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土と触れ合う、初めての陶芸体験

冷たくてかたくて、でも水を付けた手でぐっと押すとみるみるうちに思いのままの形にうごめいていく。
上が重くなるとおもさに耐えかねてふにゃふにゃしたり、口を広げすぎるとぺたっとなってしまったり、なんて扱いにくいものなんだ。土って。

わたしももれなく 映画「ゴースト/ニューヨークの幻」を観て陶芸って素敵すぎる・・・やってみたい・・・と思った庶民の一人だ。

そういうザ・ミーハー心をふんだんに兼ね備えた同居人と(褒めていなさそうな表現。。)いざ陶芸体験に!! アートだ!ものづくりだ! と騒ぐ同居人をよそ目にロマンティックな気持ちになっていたわたし。
土だって溶けてしまいそうなくらい暑い夏の日にいそいそと電車に揺られた。

気持ちは世田谷のマダムに

陶芸教室チルコロ

最寄りから電車で40分ほど、少し離れた東京はやっぱり暑く、でも街の雰囲気が少しだけわたしたちを涼しくさせた。ふるめかしい駅とたくさんの子供たち。子育てなら絶対にここだね~と3回くらいは口にしたであろう等々力駅に降り立ちました!

さっぱりした日差しの中を10分ほどあるくと、チルコロがそこに! 私は友人の体験を聞いて訪れることにしたけど、ふと通りかかっても何ここ?となってしまうジブリみたいな場所。「何かの拍子にできてしまった」みたいな世界観があまりにも素敵で胸の高鳴りは最高潮に!

公式HPより

となりには今どきの女子大生3人、こちらは完全にゴースト世代の同居人と・・・先生がレクチャーを見せてくれ、時間内ならいくつでも作っていいですよ!の言葉に闘志が燃えるわたしの同居人、結局は一番不器用担当大臣でした。

店内には作家さんの作品もたくさん置いてあって、作品制作欲が掻き立てられる以前に癒されて持って帰りたくなってしまったことは秘密。今日は作る日ですもんね。

書き忘れたけどこちらは完全予約制なのでHPから事前予約が必要です!今はオープンキャンペーンでお安く体験できるので夏の思い出にぜひ。(2022.08.01現在)

ろくろと土と水と

最初はこんなかたまりだった。ぜんぜんびくともしなさそうだし、なんだかそっぽ向かれているような、こちらの意思には従う気のない固い土。
モリーが泣きながら自分の体の一部みたいに動かしていたろくろはどこへ。。。?

ろくろのペダルの使い方とか、ふちの作り方とか、水分の取り方とかいろいろ細かく教えてくれるスタッフの方。お水をたっぷりと手に付けて、いざスタート!
まずは親指を2~3cmほど土に埋めて、そこから底を作っていく・・・この作業、簡単なように聞こえて実は難しい。もっと柔らかくなっていいんだよ、でももう少し自分を持ってもいいんだよ、と土に語り掛けながらうおー!と広げていく。
そのあとは縦に伸ばしてみたり、淵を外に倒してみたり、中から真ん中を押し出してみたり・・・

最初は手慣らしに湯呑みやお茶碗を作るのがおすすめ!とのことだったので私はお茶碗を作ってみることに。焼いたときに一回り小さくなってしまうから、少し大きめに!とアドバイスをいただくも、なかなか一回りのイメージが付かない・・・
たぶん私の分も、同居人の分もなんだかねこちゃんサイズの陶器になってしまうのではと戦々恐々とする毎日=^_^=(焼き上がりまで1~2か月)

同居人は私がろくろを触っているところを写真に撮りたかったらしいのだけど、泥だらけではそんなことできず。残念がっているのも愛らしかったけどその時の感触や空気が二人だけの思い出になることも素敵だよね、ということで。

出来上がった作品たちは棚の上にいそいそと置かれ、焼成費がぴとっと付箋で貼られていた。

このあとに素焼きをしてもらい、釉薬で色を付けてもらい、もう一度焼いて私たちの手元に戻ってくる。
今度この街に降り立つときには自分たちの手であーだこーだ作り上げた一つの作品と一緒におうちに帰れると思うと少し暖かい気持ちになった。

汚れても大丈夫な洋服で来てください!とのことだけどエプロンを貸してもらえて、それも味があってゆるっとしていてとてもかわいい!

ああ! とか あー・・・などと連発して不器用さをアトリエ中に響かせていた同居人も先生のアシストがあって無事完成作品を選んでいました。手先が器用でなくてこういう体験系はなあ…と思っている方も、少しかわいい体験を少し遠くの街までいかがだろうか。

番外編 ~KALM~

釉薬の色を選び支払いも済ませ陶芸教室を後に。

ここまで来たんだから行ってみたかった場所にということで、カフェKALMへ。落ち着いた路地を一本入ると住宅地の中にふわっと現れた。

私はアイスラテを、同居人は私が前に教えたエスプレッソトニックを。
小腹が空いていたのでマフィンとキャロットケーキも注文したけど、これがスパイスがしっかりと聞いている生地にナッツがさくさくとはじけた!
おいし~なカフェだけどすごくすごく落ち着いていたのでひそひそとお話し・・・いつもの喧騒から離れて異国の雰囲気の中でゆっくり腕についたままの泥を眺めるのもよい日曜日だな、と思った。

2階もイートインスペースになっていて、ポールコックスの画集が置いてあったり、ジャパンディ風のインテリアに癒されたり。
引っ越すなら次はこんなインテリアにしたいな~などと考える。

番外編 ~コム・ン 東京~

写真がないのが残念だか、コム・ン東京にも。

スタッフの方が1:1でついてくれ、おすすめのパンをたくさん教えてくれた。あまりにも種類が多くて美しいディスプレイに惑わされわたわたしていると、甘いものをご注文いただいているのでごはんになるパンは?と言われたままレジへ。
プレートの上のパンをピッと読み取るAIに感動しているとこれについても丁寧に教えてくれた(笑)田舎者だとこういうのに騒いでしまうよね・・
パンを読み込むたびに覚えてどんどん賢くなるんですよ~!と楽しげなスタッフさんに癒されたりした。

おいしいおやつを食べて遅お昼のパンを買い、さあ帰るかとなったところで駅前の古本屋さんが目に留まるわたしたち。
同居人は前から探しているPOPEYEがあるらしいんだけど、残念ながらここにもなく、汗を垂らしながら本棚をあさっていたら見つけたBRUTUSの美術館特集。今はまだ海外旅行に行けないけど、世界が落ち着いて飛び出す準備が整ったら今日も明日もアートを吸収しに生きていこうね。

おわり


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