてお知らせくださればうれしいです。


【画像クリックで無料試し読み】いじめ問題への対応は、親子とも心を強くすることも大切。


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