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社会人10年で5回も転職した話#3 ~好きなことが仕事は幸せ?①~

「閃光ライオット」という10代限定のバンドコンテストがあります。
ここから、輩出されたアーティストには、Galileo Galilei、SHE’S、GLIM SPANKY、OKAMOTO’S、緑黄色社会・・・など今でも大活躍している方がたくさんいます。
今回9年ぶりに開催され、彼らが出演していた頃にリアルタイムでみていた私には
「おお・・・これは夢のあるイベントだし、懐かしい・・・」という気持ちでいっぱいになりました。
今年はどんなアーティストが出るのか、今からとても楽しみですね!

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今日はいよいよ3社目:音楽ライターの仕事に触れていきたいと思います。
転職のきっかけは前回の記事、「転職こぼれ話」を読んでいただければ良いのですが、この会社に入って何がよかったのかと申しますと、ひとまず音楽ライターという職業がかっこいい、ゲスト枠でのライブ参戦、アーティストとのインタビューも兼ねて直接話せる機会でしょうか。
これだけ聞くととても華やかですが、蓋を開けるとレッ○ブルは常時会社に置いてあるし、社員の目の下はクマだらけだし、会社がそこまで大きくなかったので
圧迫感と、人の密集度が高く少々息苦しく?感じる時もありました。
全ての会社がそうではないと思いますが、ライター・編集業って今でこそ、リモートワークが可能で好きなところで仕事ができるような雰囲気になりましたけど
この時はまだ出社して、顔を突き合わせて仕事をするが主流なんですよね。
今だったら、もう少し楽しくできたかもしれない・・・とも思います。
さてひとまずどんな仕事をしたのか、ご紹介しますね。

■基本の仕事
1)ニュースリリース
ライブに行ったことがある人は想像できると思いますが、ツアーファイナルや何かの周年イベントを行った後に「今日はお知らせがあります!」とアーティストの方が言うことが多くあるかもしれませんが、その情報をこの界隈の人たちは大体4時間くらい前から知っていて、指定時刻(例えばライブが終わる20時、21時)にタイミングよくリリースする、と言う仕事です。
これはライターではなく、編集業務ですよね。
この仕事、メインごとといえばそうなのに、その後の先輩のチェックが私はすごい苦手で、自分が思ったより細かくないことを自覚させられた仕事でもありました。

このニュースリリースには休みがありません。
よく思い出してみて欲しいのですが、土日にライブやフェスは比較的多く開催されていますよね。
年末年始や、お盆、クリスマスだって関係ありません。
当番制で自宅で作業し、その間はいつ来るか分からないのでずっと待機です。
平日は日によってはあまりない時と、ある時の差はもちろん出るのですが、
土日や、GWなどの大型連休の前の平日には、できる限りストックを作っておき記事の公開時間を予約して、休日の仕事の負担を減らすというミッションがあるため、とても大変でした。
好きなアーティストの新しい情報を一足早く知れることはかなり優越感ですが、その優越感を上回る業務負荷量なのです。

ここで一番気をつけなければいけないのが「解禁時間」。
これをミスると、自社サイトの信頼性は当たり前ですが、その情報を提供してくれている事務所やレコード会社から大目玉をくらいます。
それこそまだ走り出しているバンドや、事務所そのものが大きくないところにはそこまで支障はないですが、大手事務所や、中堅のアーティストだとえらいことになります。
私はこのミスをしたことはないのですが、このミスでかなり面倒なことが発生した事件があったのでそれはまた次回お話しします。(ある意味、辞めよ・・・と思ったきっかけにもつながります)

2)インタビュー同行
これは、勉強のためと言ったような形でしょうか。
大きな会社であれば、専属のライター(つまり社員)がいて、そのかたが担当することも多いですが、中堅以上のアーティストの場合は、それまでの付き合いなども加味してフリーランスだけど、ライター歴が長い方にお願いすることがかなり多いです。
コーディネートは営業が行い、プロのライターを連れていき、時間と都合が合えば私のような編集者員がついていく時もあります。
これはのちに、「校正」と言う仕事をすると言う側面もありますが、どちらかというと経験のためと言ったところです。
それこそまだ大々的に売り出していないバンドであれば、親しみも込めて私たちがインタビュ~編集~校正~記事化までワンオペで承ることも結構あります。

