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記事一覧
角田光代『人生ベストテン』
40歳間近だが我が人生のベストテンを考えるという自虐的な趣味がやめられない。25年代わり映えのない日々を過ごした鳩子は大きな見栄を背負い中学時代の恋人・岸田に会いに行く…。「いつもと同じ」を変えようとする女性達が登場する5編の短編集。共感ばかりの一冊。
よしもとばなな『スウィート・ヒアアフター』(幻冬舎)
自然豊かな京都の街で、アトリエを構え作品創りに没頭する恋人と支え合って生きていくはずだった…。交通事故で最愛の恋人を亡くしてしまった主人公・小夜の「喪の作業」の物語。無理はしない、でも逃げない。命の強さと喜びを噛み締めた一冊。
犬山紙子『地雷手帖』(文春文庫)
顔は可愛いのに、なぜか異性に好感を持たれない…自称「負け美女」の著者が女性の言動・ファッション・SNS等々を研究し尽くした一冊。本書を読めば好感を持たれない原因=「地雷」を避けてモテ女子になれるかも?!著者の鋭い指摘に抉られつつも勉強になる一冊。
能町みね子『オカマだけどOLやってます。完全版』
表題通りのエッセイ。苦悩の学生時代や親へのカミングアウトを経てバレる恐怖に追われつつ女性として働く著者のOL生活が語られる。ユーモアを交えつつも著者の苦悩が垣間見える。無自覚に他人を傷つける人にならないように気をつけようと思った。
西加奈子『炎上する君』
「足が炎上している男」に惹かれる私と親友の浜中。男に出会った直後に二人の足も炎上していき…。恋に燃える様子を「炎上」と表現した表題作ほか7編の短編集。
横光利一の短編のような不思議な感覚を味わえる読みの可能性に溢れた一冊。表題作と「ある風船の落下」が好き。
浅田次郎『終わらざる夏』
浅田次郎『終わらざる夏(上)(中)(下)』(集英社文庫)
一年ほど前にnoteで紹介したいわた書店
(https://note.mu/mrn_123_mrn/n/nac918ea47122)
の素敵なサービス「一万円選書」が先週届いた。
今年のお正月に申し込み(約7ヶ月待ち…!)、やっと届いた11冊!どれを読もうかな〜とうきうきしながら背表紙のあらすじを流し読み、浅田次郎『終わらざる夏』を手に