Noriko Hasegawa

北欧に住む先住民族サーメの研究者  教育博士(名古屋大学)諸大学の非常勤講師。2021…

Noriko Hasegawa

北欧に住む先住民族サーメの研究者  教育博士(名古屋大学)諸大学の非常勤講師。2021年から1年間ノルウェー・トロムソ大学の客員研究者として活動する

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最近の記事

エクスカショーン Sommarøy 2

第二弾 6月2日ー4日。 遅咲きながらの研究者人生で初めて、"Writing Retreat"なるものを経験した。 平たく言えば、大学の研修合宿のようなものだ。しかし、日本の大学院での慎ましい学生生活しか経験のない私にとっては、想像を絶するような”ステキな代物”だった。3日間、このホテルのそれぞれ個室が与えられ、そこで集中して研究に打ち込みなさいねー!っていう「缶詰」状態にさせてもらえる合宿だ。といっても課題も発表も締め切りもない!朝、ゆるーくミーティグがあり、「今日はこん

    • エクスカーション Sommarøy 1

      ノルウェーの憲法記念日からあったという間に3週間が過ぎてしまった。慣れは恐ろしい!ここでの生活が当たり前の日常になって、ダラダラと過ごしてしまわないように、と少し反省の日々。気を取り直して!今回は美しいSommarøy島のことを少し紹介させてください。 Sommarøyは、直訳すると「夏の島」。トロムソ島中心部から西へ車で約1時間のフィヨルドの外海(北極海)に面した美しい島。白い砂浜とコバルトブルーと深緑色をした海岸線が広がり、夏になるとそこでキャンプをしたり日光浴をしたり

      • ノルウェーの最も華やかな祝日

        5月17日はノルウェーの憲法記念日。国のお誕生日だ。『限りなく完璧に近い人々-何故北欧の暮らしは世界一幸せなのか-』の著者であるマイケル・ブースが皮肉たっぷりに(しかし愛情を込めて)北欧諸国をぶった斬った著書があるが、”ノルウェー編” では、この祝日に、たっぷりと着飾って街を闊歩するちょっぴり田舎くさいノルウェー人の愛国心を揶揄していた。確かに、ノルウェーの旗を持ち、女性は美しい民族衣装、男性(teenagerの子も)はスーツにサングラスそして革靴!の清掃の出立ちの人たちで街

        • なぜか、ちらし寿司

          最近、なぜか「ちらし寿司」ばかり作っている。米を炊いて干し椎茸を戻し甘辛く煮て、人参もさっと湯通しして味付けをする。錦糸卵、さやえんどうを散りばめて。アボカドがあれは更にいい。後は新鮮なサーモン、えび、キャビアがあれば、最高のNorwegian風ちらし寿司が出来上がる。魚が新鮮だけあって実に美味しい!そして、寿司米、醤油。寿司酢は多少怪しげではあるが、トロムソの一般のスーパーにも売っている。しかし、なぜ私は、自分の研究をほっぽりだして、ちらし寿司ばかり作っているのか! それ

        エクスカショーン Sommarøy 2

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        • トロムソ研究日記
          15本

        記事

          ノルウェーのワクチン事情

          大学で、ワクチン接種の話をしていた時。かなり年下の同僚が突然言い放った!「Norikoはもうワクチン接種できるはずだ。もう手続きはしたのか?」おい!!皆の前でそれを言うか? その時は、確か〇〇才(高齢者)以上の対象者がワクチン接種を終えた時点だった。勿論、彼に悪意はない!心からの平等の精神と親切心からの発言である。ただ、日本人は多少は若く見られるため、年齢を大幅にサバ読んでまかり通っていると信じていた私にとって、それだけは伏せておいて欲しかった(涙) てなわけで、何はともあ

          ノルウェーのワクチン事情

          春が来た!

          春が来た!たんぽぽ!が咲いた! 雪解けのこんな枯れた土の上に、先ずは花が咲き!(茎や葉っぱじゃない!)目一杯に花弁を広げている。どちらかというと、日本の「雪割草(ユキワリソウ)に近いイメージかなあ。本州の山、二月三月に咲く花弁の透き通った黄色い花。たんぽぽというにはあまりにも儚い!でも、この可憐な花は「ここでも春が来る!!」と主張していた。 カモメ!も春だ!ともかく切ない春の「愛の鳴き声」をする!ついこの間までは、港周辺で大人しくしていたのに、最近はこんな所まで飛んできて

          春が来た!

          メーデーの前の金曜日 この列なーんだ?

          4月30日の夕方、大学前のバス停でばったり会った若い同僚のkiristine(クリスティーナ)と、たまたま同じショッピングセンターである”JEKTA”に行くバスに同乗することとなった。そこで!車内で、彼女から貴重な情報が!!それは、明日(5月1日)はメーデーで『どこのスーパーもお休みよ!」というものであった。もちろん酒屋(vinmonopolet)もよ!。 思わず彼女の肩を叩いて感謝の意味を表した! その日、私の冷蔵庫には、もはや何も残っていなかったからだ!(ブロッコリ

          メーデーの前の金曜日 この列なーんだ?

          ”Zarusoba” in Tromsø 「ざるそば!」

          どうしても!どうしても!濃縮な「蕎麦つゆ」をごくごく飲みたくなり!ついに、トロムソ市街の中心部にあるインターナショナル・フードマーケット(ALANYA)に飛び込み、前から目をつけていた「ざるそば」という怪しげな乾麺に手をつけてしまった! 日本語表記は商品名の「さるそば」のみ。いったいどこの国が作ったんだろう‥?でもでも、ただこの色を信じ、賞味期限も確認できないまま購入した。 実はもうすでに昨晩、日本から持参してきた貴重な干し椎茸と日高昆布、濃厚だしを使ってじっくりと出汁を

          ”Zarusoba” in Tromsø 「ざるそば!」

          god påske!

