ショートショート#3 回想列車
エス氏が目を覚ますとき、ちょうど列車の扉が閉まる音がした。
「ああ、またやってしまった・・・どうやら寝過ごしてしまったようだ。」
ここ最近、残業続きで寝不足であったエス氏は、
最終列車の中で気を失うかのようにぐっすりと寝てしまっていた。
「最終列車だったというのに参ったな。一体今ここはどこなのだろう。」
列車の窓の外を見ると、そこは終着駅であった。
しかしドアが閉まるやいなや、ゆっくりと列車は走り始めている。
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