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読書の記録(5) 『そらのことばが降ってくる 保健室の俳句会』

読んだ本

『そらのことばが降ってくる』 高柳克弘 ポプラ社


手にしたきっかけ

司書の研修会で市内の中学校の司書さんに
森埜こみち『わたしの空と五・七・五』

と一緒に薦めてもらった。

『わたしの空と五・七・五』と同じく、中学生が主人公。副題にあるようにこちらは保健室が出てくる。養護教諭の北村先生が保健室にやってくる生徒に寄り添う大人として登場する。

心に残ったところ

出てくる小道具が学校らしくていいなあと思った。保健室にある、クローバーの机も、「そうそう、あった〜。」とイメージがわいた。しずくみたいな形のやつ。4つ合わせるとクローバーみたいになるやつ。そういった細かい描写もあって、安心できる保健室なんだろうなあと思った。

ヒマワリ句会のシーンは、まるでプレバトを見ているみたいだった。文語口語論争とか、映像として見えてくるとか、倒置法とか、句またがりとか、夏井いつき先生の解説みたいにわかりやすい。

学校の中で保健室は特別なところだと思う。北村先生みたいに、つかず、離れず、絶妙な距離感で生徒と関わってくれる先生に出会えたら、どんなに心強いだろう。教える人=教師、教わる人=生徒、という関係でないからこそ、できることがあると思う。図書館もそういう場でありたい。一人になりたいとき、誰かに話を聞いてもらいたいとき、ほっとできる場でありたい。

まとめ

読書も俳句も一人でも楽しめる。でも仲間がいたら、もっと楽しめる。違う楽しみ方が増える。一人でもみんなでも、デジタルでもアナログでも、老いも若きも楽しめる、って最強じゃない?と思った。

おまけ(ネタバレ?私の解釈)

『わたしの空と五・七・五』『そらのことばが降ってくる』どちらも主人公の名前(読み)が同じだなあと思っていたけど、これってもしかして?と気がついたときの驚きと言ったら!

『わたしの空と五・七・五』で先に入部していた女の子も、顧問の先生も、もしかして?!

『そらのことがばが降ってくる』は主人公も?!保健室で出会う『謎句』の彼も?!弓道部の女の子はわからなかったけど…、この子もそうなのかな?

俳句に詳しい人にたずねてみたい。誰か知っている人、教えてくださ〜い。



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