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✓喜べ、幸いなる魂よ

▽あらすじ
18世紀ベルギー、フランドル地方の小都市シント・ヨリス。
ヤネケとヤンは亜麻を扱う商家で一緒に育てられた。
ヤネケはヤンの子供を産み落とすと
生涯単身を選んだ半聖半俗の女たちが住まう
「ベギン会」に移り住む。
彼女は、数学、経済学、生物学など
独自の研究に取り組み、ヤンの名で著作を発表し始める。
ヤンはヤネケと家庭を築くことを願い続けるが、
自立して暮らす彼女には手が届かない。
やがて小都市にもフランス革命の余波が及ぼうとしていた。
女性であることの不自由をものともせず生きるヤネケと。
変わりゆく時代を懸命の泳ぎ渡ろうとするヤン
二人の大きな愛の物語


▽感想
あらすじだけでは、読み進めるのに少し勇気がいりそうな本。
だけど読み始めればスラスラと読めた
社会情勢や女性が男性と対等に扱われていないこの時代で
ヤネケが本当に聡明で賢明で逞しい
むしろ彼女は人に恋などするのかとさえ思う

ヤンはヤンでヤネケ以外と結婚し子をつくる
ヤネケに執着しているようなしていないような
ここまで逞しいと執着もできないよなあと
ヤネケに同情してしまうほど笑

ヤネケとヤンだけではなく二人を取り巻く、家族、街
すべての人たちの人生が事細かに描かれている。

最後の二人きりの描写の時に
この二人の人生をここまで読めてよかったと
思わせてくれる描写でした

喜べ、幸いなる魂よ/佐藤亜紀/角川書店

↳試し読みがありますので、ぜひ

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