時飛ばし!
嫌なイベントや嫌なことってなるべく避けたいけど、全部は避けきれない。
特にそのイベントが確定していると、その日が近づけば近づくほど嫌な気持ちになっていく。
小学生の頃、嫌なイベントはたくさんあった。
所属していたサッカーチームでよくあった人数合わせで呼ばれる上級生の試合。
同級生との試合は楽しかったので嫌だと思うことはなかったが、先輩たちの試合は気を使うしめちゃくちゃ怒られたりするのがなんとも嫌でいつも早く終わってくれと思っていた。
それ以外でも僕は空手を習っていたのだが、空手の試合は本当に嫌だった。特に組手の試合。帯の色と学年である程度分けられていたが、それでも明らかに体格差が違う相手と戦わなければいけないことが多かったからだ。小学生の僕は割と小柄な方だったので、それが本当に嫌だった。早く終わってくれと思っていた。
こういったイベントの前夜、当日の朝が1番ブルーな気持ちになる。そうは言っても、刻一刻とそのイベントは近づいてくる。こんな気持ちで居続けるのも嫌だったので、小学生の僕は解決策を生み出した。
それはそのイベントが終わった自分を思い浮かべること。何時間後の自分は今頃こんなことしているんだろうなって具体的に思い浮かべていた。
今乗っているバスの帰りの映像をイメージしたり、玄関で家に帰ってきた映像をイメージしたりと、とにかく終わった後の映像を頭に流していた。イベントの結果についてはまったくイメージすることはなかった。早く終わって欲しいという思いを頭の中で体現させていた。イベント後の自分を想像していた。
なんでこんなことをするようになったんだろうかと思うが、よっぽど嫌だったんだろうな。
そんなことをしていた自分を思い出したってことは最近嫌なことばかりなのかななんて思いながら、今日も玄関で帰宅した自分をイメージしてから家を出た。
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