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デザイナー27年で乗り越えた3つの大きな壁

デザイン業界で過ごす中で見えた壁
その乗り越え方と将来への展望

私がデザイナーをやってきて、コレは大きな壁だと感じたポイントは3つあります。

1つ目は調子に乗って勘違いした独立直後
2つ目は仕事が安定的に成った上京直前
3つ目はスタートアップに役員入社した直後

1つ目は単純に自信過剰で実績と実力に見合っていない自尊心が勝手に壁のある環境を作り出したわけですが、それでもそのことに自力で気が付くのって意外と難しいものでした、なんせ自信満々でフリーランスに成ったけど何で仕事がないんだ?コレはコネ社会だからか!相手の見る目が無いんじゃないか?一度でもチャンスくれたら絶対実力を証明できるのに!なんて考えて、どこまで行っても自分の判断ミスだったなんて思いもしません。

勿論多くの人に諭され、営業した先でも似たようなことを言われ、結局思うほどの仕事がないという現実から気が付かざるを得ないのですが、コレは自己否定ではなく状況分析であるということを忘れてはいけません。

自分は駄目なんじゃないかと落ち込む方向に思考が行きがちですが、そんなことより何が足りなくて駄目なのか逆に出来てる部分は何なのか?考えに考えて、それまでに言われた、耳をふさぎがちになっていた言葉を丁寧に思い返してみましょう。きっとその中に壁を乗り越えるヒントがあります。

私の場合は営業力と社交力、今で言うコミュ力が足りなかったのは大きな要因でした。
売りたいものを売りつけてもそうそう買ってくれる人はいません。相手の立場になって欲しいものを売る、商売の鉄則を知りました。

2つ目は状況のキッカケとなった自分の作品をゆっくり見返した時です。コレは正確に言うともうすでに壁が有ったのにそのときまで存在に気がついていないだけだったのですけどね。

壁と言われるものの中で一番多くて顕著な存在、成長の壁ですがそれはもう彫り抜くなりよじ登るなり体を動かすしか無いと思いました。人によっては時間をかけて基礎を見直したり本を買ったり人に学びを得たりするのでしょうけれど、私が選んが方法は「一旦全部の環境を捨てる」と言う完全なる劇薬でした。自分で言うのもなんですがよっぽどメンタル強いかアホでないとこの方法はおすすめしません。

今時はコミュニティーに入ったり転職したり、SNSなどで学べそうな人を見つけて、仲良くなって指導してもらったり色々有る気がしますが、私は転職を勧めます。学びながら給料もらえる環境って最高じゃないですか?

3つ目は芸能関係に関わるスタートアップに入ったときですが、制作のノウハウしか無いのに組織を作ってそれを回すというのは未知の体験でした。管理職の経験はそれなりにあったので出来上がってしまえばなんとか成ると思いましたが、出来上がるまでがどれほど大変かは想像以上でした。人に寄り添い人と共に有ると言う意識、知らない所にでも躊躇なく飛び込んでいく勇気、わからないことは誰にでも頭を下げてでも聞きに行く謙虚さ、とにかく今までやってきたことのすべてをレベルアップしないと間に合わない。知識も経験も圧倒的に足りなくて、それでもそれを部下には見せず一切不安も感じさせない・・・そんな努力が2年位続きましたが、コレは他に方法が無いものかと今考えても悩ましいですね。情熱と体力でなんとか乗り越えるって方法論は、今の時代にそぐわない気がしていますけど、私はそれしか思い付きません。

そんなこんなでそれどれの経験年数キャリアステップの段階ごとに適切な壁を乗り越えてきたかな?と思います。
破天荒に生きている割に正しい苦労をしてきたと言うか、順序通りの経験値を詰んできた感覚です。

そんな私の将来のビジョンは「フリーランスの労働組合」を作ることです。今まであまり公には言っていませんが、20年位を目標に実現を考えています。今私がしている活動や色々なことが全てその目標に向くよう、最近再設計し終えたところです。なので絶対にコレは出来ることだと確信しているし、そのための原動力が今までの人生の全てなので折れることはないと思います。

今までも沢山のデザイナーやクリエーターたちと知り合い語り合い、仕事も遊びの時間も共有してきましたが、日々一つの思いが大きくなっていると気がついたんです。

それは若くて才能のあるクリエーターが、実績や知識がない、地方に住んで居るからなどそんな理由で料金を買い叩かれている現状、そして低価格でも当たり前にまかり通ってしまうクライアントの要望が有る限り、日本のクリエイティブ業界は今以上の発展をしないだろうと、そしてクールジャパンを筆頭として海外市場に出していけるほどのコンテンツ制作は近い将来枯渇するだろうと言う思いでした。

私はこの業界と仕事をこのままにしておきたくはない、すべての人が良かったと思える仕事の循環をつくり、そのために出来ることを目指していく、その答えが労働組合の発足だと考えています。

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