          ノルウェーで、初めてイースター・ホリデーなるものを経験した。日本でもイースターは春の訪れを告げるハッピーな行事としてお馴染みになって来ているが、こちらでは、約一週間学校も会社もお休みとなり、家族や友人と一緒に過ごす。日本でいうお盆のようなものであろうか。ノルウェーでも帰省ラッシュなるものが起こる(ノルウェーでラッシュという言葉は当てはまらないかもしれないが)、つまり、相当数の人たちが飛行機や列車を使って移動する。その為、首相アーナ・ソルベーグはイースター休暇に入る前に全国的な

          太陽と風の子どもたち

          って、北欧の先住民族サーメの人たちが自分たちのことをいうことがあるが、ここに来てよーくわかった!春の嵐は凄まじい。身を切られるような風が吹く。そして、春分を境に猛然と太陽が主張し始めた。 どのように撮っても青と白の世界!最近、マスクは、コロナ対策でも、極寒対策でもなく、ただただこの直線的な太陽の光を躊躇してしまう年老いた私の肌対策のためかもしれない。そのくらい、北極の春の日差しは純粋で眩い! ため息ばかり吐きながら、まだまだ厳しい冬の名残のあるフィヨルドの道を歩く。なんと

          太陽と風の子どもたち

          雪だるまの正体

          トロムソ大学(UiT)には、Center for Peace studies という人権問題などを扱っている研究センターがある。2月初旬この大学に来た当初、その建物の前に置いてあった雪の塊を見て「誰か雪だるまを作ったんだなー」という認識でいつも通り過ぎていた。 すると、だんだん日が長くなるとともに雪が溶け出し、徐々にその雪だるまかの全容が‥。 そしたら何と!モハンダス・ガンディー(日本だと「マハトマ・ガンジー」かな)氏の銅像ではないか!!雪だるまなんていってごめんなさい!

          雪だるまの正体

          トロムソからの便り 生活面

          ノルウェー入国してからはや2ヶ月が過ぎてしまいました。 その間、2回の引っ越しとレジデンスカード取得、銀行口座開設、倫理審査及び研究プロジェクト申請、研究計画発表など‥乗り越えなくてはならない様々なハードルのなかで右往左往しながら怒濤のように時間だけが矢のように過ぎてしまいました。 もっとここに投稿したいと思いながら、落ち着いて書く時間が取れず、漸くここでトロムソ便り第3弾目。家ではぼーっとしている時間があるのに、メールすらも打てないほど疲れ果て‥。(やはり日本とは違う質の

          トロムソからの便り 生活面

          トロムソ大学での活動開始 第一週目

          ノルウェーは、1月26日に再び海外からの渡航者の入国を禁止を発表、さらにオスロを中心とした南の都市部に緊急事態宣言を出しました。そのために、市内はゴーストタウン化しているとTVで報道されていました。幸いにも北部のトロムソは、コロナ禍の大きな影響もなく日常の生活がなされています。私は、10日間の検疫隔離生活の後、日本で予約しておいた1ヶ月の仮のアパートに移り、今週の月曜日から大学に通い始めました。ここからはバス一本で行くことができ、バスの定期を買い、フィヨルドと雪山を望む二十分

          トロムソ大学での活動開始 第一週目

          ノルウェー政府による新型コロナ感染対策処置強化

          友人のToveから「ノルウェー政府による新型コロナ感染対策処置が強化され、明日未明(28日)から海外からの渡航者の入国が禁止されることになった」とのニュースを聞いた。すなわち「ピンポイント」で入国できた事になる。このことを真摯に感謝するとともに、事態をきちんと受け止めて責任と覚悟を持ってノルウェーでの生活を始めなくては!と気持ちが引き締まった!想像以上に快適だった検疫ホテル滞在もあと3日!いよいよシャバ(!)にでる。さあこれからが大変だ!

          ノルウェー政府による新型コロナ感染対策処置強化

          Tromsø検疫ホテル日記

          今日で、検疫期間4日目、後6日。監禁状態といっても散歩は許されているので、少しなら外出はできます。また、ホテルもトロムソ市内の一等地に立地された立派なホテルで、部屋も清潔、部屋の大きな窓からはフィヨルドが望め、良い休養と読書三昧しています。しかし、ホテル内をウロウロするのは禁止。散歩も非常口から。 食事は、三度三度部屋の前に置かれ「ノックされたら、直ぐにはドアを開けず30秒後に取ること!」という30秒ルールのようなシステムで支給されています。そして、それが微妙に不味い。おまけ

          Tromsø検疫ホテル日記

          無事ノルウェー・トロムソに到着

          トロムソ大学でのゲストリサーチャーとして去年(2020年)4月からノルウェーへ渡航するはずだったのが、世界中に猛威を震ったCOVID-19のために全く今後の見通しがつかず、約8ヶ月日本での待機状態が続いた。しかし、昨年11月末に改正されたノルウェー政府の例外とする入国許可対象者の基準に認可され、慌ただしくノルウェー入国のための準備が始まった。そして、昨晩多くの難関を突破して無事にトロムソに到着。これから、コロナ禍のなかでのフィールドワークが始まる。研究テーマは「サーメの文化継

          無事ノルウェー・トロムソに到着