《10》190113:佐議長
快晴
ダンブクロ作りに参加したのもあり、物凄く楽しみにしていた。
佐議長。他の地域ではどんと焼き。沖島では訛ってサンチョーと呼ぶらしい。
私の地域も佐議長という呼び名だからどこもそうだと思ってたけど地域性があるのだろうか。
今回は陶芸家のおにいさんと、湖魚祭りにもきてくれた後輩が同行してくれた。
漁港に到着すると、広場にかなり大きい竹のタワーが見える。
スケールが想像の5倍以上だった。
めちゃくちゃでかい。
ひとまずコミュニティセンターに行き完成しただん袋を渡す。
袋に籾殻や半紙を詰め、最後の飾りをつけて1 つのダンブクロを仕上げる。
出来上がった段袋を既に吉書の飾りがつけられた笹に括る。
これは後から奥津島神社へ持っていき、御祓に使われるそうだ。
時間があったので広場の方に行ってみる。
竹のタワーを見にいくと、それは竹で枠を組まれたものに藁と門松やしめ縄などを積み上げた山だった。
足場を見つけ人がよじ登り、飾りのついた笹をさしてていく。
何ヶ月か前から対岸に取りに行き乾燥させたりして準備するらしい。
それらを前日に組む一番高いところで5〜6 メートルはあるだろうか。
クリスマスツリーみたいだが、何せ規模がすごい。
竹のタワーは二つあって、一つは子供用だそうだ。
午後からお祭りが始まった。
奥津島神社で厄払い的な儀式が行われる。
何か呪文のような歌のようなことを言いながら境内をクルクル回って、御祓をしてもらった後お酒をかけてもらう。
飾りの笹がかぜに揺られていてとても綺麗だった。
笹を持ってみんなで竹のタワーのある広場へ向かう。
儀式で使った笹を挿し、これらは全て燃やされる。
ただ火種から火を移すわけではなく、まず焚火から藁に火をつけて男性が持って走ってタワーにぶつかり火を移そうとする。
それを他の男性島民が全力で邪魔をして火をつけさせまいと襲いかかる。
(文字通り、襲いかかっていた。ヤンキーの喧嘩みたいな勢い。)
その邪魔を振り切って火を付ける。これが伝統らしい。
古の男気ゲームみたいな風習だなと正直思った。
本来は16 歳の青年がやる元服の儀式らしい。
今では島に成人を迎える男性がほとんど居ないため41 歳の厄年の男性が火付け役を担う。
割とすぐに火がついた。焼けていくのを見る。
バチバチと竹が爆ぜる爆発音がする。
火は怖いけど、炎と空の青さのコントラストが美しかった。
波もそうだけど自然の作る形はいつまでもぼうっと見ていられる。
あんなに大きかった山はあっという間に炭になっていく。
最後中心の竹が倒れる方向で今年の吉向が決まるらしい。
が、大体藁を投げてダイブするところは毎年変わらないので、大体最後も同じ方向に倒れるとのこと。結構適当で面白い。
火柱が落ち着くと島民はどこからともなくお餅やサツマイモを持ってきて焼き始めた。それに興味のない人たちは隣の広場でゲートボールを始める。
お母様方は暖を取りながら会話に花を咲かせる。和やかな空気。
焼き芋を一かけもらって食べる。当たり前においしい。
島は全体的に年明けのお祭りムードである。
かなり有名なお祭りなのか島外からの観光客もそれなりにいた。
中でもカメラを持ったご老人たちがすごく気になった。
写真映えするしいい絵を撮りたいのはわかるけど、大きな声でカメラの話で盛り上がったり、見せ場になると我先にと道を塞いだり、ちょっとなあと思った。
というのを島民の人にぼやいたら、島民も感じているらしい。
観光、見せ物ということになってくると迷惑な行動をする人は出てくるものだなー。
久しぶりにねこと戯れる。足が白いねこが物凄く人懐っこい。
この間は子猫だったが見ないうちにかなり大きくなった。
目つきよ。
うっかり連れて帰りたくなるほどの可愛さ。
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前の週つくったダンブクロが無事に完成し自分で飾り、
燃やされていくのを見れたのは嬉しかった。
笹だからか何だかお正月感はあまりないけど。
風で揺れる感じもすごく可愛い。
他の地域でこれ作るところあるのかな。
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