《8》181227,28:年末
27 日はれ 28 日ゆき
年末の沖島をどうしても見たくて来た。
沖島は毎年積もるくらいの雪が降るらしい。
予報はゆき。どうしても雪の映像が撮りたかったので絶対に降りますようにと願いながら向かう。
今回は夏祭りの日にも参加してくれた学部時代の友人、美名子がきてくれた。
学部の頃よくこの3 人で旅行をしていたからか、このメンバーでレンタカーに乗るとワクワクしてくる。なんだかすっかり旅行気分で沖島へ。
明日はかなり寒いそうだ。今日はかなり風が強い。
でもせっかくなので借りてきたドローンを飛ばしてみる。
道路が狭すぎるので広場でまず練習。
港の近くは平らなところがほとんどなくてめちゃくちゃ怖い。
木も多い。
そしてとにかく今日は風が強い。
めちゃくちゃビビりながら撮る。
ちょっととれたところで、琵琶湖にドローンを落としたり、木にぶつけて木とドローンと私と先生の関係の全てを壊してしまうのが怖くてすぐにやめた。
ドローン、本当に難しい。
勉強がてらYouTube で見たような、「旅行先美しい景色ぐるっとドローン映像」みたいなのはきっと私には一生撮れないと悟った。
夏に来てくれた時はあまり回る時間がなかったので、美名子に島をぐるっと案内しつつ冬の景色を撮っていく。
高木のところに昨日宿泊していったお客さんがもう一泊したいといっているのだけど大丈夫かという連絡が来ていた。
泊めてもらっている立場上何も言えないが、どんな人たちなのか全く情報がない中で了承するしかないじゃんとちょっとモヤっとした。
が、まあそんなこと言っていてもしょうがないので、早めに夕食を済ませることにした。
暗くなった沖島をふらりとお散歩する。
外はばかみたいに寒い。
路地が多いため、風が抜ける。
県立大学の建築の子達が休憩所を作っている広場に、ちょっとしたイルミネーションがあった。
部屋に戻りのんびりしていると、延泊のお客さんが2 人みずきちゃんと共に買い物袋を下げて帰ってきた。
鍋の食材を買ってきたから一緒に食べないかと誘ってもらった。
食欲モンスター高木が即答。
みんなで鍋を作って食べることになった。
あれ?私たちさっきご飯食べたよね?
話を聞くと2 人は従兄弟でお姉さんはコミュニティナース、弟は島根県の高校でスーパー高校生をしているらしかった。
その高校生と話していて印象的だったのは「過疎地域がどうやって終わっていくのかが興味がある」と言っていたこと。
大人びた不思議な雰囲気の子だった。
ちなみに鍋はほとんどその高校生の子が作ってくれた。
めちゃくちゃ美味しかった。
***
28 日、寒くて目が覚める。朝起きると雪だった。
まだ風は強くて、横殴りの雪という感じ。外に出たら寒いというより痛い。
美名子は近江八幡の観光に行きたいということで、一旦解散。
私たちは雪景色の撮影とお餅つきの取材。
二箇所見せてもらえることになった。
時間までカメラを持ってウロウロ。
だんだんと陽が登ってきて雪が溶け始める。
キラキラした湖面や植物。
島内は物凄く静かだ。
お餅つきを見た瞬間にとてつもない年末感を感じた。
お餅を丸めて形にして並べていくのをひたすら見たいるだけなのだけど、
窓ごしの暖かい光を受けて輝くおもちは美しかった。
しばらくしているとまた雪が強く降ってきた。
ドローンでも収めたかったので急いで撮影道具を撮りにいく。死ぬほど寒い。
死ぬわと思った。完全防備で行ったのに、一瞬で足の感覚が奪われた。
ただ、雪の沖島は恐ろしく綺麗だった。
音が奪われたような静けさと、白とグレーの対岸の山。カモだけが泳ぐ湖。
死にそうに寒かったけどテンションは高くて狂ったように写真や動画を撮った。
雪が止んできて今なら車を動かしても大丈夫そうだということで少し早いが島を出ることにした。
本当に無事に雪景色が撮れたのが嬉しい。
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語ることは何もないので雪の日の沖島をただ見てください。
一つ言うなら、つきたてのおもちは美味しすぎた。
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