横芝光町長選挙 ポスターと公報を、比べてみた
3月17日投票の千葉県・横芝光町長選挙。 私は取材に入っていませんがtwitter-Xに撮影したポスターを載せていた方がいらっしゃったので、私の記事で使用する許可をいただいて、コチラで検証させていただきます。 御協力いただき有難う御座いました。
それでは、ポスターを比べてみましょう。
両候補のじゃないですよ。
小西氏が出馬した直近の町長選となる、和歌山県・印南町長選のポスターと横芝光町長選のポスターを。
どうでしょう。 私には全く同じポスターに見えます。
それでは、私が「ゴチャゴチャしている左側」と呼んでいる、「お約束」というタイトルの部分を切り取って並べてみます。
如何でしょうか。 私には一字一句同じに見えます。
もしかしたら私が見落としているかもしれませんし、気づかないような細かい部分(文字のフォントとか、左もみ上げの長さとか)が変わっているのかもしれませんが、私には違いが分かりません。
そして、この2つが同じならば、
ポスターをリニューアルした2024年に出た4件の町長選ポスターを比べて見ても「町」「町長」「町民」という単語は見えますが、自治体名は一切記載されていません。 まさか「ポスターの使いまわし」なんてコトはしていないとは思いますが、どうしても同じに見えてしまうのです。 きっと今日病院で採血されたので貧血気味なのでしょうきっと( )
ただ、もし、万が一、使いまわしだとしたら、あまりにも横芝光町への愛が足りないと言わざるを得ません。
では次に、横芝光町長選の選挙公報を見てみましょう。 使いまわしの可能性が高いポスターと違い、選挙公報はそれなりにその自治体に則した公約を並べるので。
選挙公報はコチラとなり、それなりに練られた公約が並んでいるように見えますが、なかなかツッコミどころが満載なのです。 ひとつずつ拾い上げてみましょう。
①何故「首都直下地震」ではなく「南海トラフ地震」を取り上げたのか
「横芝光町」の場所を地図で確認しますれば、
千葉県の東部で太平洋に面しているので巨大地震が引き起こした津波が発生した際は被災すると想定されており、実際、2011年の東日本大震災で横芝光町では震度6強を観測し津波が町を襲い建物が6棟全壊、1棟半壊。 282棟が床上浸水しました。
地図を拡大すると町に栗山川の河口が有り、そこから津波が逆流し川が氾濫するコトで他自治体より被害が大きくなる可能性が有ります。 なので津波等の災害対策を公約の第一に掲げた小西氏は間違っていないのですが、しかし何故、例として挙げる地震が「首都直下型地震」ではなく「南海トラフ地震」なのか。
南海トラフ地震が発生した際、横芝光町は震度4の想定で震源地に近い東海エリアに比べれば大きな災害にはならないように見えますが、
津波は最大5mと、東日本大震災と同程度の津波が発生すると想定されているので、「津波」対策を問うのならば南海トラフ地震を例に挙げるのは間違ってはいないようです。
ちなみに首都直下型地震の想定を見てみると、
横芝光町は震度5強の揺れが襲うと想定されていますが、津波については東京湾内で発生するものの太平洋側では被害を出す規模の津波が発生する可能性は低いとされているようです。
それでも「南海トラフ地震」という東海地方を中心に大被害が出るとされているものを、いくら太平洋側とはいえ千葉県の町長選において公約の1番目に掲げるのは違和感を感じます。 余計なお世話でしょうが、果たしてそれが有権者に伝わるのだろうかと。
そこで思い出したのが、今年の1月28日に投開票された三重県・川越町長選。
三重県の東側に位置し町の大部分が海抜0m地帯。 南海トラフ地震が発生した際にはそれこそ津波による甚大な被害が危惧されていますが、そこの町長選に出た際の選挙公報を見ると、
キャッチコピーと南海トラフ地震についての言葉が横芝光町長選の公報と全く同じです。
・・・やりやがったな。
②目玉政策「退職金プレゼン」が無い!
これまでどの選挙でも「目玉政策」として掲げてきた「退職金を還元するプレゼンテーション大会を実施」という公約が今回の公報には載っていません。(ポスターには載っています。 なんせポスターは “汎用性重視” ですから)
今回は「3期12年で引退」という表現に変わっています。 ・・・ただ相変わらず当選する前から引退する時のコトを公約に掲げるという「アレ」っぷりは変わりませんが。
③名前が手書き!
私はコレに最も大きく驚きました。 公報の名前表記が「手書き」なのです。 前述の通り小西氏は選挙公報はポスターと違ってその自治体に則した内容を記載するなどし、それなりに作りこんできます(今回は①のような “コピペ” が発覚しましたが・・・)。 故に名前表記もこれまではポスターと同じフォントを使っていました。
それが今回何故に手書き表記になったのか。 親しみやすさを演出するため、だとは到底思えず、今回の公報はどこかしら “手抜き感” が漂うのです。 そしてそれを決定づけるのが、コレ↓。
④まさかのタイプミス!
既にお気づきの方もおられるかもしれませんが、今回の公報の中に明らかなミスが1か所有ります。 それが、
コレ。 「町長」と書くべきトコロを「市長」と書いてしまっています。 このような “凡ミス” は初めて見ましたし、前回の選挙が松川村長選だったので「村長」と誤記したのならまだしも、1月の須坂市長選以来出ていなくて今後もあまり出ないであろう「市長」と表記するなんて・・・
小西氏のポスターや公約は汎用性を重視するが故にその自治体に対する「愛」が感じられないのはいつものコトではありますが、今回は特に仕事が雑に見えます。
小西氏、もしかしてヤル気なくなってきた?
横芝光町の有権者におかれましては、当記事が投票先を決める一助になれば幸いです。
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