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ささかわの読書感想文
2015年3月26日 23:48
又吉直樹『火花』(文藝春秋)話題の本を読みました。ネタバレを含めて感想文を書きますので、未読の方はご注意下さい。今までもそうでしたが、今回は話題のものなのでなおさら。✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎スリル満点のエンタメ小説も好きだけれど、読みの可能性が無限にある純文学が好きだ。芥川賞受賞作に代表される純文学作品は「なぜ、ここでこの
2015年3月21日 19:15
増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上)(下)』(新潮文庫)1000頁を超える超・超・超大作を、柔道・プロレスの知識も興味もまったく無いわたしが手にとったのは「これを読み終えたなんて、凄い!」と誰かに言って欲しかったからだ。読書に筋肉はいらないけれど、本書は常に頭の中で筋トレをしているような気分だった。読み終わるまでに2週間かかった。本書は柔道家・木村政彦の評伝である。木村政
2015年3月8日 11:23
小野美由紀『傷口から人生。 メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった。』(幻冬舎文庫)タイトルだけ見ると、ダメ人間の人生再生記!みたいな、自虐ネタ的なやや明るめな印象を受ける(とくにサブタイトル)が、小野美由紀『傷口から人生。』は、自分のプライドと弱さにとことん向き合った、血肉したたる自伝的エッセイ(わたしはこういう類の本が好きらしい)である。某有名私立大出身、TOEIC950点
2015年3月1日 12:51
西加奈子『サラバ!(上)(下)』(小学館)花粉症の季節。鼻詰まりで眠りが浅く、朝5時に目が覚めた。鼻にティッシュを詰めながら『サラバ!』を一気に読み終えた。最後の方は、涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃで、言葉のひとつひとつを「感じすぎていた」。わたしはこの物語を、今、読まなければいけなかったんだと信じさせる力がこの物語にあった。西加奈子『サラバ!』は、とてつもなく壮大な自分探しの物語である。