何度か連れて行ってもらいましたが、プロのライターの話の引き出し方には圧倒されますし、長年の付き合いから、和やかで時々柔らかい話し方になるところも含め、その仕事ぶりを見れたことはとても参考になりました。
まあ、色々あってそれを活かす前に辞めてしまいましたが。

3)CDレビュー
これは早い段階から担当を持ち、多いときは4つくらい担当しました。
元々音楽文での実績採用ですので、恐らくここでの実力発揮を期待されていたのではないかと思います。
このレビュー、発売される前の音源を繰り返し聴いて、その曲の特徴やアーティストの考え方、音楽の雰囲気、歌詞の意味合い・・・など様々な切り口を考え、大体100~200文字くらいでまとめます。(行数にすると5~6行くらいでしょうか)
音楽雑誌に限らず、CDについて紹介さてている文章量を想像していただければ問題ありません。
正しい日本語、書き手の個性、受け取る側の心情・・・そのどれもが完璧とまでは難しいですが、彼らのファンからの指摘みたいなものは一度も受けたことがありません。
最初は楽しいですが、聞く音源が増えれば増えるほど流石に疲れてきますし、言葉も似たような表現を使いがちです。
書き手によるクセも出てきてしますし、毎月行っていると気力と体力が追いつかないときもあって本当に難しい仕事でした。
とはいえ、かなり楽しかったので心地よい疲労感を味わっていました。

4)ライブレポート
これは自社の主催イベントに限りますが、簡単なレポートを作成することもありました。
実際に参加し、編集部員とプロのライターで手分けしてバンド一つ一つに対してレポートを書くのです。
そのほかのライブレポートは有無を問わずプロの方にお願いすることがほとんどです。(なぜなら、事務所やレコード会社のチェックが入るから)
これもそこまでやった記憶はありません。
そんなにタイミングがなかったことも起因しますが、レポートは先輩方が書くことが多いです。
スキル的な意味でも、年功序列的な観点からも。

■会社の雰囲気、イメージ
ここからは私の入った会社がどんな感じだったのか?をお話しします。

・年齢層が若い
私が入社した会社の平均年齢はとても若いのが特徴でした。
おそらく26歳くらいかな、とそんな記憶があります。
みんな歳が近いので、好きな音楽も似ているし、相当ニッチなジャンルでなければ
大体のアーティストは知っている、と音楽好きにはたまらない職場(だと思ってました)。
もちろんV系の社員もいるので、見た目はかなり強そうだけど話すと優しい・・・みたいなギャップを感じたり、洋楽アーティストにもインタビューするので英語が堪能なベテランがいたりして、かなり個性的なメンツでした。

・仲は良かったのか??
これはどうだったのか、今でもわかりません。
小さい会社に入るのは前回に引き続きなので、初めてではありませんが
週1回のランチミーティング以外は特に話すことはなかったと思います(正しくはそんな暇がなかった)
後で少し話しますが、同僚にもいろいろいて優しい人もいれば、なんだか短気な人もいるし、自己中な人もいました。
仕事の内容から、一緒にライブに行くことはあまりできなくて(土日もあったので)、基本日付の変わるギリギリまで仕事なので、飲み会も1年に1回いけたらいい方です。

・ライブに招待枠で行けるのは良い
これだけは、音楽業界に関われて良かったな~と思います。
好きなアーティストのも行ったことがありますし、このバンド気になるなで参加できたりもします。
毎月、営業が付き合いのある取引先からゲストパスをもらえそうなところをピックアップしてくれて、運が良ければゲストとして参加できました。
ただし楽屋訪問とかは無し。
インタビューを兼ねたり、ライブレポート執筆したりであれば、終了後に挨拶ができることは稀にあります。
あとは、付き合いの関係からライブへ行って挨拶をしてきてくれと言う場合も。
この福利厚生的なものがなければ、もっと早く辞めてましたね。

ざっと仕事内容はこんな感じでした。
いち早く情報が入ったり、まだ発掘されていないバンドを見つけられたり
最新曲を誰よりも早く聴けたり、と音楽好きには良い環境かと思います。
「好き」を仕事にするとは、趣味と仕事の境界線がなくなることに等しいので、
これが心地よいと感じるのか、分けたいと思うのかは人によるかと思います。
最初は前者でしたが、辞める頃には完全に後者でしたね(笑)

次回は、この会社で起きた様々な事件・良い/悪いパターンを書きます。
興味があればぜひ、次回も読んでください!


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