妄想お月見デート


 今のこのご時世。
なかなかお出かけ出来なくて会う頻度は格段に減っていた。
久しぶりに会うことになりドライブデートをすることになった。

 彼女が車を持っているので迎えに来てもらった。
目的地は特に決めてなく、
海鮮丼が食べたくなったので海沿いまでドライブ。


 途中で寄ったSAでもお月見の、
のぼりは目にしてたけど
今日が奇跡的に満月の日だと知った。


 市場みたいになっているところで海鮮丼食べることになった。
そこは、お月見シーズンの満月の日限定で卵乗せのサービスがあった。
僕らはそのお月見海鮮丼を食べ、少し買い物をすることにした。

 そんな時、僕の電話がなった。
仕事の電話だった。
僕は彼女から離れ、電話に出る。
「もしもし…」

 戻ってきたら彼女は少し離れたとこでお店の人と話をしていた。
戻ってきた僕を見つけた彼女は、僕に駆け寄り

 「ねぇ、見てこれ!おっちゃんがまけてくれて、安く買えたんだ!」
とお魚の珍味などを見せながら話し始めた。


 「そしてね!」と
新たに袋から取り出した団子を持って
「じゃーん!お月見団子も貰っちゃったの!
車で来たことを伝えたら、
めちゃくちゃ月が綺麗に見えるスポット教えてもらったから行かない?」


たまに彼女が子供のような、
マシンガンみたいに話す姿に
笑いが堪えきれず吹き出した僕は、
彼女の頭をポンポンしながら
「なら行こうか」と言った。


 車に乗りこみ、話の続きを始めた。
話してたらレジャーシートがあるといいという話が出てきた。

僕は話を割って聞いた。
「待って、レジャーシートあるの?」
彼女はHEROのバーテンの田中要次さんっぽく「あるよ」って言った。
運転して横向いてるがドヤ顔していた。

目的地着く前に、近くのご飯屋で夕飯を済ませ目的地に向かった。


 着いたところは、広場みたいになっていた。
話の通り街灯はひとつもない。真っ暗だった。
車を降りたら月明かりでほんの少し影が出来ていた。
そして空を見上げたら満天の星空だった。


 スマホのライトをつけ、彼女と手を繋いでいい場所を探し
レジャーシートをひいて僕達はそこに座った。

綺麗な月と満天の星空の下。
そして大切な彼女と食べたお月見団子は格別だった。

彼女は僕にもたれかかって突然言った。
「あ~幸せだなぁ♡」
僕は彼女をギュッと抱き寄せてそっとキスをした。彼女は僕で顔を隠した。


 体勢を戻した彼女は笑いながらこう言った。
「満月だから狼男になっちゃいましたか?
仕方がないですね~膝枕してあげましょう!」


僕は笑いながらも、膝枕してもらい幸せだった。

「いい場所教えてもらったね。
またたくさん会える日が続いても、
またこの場所に来ようね!ありがとうね!」と僕の頭をポンポンしていた。

「俺も、幸せだよ」と呟いたら、
僕のおでこにそっとキスをした後、頭をクシャクシャされた。

このご時世、また次いつ会えるかも分からないけど、とても幸せな日になった。

月のパワーとかよく分からないが
今日は月のおかげでいい日になった。お月見っていいもんだ。

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