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瞑想、その最初の形 其の2「呼吸に意識を向ける」

マインドフルネス瞑想を行うにあたって、おそらくどこでも教わるであろう最初の形があります。

①姿勢を正す
②呼吸に意識を向ける
③思考を観察し手放していく


二番目は「呼吸に意識を向ける」です。


そもそもなぜ「呼吸」なのか?

瞑想をはじめたばかりの頃、わたしはこれが不思議でなりませんでした。

のちのち瞑想を深く学んでいく過程で、次第にその理由がわかるようになるのですが、この呼吸というもの、わたしたちは普段自然と無意識のうちに行っています。
生まれた時からずっと、起きているとき寝ているとき遊んでいるとき人と話しているとき勉強しているとき、休むことなく絶えず行っている行為です。


ということは、わたしたちは呼吸しなければ生きていけない、呼吸は命と密接につながっているということです。

人間だけでなく、地球上すべての生き物が呼吸しています。これは大自然のリズムであり地球そのもののリズム。ということは、地球上で命を生み出す源と、今現在も呼吸によって繋がっているとも言えます。

この呼吸のリズムにあえて意識を向け、鼻の穴に空気が通っていく様を、胸の中に空気が入っていく様を「感じる」。

この、ふだんは無意識のうちにやっていることにあえて意識を向ける、これを「気づき」と表現します。

この呼吸の捉え方が、マインドフルネス瞑想(ヴィパッサナー瞑想)のキーワード「今ここに」「あるがまま」を理解するポイントとなります。


極端に言えば、呼吸からでしか「今」「この瞬間」を感じることはできないからです。

しかしずっと瞑想していると、呼吸から意識が離れるときがよくあります。それは頭に思考(雑念)が湧いたときです。このことについては次のコラムに書いていきます。


また余談ですが、その呼吸の仕方にもスピリチュアルな意味が含まれていたりします。

鼻呼吸、口呼吸、胸呼吸、腹式呼吸、浅い呼吸、深い呼吸。呼吸に仕方には個人差がありますが、その数でいうとだいたい成人で1分間に12〜18(20)回が平均です。

そのなかでも「深い呼吸」をしている人と「浅い呼吸」をしている人とでは大きな違いがあります。
呼吸は、命を維持するものではありますが、同時に人の心をも生かしています。呼吸の深さによって、その人の心の状態が現れるのです。


ゆったりとリラックスしている状態であれば呼吸は深くなります。逆に恐怖や不安、焦りがあるときは呼吸が浅くなっていきます。
(ここでは病気や疾患による呼吸の状態は除外しています)

呼吸が浅くなるとどうなるのか?というと、脳や体に十分な酸素が回らないため、結果、判断が鈍ったり、ぼんやりする、疲れやすいなど体調に様々な影響を及ぼしていきます。


スピリチュアル的には、浅い呼吸をする人は「得よう得よう」とするばかりで、「出す」という行為が鈍るようです。人や物など、形あるものへの執着を手放し、身の丈に合ったものを得るためには、入ってきたものを一旦「吐き出す」必要があるのです。


無意識で吸っている呼吸を、今ここで意識してみましょう。

一度大きく息を吸って、ゆっくりと息をぜんぶ吐き出してみます。

そのとき、心のなかにたまっている「思い」も一緒に吐き出すようにイメージしながらやってみてださい。イメージすればその通りになります。

次の瞬間、新しい空気が胸いっぱいに入ってきます。


新しい時間のはじまりです。

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