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✓黒牢城

▽あらすじ
本能寺の変より四年前、天正の六年の冬
織田信長に叛旗を翻して
有岡城に立て籠もった荒木村重は、
城内で起きる難事件に翻弄される。
動揺する人心を落ち着かせるため、
村重は、土牢の囚人にして、
織田方の軍師・黒田官兵衛に
謎を解くように求めた。
事件に裏には何が潜むのか。
戦と推理の果てに村重は、
官兵衛は何を企む。

▽感想
時代小説×ミステリといった感じ。
あらすじにもあるけれど、
戦と推理っていうワードがかっこいい。

人名と地名が読みにくくて
読むペースが一進一退してた。
侍言葉というのか、あの独特の言い方
そのあとに続く文章がしっかりと
分かりやすく書いてあるので、
意味はしっかり理解できると思う。

武士の主に従える忠義を見せつけられた。
ミステリ要素はよくできているなと思った。
今とは違う時代なので
環境も物も違うだろうに
昔の時代にミステリを用いていて
すごく面白く書かれている。

主の素質があっても、
戦に勝たなければ何にも意味がない。
城は、人がいるだけではもたない。
ひとたび主に疑心が募ると、
それは火のように広がり
城を支えている柱を燃やし
やがて城をも飲み込む。
今の時代にはない主の苦労を見た気がする。

村重の当主ならではの悩みが
読んでいる身としても辛かったな。

黒牢城/米澤穂信/角川書店

↳試し読みもありますので、ぜひ

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