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【レポート #58】参議院議員選挙・静岡選挙区レポート(2022 7.10)

 静岡選挙区は昨年10月に補欠選挙があったばかり。 しかもそこで当選した人が今回改選となり、現職含め補選に立候補した全員が立候補し、更に別の現職に他の候補と、合わせて8名もの候補が2つのイスを争う選挙となりました。 こりゃさぞかし乱戦になるかと思いきや、事前調査の時点で概ね結果は見えていて実際にその通りになるという、波乱も何も無い選挙となりました。 それは一体何故か・・・?
 自民党候補と共産党候補は別にして残りの候補の立場がどっちなのか、分からないまま向かった取材でしたが、やはり現場に行けば何が起きているか見えてくるものです。 その様子を是非見ていただきたく。



◆静岡県・概要

  • 面積:7,778.70㎢(全国13位) 神奈川県・山梨県・長野県・愛知県・東京都(海上を隔てて)と隣接し、東西に155kmと長い。 旧令制国でいえば伊豆国の殆どと駿河国、遠江国の3つが合わさった県なので、そりゃ長いわって話で・・・

  • 人口:3,5887,212人(全国10位)※2022年7月1日現在 約380万人いた2005年をピークに減少傾向にある

  • 知事:川勝平太(4期目) 経済学者として早稲田大学教授等を経て石川嘉延前知事のブレーンとして静岡県で活動を始め、石川前知事の引退に伴い民主党系の支持を受けて立候補し、自民党推薦候補との激闘を制し初当選。 以降賛否は分かれるものの高い県民人気を得て4選。 リニアについて「大井川の水量対策が不十分」と反対しているが、現在のルートに反対しているだけでリニア自体には賛成である。 また、失言が多かったり、2009年に「櫻井よしこ氏が内閣総理大臣になれば」という旨の発言をしたりしているので、リベラル派は取り扱いに注意が必要かもしれません

  • 静岡県選出の国会議員は下記の通り(敬称略)

◎静岡1区:上川陽子(自民・7期)
◎静岡2区:井林辰憲(自民・4期)
◎静岡3区:小山展弘(立憲・3期)
 ※宮澤博行(自民・4期)が比例復活
◎静岡4区:深澤陽一(自民・2期)
 ※田中健(国民・1期)が比例復活
◎静岡5区:細野豪志(無所属→自民入党・8期)
 ※吉川赳(自民・3期)が比例復活 ※ “パパ活” で離党し、現在無所属
◎静岡6区:勝俣孝明(自民・4期)
 ※渡辺周(立憲・9期)が比例復活
◎静岡7区:城内実(自民・6期)
◎静岡8区:源馬謙太郎(立憲・2期)
 ※塩谷立(自民・10期)が比例復活
◎参議院選挙区(非改選)
 牧野京夫(自民・3期)
 榛葉賀津也(国民・4期)


◆立候補者(定数2/8名)

舟橋 夢人  (56) N 党 新 会社員
鈴木 千佳  (51) 共 産 新 党役員
山本 貴史  (52) 参 政 新 元県議会議員
山崎 真之輔 (40) 無所属 現 2期目を目指す ※国民推薦
若林 洋平  (50) 自 民 新 前御殿場市長 ※公明推薦
平山 佐知子 (51) 無所属 現 2期目を目指す
堀川 圭輔  (48) N 党 新 会社員
船川 淳志  (65) 無所属 新 経営コンサルタント

※山崎候補の「ざき」は「大」ではなく「立」が正式表記ですが文字化け対策のためこの記事では「崎」と表記します。 御了承下さい。


◆2016年の選挙結果(改選分)

[当]岩井 茂樹  (48) 自 民 現 747,410 票
[当]平山 佐知子 (45) 民 進 新 691,687 票
 -------------------------------------
[落]鈴木 千佳  (45) 共 産 新 172,382 票
[落]大嶽 創太郎 (33) 無所属 新   54,412 票
[落]江頭 俊満  (53) 幸 福 新   23,021 票

