見出し画像

監督から役者まで"マルチ女優"辻凪子さんって何者!?vol2

映画チア部(ほの)です。「ジャムの月世界活弁旅行」元町映画館での開催まで毎日投稿、辻凪子特集第二弾でございます!!

vol1では、辻さんが学生時代に初めて監督・主演した『ゆれてますけど』Youtube劇場辻凪子について特集をしました。
まだ読んでない方は、ぜひこちらへ!


vol2では、活弁との出会いから活弁のこれからまで、辻さんが活弁に対してどういう思いを抱いているのかをお届けしていきます。

画像5


活弁との出会い

今回のイベント「ジャムの月世界活弁旅行」では、辻さんはジョルジュ・メリエス監督『月世界旅行』、阪元裕吾・辻凪子監督(さらに主演も!)『ぱん。』の活弁に挑戦しています。

画像2


まっぴぃ:活弁を知ったきっかけは何でしたか。

辻さん:CO2っていう大阪市の助成金と連携して映画制作を助成するところがあって(現在、助成金との連携は終了)、その企画で俳優特待生になって、大阪の中崎町にあるプラネットプラスワンっていう小さな映画館に映画を毎週学びに行ってたんですよ。その時そこに活弁をしに来たのが大森さんやって、そこで初めて活弁を見させてもらいました。

まっぴぃ:その時、どう思いましたか。

辻さん:初めてディズニーランドに行った感覚。何じゃこれっていう。見たこともない世界がそこに広がってる感じ。生演奏やし、生のセリフで物語が進んでいくし。

100年前の映画をチャップリンしか見たことがなくて、ジョルジュ・メリエスやったんかな。マジックものやったんで、めちゃくちゃ面白くて、今の映画より面白いやんって思ってしまったんですよね。普通に感動しました。

まっぴぃ:好きな活弁映画はありますか。

辻さん:好きなのは、バスターキートンが好きですね。チャップリンも面白いけど…。でも、バスターキートンの方が分かりやすくて、実験的なのかな。体を張ってるのが、無表情やのにこんなに面白くできるんやって思うし。

でも『月世界旅行』も好きですね。やっぱりやってても楽しいし、見てても楽しいし、こんな映画作りたいなって単純に思いました。でも、ジョルジュ・メリエスは、マジシャンなのでマジックショーとしても楽しめるのが面白いですね。


活弁映画製作に至るまで

画像3

まっぴぃ:活弁と出会ってから、なぜ活弁に携わろうと決断したんですか。

辻さん:大学中は、映画を仲間たちと作れてたんですけど、卒業してからお金がなくて全く作れなくなってしまって、人件費もかかってしまうので。Mr.ビーンに憧れてコメディエンヌになりたくて、全然お金をかけずにiPhoneだけでショートムービーを作ってたんですよ。

それをいつか映画化したいと自分の中で思ってた時、プロデューサーの方から活弁の新作映画を作らないかって電話がかかってきて。活弁映画!あの時見た活弁映画!ってなって。去年の夏頃ですかね。

今まで舞台もやってきたし、芝居もやってきたし、映画もやってきたし、自分で映画も作ってきたし。自分のオリジナルな表現がやっとできる、自分にしかない誰もやってないことができるなってそこで思いました。

まっぴぃ:あまり知られていない映画ジャンルじゃないですか。そこで躊躇とかはなかったですか。

辻さん:何も思わず、めっちゃ面白いと思いましたよ。ぜひやりたいなってすぐ思いましたね。


活動弁士として

画像6

ほの:今回『月世界旅行』と『ぱん。』の活弁をやられると思うんですけど、その練習の中で苦労したことなどありますか。

辻さん:まず最初にやるってなって一回やり始めたんですけど、難しすぎて

ほの:台詞とかって自分で考えていらっしゃるんですか?

辻さん:今回は大森さんに作ってもらった脚本です。『月世界旅行』は元々大森さんがやってたやつをアレンジして、ネタとかをちょっとずつ変えてます。今回やるやつは、自分で書いてみようと思って。『ぱん。』は大森さんが書いてくださったやつをやってます。

キートンとかやと二人しか出てこなくて、誰が喋ってるかわかるんですけど、『月世界旅行』は画面に数十人いて、誰が喋ってるのかがわからなくて、一回大森さんのお手本を見てから、やらせてもらいました。

女と男やったら変えやすいんですけど、何人もおじさんがいるので、声色を変えるのが難しかったです。でも、大森さんすごいんですよ。それができるんです。おじいちゃんもやるし、おばあちゃんもやるし、赤ちゃんもできるし、それを真似するのが難しかったです。

あと一応台本を見ながらやるんですけど、展開が早いから今どこかっていうのが分からなくなります。こないだの公演(京都みなみ会館)で、今どこや!ってなりました。

ほの:10分くらいの映画じゃないですか。ノンストップでずっと喋ってるんですか?

