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『意味のないエッセイ②』人生よ、プチョヘンザ

ぶっ飛べよ、うつ。

精神疾患の家系だった。
父も祖父も、曾祖母も、あ、そうだ父の弟も
あそれっ、例外なく僕も精神疾患だ。

やってらんね、キリスト教の洗礼はどこにいったんだね、
キリストは僕を守らないで何をやっているんだね、アーメン。

あんなに冷たい冬の日に、教会の裏にあるプールに沈められたのに、神様ってのは気が利かない。聖書だって読んだんだ。あの牧師と一緒に。

母方の祖母は、聖書にお金を挟んだらお金が増えたと言って騒いでいたが、
今では僕も信じない。
そもそもなぜ、聖書にお金を挟もうという発想に至ったのか。
母の祖母だ、まぁ薬でもやっていたのだろう。

毎週2時間もぶっ通しで祈っていたのは、金がほしかったんかーい。

なんにしても祈れば金をくれる神様って、すごい。
資本主義に精通している。神様も時代に合わせてバージョンアップ。
天使への指示はスマホ、指一本てこと。
もしも祈るだけで金をくれる神様がいたら、即ハイパーインフレだね。
23億円札とか出来てしまうのかもね。
リンゴ一個99兆円とかでさ。

祖母はそんな世の中にしててまでもお金が欲しかったのだから、
イエスキリスト様がおっしゃることもわかります。

人は生まれながらの罪人ってね。

祈り空しく、高校の時にはうつ病を発症した。それに自律神経失調症と、強迫観念障害と不安障害とかなんたらかんたら。
薬漬けの日々。当時の僕ははま寿司のマグロ漬けよりも濃い味がしたと思う。

高校の先生は言っていた。
「今日、献血車が来る、献血は全員参加だ、献血をしないものは人間のクズだぁぁぁぁ」
と。

参ったな、僕の服用している薬についてはなんていおうか。
高校ではいつも、精神疾患由来の冷や汗を掻きながらクラスメートとオセロをしていたから、急に「鬱の薬のんでまーす、ごみん」なんても言えない。

隙をみては、頓服薬を飲んでごまかしごまかし生きていた。
これを書いてみて思った。僕だって高校生だったんだぜ?

昔は木の電柱があったように、僕とて制服に身を包んでいたのさ。
さぁ、10年前の話だ。
人っていつの間に「10年前」なんて時を遡って話せるようになるんだろう。20年前っていう話だってあるんだぜ?火を吹いちまう。

20年前っていえば、両親が離婚する2年前、喧嘩が絶えない新築に住んでいた。8歳だった。
男に狂った母から出された朝ご飯は、一口程度の茹でたマカロニ。
味は、茹でる際に鍋にいれた気持ちばかりの塩のみ。

ねぇ、ママ、生まれた時にうんっと感じた僕への愛は、
いつの間に、たった一口程度の味のないマカロニになってしまったのだろう?

まぁいいんだけどさ、アダルトチルドレンともカウンセラーに言われたし。
僕は味のないマカロニを食べた、あの感情の時から時間が止まっているだけ。大したことはない。
ただのマザコンって一括りにしてしまうと、嵩張らないし捨てやすいよ。

僕は11歳になる前に人が全うな人生を生きる上で大切なキーパーソンを二人失った。
母とイエスキリストだ。

うつ病になりながらも、高校を出て、専門学校にまで進んで、父親に騙されて数百万の借金も背負って、24時間労働をして、何がどうなってんだってね。さすがにもう神様には祈らなくなったよ。

信仰ってのは、タダで救ってくださいっていう厚かましいものに過ぎないって気づいたからね。
それなら今度は仏教の出番かな。
詳しくは知らないけれど、イエスキリストとゴータマ・シッダールタなら後者と話して見てもいいのかもしれない。
今は世の中、マインドフルネスの悟りシーズンだしね。旬だよ。

もうそろそろいいんでないかい、人生。
そんな影に潜んでなくても。
遅れながらも上昇気流に乗ってさ、気球を宙へ連れていって、
曙に染まる山の稜線と、世界の空漠さをまざまざと見せつけてくれよ。
音なんて風の音1つでいい。
誰も口を開くな。僕はやっと世界の上澄みに到達したんだ。
大気は冷たいのかって知る。
息はしろいままってのが丁度よい。
気球がごうごうと言っている。

みんなとっくにここから世界を見ていたんだって、また憎くなる。

鬱とか強迫観念とか不安障害とか自律神経失調症とか、HSPとか発達障害とか、低知能とか、両親がいないとか、5時間起きていると気絶するとか、そんなの、もうそろそろどうでもいいじゃんね。

毎日木を見ていても、木は木の通りにしかならないんだよ、バラになんてならない。
そんなのは、もう見なくていい、バラが欲しければ、買いに行こうよ。
そういうのってきっと楽しいよ。

人生、盛り上がっていこうよ。

せっかくカナダに来ているのだから、なんか英語で盛り上がろうって言葉あったよね、それ使おう、採用。

人生よ、プチョヘンザ


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