✓バニラなバカンス／賀十つばさ

▽あらすじ
悩みを抱える人のためのちょっと変わった
お菓子教室を始めた洋菓子店の白井とマダム佐渡谷。
ところが、誰よりも元気だったマダムが意気消沈。
大好きなお菓子も食べず落ち込む彼女を励ますために、
白井は「忘れるためのバスクチーズケーキ」を作るが。

▽印象に残った文章

「のっける苺はあるけど
のっける自信はない、か。」

「大切なものに注いでいた力が、必ずその人を助けてくれる。
だけど、その井戸からちょっと離れてみた方がいいときもある。

音楽が「聴覚」を通して感性を刺激し、
心を動かすことをしているのなら、
「味覚」でだって、できそうだ。

▽感想
「バニラな毎日」がシリーズ１作目だったらしく
２作目から読んでしまったが、
特に問題なく楽しんで読むことができた。

おいしいお菓子で誰かを励ます。
誰かを元気にしたり、はげましたりするのって
変顔したり、わきをくすぐればいいだけではない。
大丈夫だよ。味方だよ。傍にいるよ。
そんなことを話して行動で示してあげなくちゃいけない。

そして、そのうちの一つに
お菓子を作って励ますがはいるのなら、
その人の好きなもの、思い出が甦ってダメなもの、
その人を想って作ってあげる。

お菓子は、作るのは大変かもしれないけど、
気を遣う言葉をよりも少しだけ手軽な気がする。

甘いものは誰だって笑顔にしてくれる。
そんなことを考えさせてくれた。

✓バニラなバカンス／賀十つばさ／幻冬舎文庫

バニラなバカンス (幻冬舎文庫 か 56-2)

↳サンプルもありますので、ぜひ