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god påske!

ノルウェーで、初めてイースター・ホリデーなるものを経験した。日本でもイースターは春の訪れを告げるハッピーな行事としてお馴染みになって来ているが、こちらでは、約一週間学校も会社もお休みとなり、家族や友人と一緒に過ごす。日本でいうお盆のようなものであろうか。ノルウェーでも帰省ラッシュなるものが起こる(ノルウェーでラッシュという言葉は当てはまらないかもしれないが)、つまり、相当数の人たちが飛行機や列車を使って移動する。その為、首相アーナ・ソルベーグはイースター休暇に入る前に全国的なコロナ感染防止のための規制強化を宣言した。人の移動によって休暇明けに感染者が増加することを危惧しての処置だ。しかしながらノルウェー北部の地方に関しては、比較的緩やかな規制のもと、家族でイースター・ホリデーを楽しんでいた。2020年、去年のイースターの時期、ノルウェーはいち早くコロナ感染防止対策で全国的なロックダウンを行なったため、家族が自由に会うことは叶わなかった。その分、今年のイースターは2年ぶりの楽しい春の休暇となったようだ。

さて、私といえば、北の果てに一人で住んでいるのを気の毒がった友人家族が「イースターを一緒に過ごそう」と誘ってくれ、思い切って一週間の休暇を取った。友人の家は、Tromusøから飛行機で1時間弱南下し、そしてノルウェー列車市北端のBodøという町から、さらに列車で5時間ほどフィヨルドに沿って南へ向かってTrofusという無人駅へ。その後、友人車で迎えに来てもらって、雪の中を1時間ほどスウェーデン国境に向かって猛スピードで走らせたところにある内陸部の湖畔にある。丸一日掛の行程だ。トロムソが北の果てだとすると、ここはまさに陸の孤島!隣人の家は到底窓からは臨めない。大自然の小さなログハウスの一軒家だ。

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今回、私が滞在したサーメの友人夫妻の家にも、久しぶりに会う息子たちの家族や、その友人たちが集まった。
長男夫妻は, 息子さんが一人、そして娘さん達二人の五人家族。家族に加え娘さんのボーイフレンドがトロンハイムから車で帰省していた。約一週間の滞在のため、大量の食料と五人分の着替え、そしてスキー道具‥。それら全てを牽引式のトレーラーに詰め込んでの移動だ。大学生の次男 は、大学の友人を連れて実家に戻っていた。総勢12名のイースター・ホリディ。六人の若者達は朝から晩までスキー三昧。

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カントリスキーで裏の山に行き、薪を囲んでのコーヒータイム。雪を固めて作った自然のベンチの上にトナカイの毛皮を敷き詰めて、まだまだ弱い春の太陽を楽しむ。薪の匂い!私たちの他には誰もいない。静寂な時。でも、2メートル以上は離れることといった政府からの感染防止規制を無視した写真なので、顰蹙を買いそうで、しばらくはアップできなかった(二週間経ったし、もちろん皆PCR検査ずみなのでそろそろ時効かな)。

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雪の中でくつろぐ若者達、良いなあ‥。絵になるなあ‥。羨ましいな‥。

実はイースター前の数週間は、トロムソもコロナ感染対策の規制強化によって大学の研究室に行くのもままならず、自宅でじっとこもっていた時期があった。ヘタをすると3日間くらい人と話をしていないことに気づき、少し気持ちがへたっていたところだった。だから、ここでの一週間の滞在は、そんな私に大きなエネルギーとパワーをチャージしてくれた。何しろ、この家族達は明るい!そして、この友人達の底抜けの優しさはどこから来るのだろう。この大自然のなか家族や友人同士が助け合わなければ生き抜いていけない。そんなところから静かだけどしっかりとした強い絆が生まれてくるのだろうか。

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イースター・ホリディーが終わって、漸く大学の研究室にも一週間に数日間の割合だけど通えることになった。さあ明日からも頑張ろう!

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