『死霊魂』/ワン・ビン(2018) 驚愕の一作であった。 8時間15分という長さと、「反右派闘争」から巻き起こる理不尽というしかない強制収用・強制労働、飢餓による大量死…
『かづゑ的』/熊谷博子(2023) ハンセン病(らい病)者の宮崎かづゑさんのドキュメンタリー。 ここには何が映っていたのか。 自分をすべて見せなければならないという…
『トア』/サッシャ・ギトリ(1949) おそろしいほどの企みに満ちた傑作。 現実世界での空間、というか一つの室内が丸ごと劇場の舞台にコピーされて、演劇として上演され…
『映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)』/今井一暁(2024) 音楽にあふれていた王国が、ある日現れた「ノイズ」によって滅ぼされてしまう。その失われた…
Kentaro Mori
2024年5月13日 17:25
『死霊魂』/ワン・ビン(2018)驚愕の一作であった。8時間15分という長さと、「反右派闘争」から巻き起こる理不尽というしかない強制収用・強制労働、飢餓による大量死・・・という内容からビビって見逃していたが、杞憂でありまったく退屈せずに観終え、打ち震えた。最終的には120人ほどの生存者にインタビューをおこなったようだが、生存者ひとりひとりの語りの分厚さ。ひとつひとつのエピソードが「面白く
2024年3月6日 12:25
『かづゑ的』/熊谷博子(2023)ハンセン病(らい病)者の宮崎かづゑさんのドキュメンタリー。ここには何が映っていたのか。 自分をすべて見せなければならないという切迫した覚悟だ。ぜんぶそのまままるっとさらけ出した生き様だ。 生き様とは何か。それは、今は視力も弱くなりPCでの執筆は難しいため、レコーダーに声を吹き込んで「執筆」している、その声を吹き込む様のことだ。それは、著書にサインを
2024年3月5日 10:50
『トア』/サッシャ・ギトリ(1949)おそろしいほどの企みに満ちた傑作。現実世界での空間、というか一つの室内が丸ごと劇場の舞台にコピーされて、演劇として上演される。(偶然にも部屋の大きさと舞台の大きさは完全に一致している!)開演前にギトリが観客に「脅迫状が届いた」という話をすると、観客席から元恋人が舞台のギトリに話しかけ、かけあいが始まる。舞台の出演者もそのまま本人たちで、セリフも現実に
2024年3月4日 11:37
『映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)』/今井一暁(2024)音楽にあふれていた王国が、ある日現れた「ノイズ」によって滅ぼされてしまう。その失われた王国を救うためにドラえもんたちが「ノイズ」を倒し、再び王国に音楽を取り戻させるーーー物語としてはこのようなものであり、どうしても「正義」と「悪」にわけられてしまい、この映画の場合は「ノイズ」が悪であるという構図には観ている間不満をも