モッティ(mottttty)/本を読むのも仕事です

本と旅と木々の緑が好きです。日々のあれこれを綴ります。 2022年に22年勤めた公立中学校の国語科の教員から、 小学校の図書館司書に転職しました。

モッティ(mottttty)/本を読むのも仕事です

本と旅と木々の緑が好きです。日々のあれこれを綴ります。 2022年に22年勤めた公立中学校の国語科の教員から、 小学校の図書館司書に転職しました。

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最近の記事

読書の記録(64)『自分らしくあなたらしく きょうだい児からのメッセージ』高橋うらら さ・え・ら書房

手にしたきっかけ 市内の学校図書館司書の研修で『家族』をテーマにした本を探すことになって、『トモ、ぼくは元気です』を読んだ。 また、voicyを聴いている中で、『きょうだい児』という言葉を知った。もうちょっと理解を深めたいと思うようになった。 心に残ったところ 第4章 きょうだい児たちの思い の部分にきょうだい児たちの悩みが書かれいている。 大きく(1)~(8)で大きくまとめているが、それぞれに具体的な思いが書かれていた。 『トモ、ぼくは元気です』の和樹が悩んでい

    • 読み聞かせした本(56)『オニのサラリーマン じごくのしんにゅうしゃいん』2024年11月

      小学校の図書館司書をしています。 図書の時間に読み聞かせをした本や紹介した本について書いています。 『オニのサラリーマン じごくのしんにゅうしゃいん 富安陽子 文 大島妙子 絵 福音館書店 選んだ理由 ・芸術鑑賞で見た人形劇『とどろヶ淵のメッケ』を書いたのが富安陽子と知り、作者つながりで本を紹介しようと思ったから。 ・子どもたちの好きなシリーズの本だから。 ・絵も細かいところまで物語性があって面白い。 子どもの反応 ・『オニのサラリーマン!』『知ってる!』と表紙を見

      • 読書の記録(63)『手紙 ふたりの奇跡』福田隆浩 講談社

        手にしたきっかけ 市内の学校図書館司書の研修で『家族』をテーマにした本を探すことになった。何冊か読んで特に印象に残ったうちの一冊。 心に残ったところ 秋田に住む穂乃香と、長崎に住む耕治。2人の手紙のやり取りだけで物語が進んでいく。手紙だからこそ、素直な自分になれたり、自分を見つめなおしている様子がよくわかる。私も中1~高校ぐらいにかけて、小学校は同じだったけれど校区の関係で中学校が分かれた友達と文通していたことを懐かしく思い出した。今見たら恥ずかしくなるような幼い悩みや

        • 読書の記録(62)『トモ、ぼくは元気です』香坂直 講談社

          手にしたきっかけ 市内の学校図書館司書の研修で『家族』をテーマにした本を探すことになった。何冊か読んで特に印象に残ったうちの一冊。 心に残ったところ 司書が集まって作ろうとしているのが5、6年生向けの読書案内の冊子。この本は主人公は6年生。読み手に近い年齢の主人公なのと、舞台が大阪なのが、身近に感じられていいのではないかと思った。 きっと家族だけで過ごしているぶんには、兄のこともそのまま受けとめている感じがする。こだわりが強い兄のことも、そういう兄だと思っている感じが

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        • 読書の記録
          63本
        • 読み聞かせした本
          55本
        • LINE片づけ
          13本
        • いわた書店 一万円選書
          9本

        記事

          読書の記録(61)『子どもの「書く力」は家庭でのばせる お母さんができること、してあげたいこと』花まる学習会 高濱正伸 竹谷和 実務教育出版

          手にしたきっかけ 勤めている小学校の先生と卒業文集について考える機会があった。どんなテーマでどうやって書いていくのがいいかを考えた。そんなこともあり、この本のタイトルに惹かれて読んだ。 心に残ったところ 読んでみて思ったのは、この本は家庭向けに書かれているけれど、先生たちにも読んでほしいなあということ。 昔、実家にあった『一年一組せんせいあのね』を読んで、子どもの書く文章っていいなあと思った。私が学校の先生という仕事に憧れを持ったのは、たぶんこの本の影響。 今読むな