辻さん:ずっと喋ってますね。でも、面白すぎて、口が勝手に喋っていくみたいな。

ほの:台本見なくても行けちゃうみたいな?

辻さん:いや、それは見ますけど(笑)アマチュアなんで。お客さんの方見てないから、画面と私、スクリーンと私で楽しんでる感じですね。ピアノも盛り上げてくれるし。楽しんでやってました。でも、めっちゃ難しかったです。『ぱん。』は元々自分が演じてたんで、全然やりやすかったですけど。

ほの:『ぱん。』は音声のある本編と活弁の喋る内容っていうのは一緒ですか。

辻さん:違います。大森さんが台詞書いてくださって。内容はあってますけど、違いますね。


活弁と作風

画像7

まっぴぃ:製作された映画、台詞が少ないものが多いなという印象で、台詞を少なくしてる意図とか、活弁との関係は何かあったりするんですか?

辻さん:もともと台詞を書けないっていうのがあるけど…(笑)小さい頃からMr.ビーンとかチャップリンが好きで、コメディアンって動きで笑わせるっていうのが私的に印象的で、私の得意分野も動きと顔でユーモアを出すっていうのがあって。

作風は本当にサイレント映画に近いのが多いんかなって。全然意識はしてないけど、作りたいものがそっちなのかなって思うし。でも、最近言葉の大切さに気づいてきて(笑)ちゃんと言葉でも伝えていかなあかんなっていうのは、自分の課題でもあります。

まっぴぃ:でも、言葉がない分想像も膨らむし、とても楽しませてもらいました。

辻さん:世界共通なのがいいなって思いました。動きで笑わせるし、物語も伝えられるし。活弁と出会えてよかったですね。


これからの活弁

画像6

ほの:どういった人たちに活弁を見て欲しいですか?

辻さん:これといったあれはないんですけど、幅広く見てもらいたいですね。赤ちゃんからおばあちゃんまで、活弁を見たことない人に見てもらいたいです。絶対見たら全員が楽しんで帰ってくれるのが活弁なので、それを知ってもらいたい気持ちですね。


まっぴぃ:今年コロナが流行って、映画館もずいぶん変わったと思うんですけど、この状況の中で女優さんとして、監督として、一人の若者として、活弁をどうアピールしていきたいですか?

辻さん:活弁は、映画館に来て、生でしか楽しめないものなので、やっぱりこの世界が早く平和になったら、思う存分活弁映画を楽しんでもらいたいですね。早く平和になって欲しい。ソーシャルディスタンスとかも活弁映画は厳しいので。大声で笑って欲しい。

コロナウイルスに消えてもらうしかない…。『ピザの惑星危機一髪』でも、ウイルスブラザーズっていう敵が出てくるんですよ。生でしか味わえないのが活弁映画なので、完成を楽しみにしててください。



女優、監督だけでなく活動弁士として活躍の場を広げ、常に挑戦していく辻凪子さん。活弁に対する熱い思いもお聞きすることができました。


「ジャムの月世界活弁旅行」現在予約受付中です。このご時世、ディズニーランドに行くのはちょっと...という方、ぜひ活弁へいらしてください!
残席わずかとなっております。ご予約はお早めに!
(11月14日15時50分~、元町映画館にて) 


また『I AM JAMピザの惑星危機一髪』のクラウドファンディングも行っております。3000円から応援できますので、ぜひよろしくお願いします!


〜作品紹介〜

『ぱん。』
阪元裕吾/辻凪子 監督

<あらすじ>
この物語は主演の辻凪子がパン屋をクビになったことで生まれた 実話に基づくブラックコメディである。パン屋の朝は早い。早朝 アルバイトの小麦は寝坊をし遅れてバイトに向かう。パン屋で働 いているのは意地の悪い店長とその妻、アルバイトのインド人留 学生とパートのおばちゃん。小麦はある一つの扉を開いてしま う。その扉の向こうには…。そこから始まる小麦による復讐劇。 パンで世界を救うお話。(filmarksより引用)

画像6


執筆協力:まっぴぃ(映画チア部神戸本部)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?