投票率:55.76%

 民進党の藤本祐司氏が1期で引退。 後継として当時民進所属だった平山氏が立候補し当選しました。 もう一人の当選者である岩井氏は2021年に知事選に出馬すべく辞職しましたが落選。 その後、2022年3月に東伊豆町長選に立候補し無投票当選しています。

◆2019年の選挙結果(非改選分)

[当]牧野 京夫  (60) 自民 現 585,271 票
[当]榛葉 賀津也 (52) 国民 現 445,866 票
 -------------------------------------

[落]徳川 家広  (54) 立憲 新 301,895 票
[落]鈴木 千佳  (48) 共産 新 136,623 票
[落]畑山 浩一  (49) N国 新   48,739 票

投票率:50.48%(前回比マイナス5.28ポイント)

 2013年当時は民主党だった榛葉氏ですが2019年には国民民主と立憲民主に分裂しており、そこに立憲が「徳川宗家19代目」として話題となった家広氏を擁立しましたが全く歯が立たず惨敗しました。 ちなみに家広氏は2023年の大河ドラマどうする家康の放送に合わせてオープンするドラマ館の名誉館長に就任するそうです。

◆2021年の選挙結果(改選分・補選)

[当]山崎 真之輔 (40) 無所属 新 650,789 票
 -------------------------------------
[落]若林 洋平  (49) 自 民 新 602,780 票
[落]鈴木 千佳  (48) 共 産 新 116,554 票

投票率:45.57%

 岩井茂樹氏が知事選立候補のため辞職したことにより行われた補選は衆院選1週間前投開票の選挙だったため前哨戦として全国的に注目されました。 結果は共産候補との一本化をしなかったため不利と見られていた山崎氏が、川勝知事の応援を背に当初の予測を覆し当選しました。 この結果を受けて一週間後の衆院選に向けて自民に逆風が “一瞬” 吹きました(その後、“立憲共産党” を始めとする野党共闘disが成功し衆院選は与党圧勝となる)。 
 ただ、山崎候補は当選後にイロイロあったワケですが、それについては後程・・・

 それでは、主要候補の選挙運動を見ていきましょう。


◆船川 淳志(ふなかわ あつし)候補

 船川候補は慶大(多分、慶応義塾大学)卒業後、東芝や外資系金融企業で働いたあと渡米し4年間コンサルティングについて学びました。
 帰国後、会社を設立し企業のコンサルティングや人材育成をする一方、ビジネス英会話やビジネス系、Web系の講師としてNHK-Eテレに出演したり著書も多数出しており、現在も東京にある自らの会社でバリバリ働いているようです。
 輝かしい経歴を誇る船川候補が立候補を決意したのは、自らの得意分野であるデジタルを駆使した選挙運動を次の世代に示して行きたいというコトらしく、血縁の無い静岡で立候補したのは東京は候補者が多いなどの理由で避け、地方の時代が訪れようとしている中、自然も豊かで自然も多く、しかも日本の中心部に有るというポテンシャルの高さに目をつけたそうです。

 ・・・と、さっきから語尾に「ようです」とついているのは先程載せた写真にポスターが無い(支援者のチカラを借りて少しずつ貼っていたらしい)ところから分かるようにお会いするコトが無かったからですが、

 このように喋りも達者で頭脳も明晰なのが分かり、最年長65歳の候補者ですがバイタリティーは他の候補に勝るとも劣らないといった感じです。
 こういう方が仕掛ける「デジタル選挙」なのでさぞ “バズった” コトだろうと思ったのですが・・・

(「船川淳志チャンネル」の動画一覧)

 7/27現在、再生数は多くて130回、少なくて39回と、殆ど見られておらず、そもそもチャンネル登録者も三桁に達しておらず、デジタル選挙は全くバズらなかったようです。
 そして選挙公報。 輝かしい経歴から鑑みるに、さぞかしインパクトがあり分かりやすいものを出してくれてると思いきや・・・


「デジタル選挙」を掲げる船川候補の選挙公報は必見! 主要政党の候補のほか、私の取材では恒例となってきた、参政党の候補者にもお会いしてきました! そして最も読んでいただきたいコト、それは「無所属」という曖昧さについてです。 是非御購読を!

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