          読書の記録(61)『子どもの「書く力」は家庭でのばせる お母さんができること、してあげたいこと』花まる学習会 高濱正伸 竹谷和 実務教育出版

          読書の記録(60)『水族館飼育係だけが見られる世界 毎日は発見と感動に満ちている』下村実 ナツメ社

          手にしたきっかけ 水族館や動物が好き。博物館や科学館も。大人になってから子どもを連れて行くと、自分が子どもの頃とはまた違う発見がある。子どもが小さいときはメインの動物やアイドル的ないきものを見に行っていたけれど、子どもが成長するにつれ、少しずつ見る対象が変わってきた。 『ぴっかぴかすいぞくかん』を読み聞かせしたあとに、ジンベエザメの本が読みたい、というリクエストが児童からあった。 『飼育員さんもっとおしえて! ジンベエザメのひみつ』と『ジンベエザメのはこびかた』をおすす

          読書の記録(60)『水族館飼育係だけが見られる世界 毎日は発見と感動に満ちている』下村実 ナツメ社

          読み聞かせした本(55)『あるヘラジカの物語』2024年10月

          小学校の図書館司書をしています。 図書の時間に読み聞かせをした本や紹介した本について書いています。 『あるヘラジカの物語』 星野道夫 原案  鈴木まもる 文 絵 あすなろ書房 選んだ理由 ・光村図書5年生の教科書の後ろの方にある『本の世界を広げよう』にこの本も挙げられており、気になっていた。 ・一頭のヘラジカの物語ではなく、二頭のヘラジカの物語であることに驚いたから。 子どもの反応 ・学校の図書館にあった『森へ』を見せ、星野道夫について簡単に話をした。 亡くなって

          読み聞かせした本(55)『あるヘラジカの物語』2024年10月

          読書の記録(59)『クマのあたりまえ』魚住直子 植田真(絵)ポプラ社

          手にしたきっかけ 司書の研修で『動物』に関するおすすめ本を探していて、出会った一冊。 心に残ったところ 動物が主人公の七つの短編。おもに動物が主人公なんだけれど、人間っぽく迷ったり悩んだりして、自分の生きる意味を見いだしていく。読む人によってはいろいろ解釈できるし、いろいろな価値を感じることができる物語だと思う。 本を読むと言うよりも、詩を読んだ読後感近い感じがする。人間の心理や行動をそのままリアルに具体的に描くのではなく、動物の姿を借りて抽象的に描いているからか、読

          読書の記録(59)『クマのあたりまえ』魚住直子 植田真(絵)ポプラ社

          読み聞かせした本(54)『ぐりとぐらのえんそく』2024年10月

          小学校の図書館司書をしています。 図書の時間に読み聞かせをした本や紹介した本について書いています。 『ぐりとぐらのえんそく』 なかがわりえこ やまわきゆりこ 選んだ理由 ・『くじらぐも』を学習するのに合わせて、なかがわりえこさんのお話を読んでほしいと担任の先生からリクエストがあったから。 ・『ぐりとぐら』のシリーズは何冊かあったが、来月、遠足に行くので『ぐりとぐらのえんそく』を選んだ。 子どもの反応 ・表紙を見せたら、「知ってる~。」「ぐりとぐら!」「おうちにある!

          読み聞かせした本(54)『ぐりとぐらのえんそく』2024年10月

          読書の記録(58)『月まで三キロ』伊与原新 作 新潮社

          手にしたきっかけ 『宙わたる教室』で、伊与原新さんを知り、『青ノ果テ 花巻農芸高校地学部の夏』を読んだ。 その流れで、他の本も読みたくなり手にした。 心に残ったところ 6つの短編からなる。どれもいいなあと思ったんだけど、一番好きなのは6つめの『山を刻む』だな、と思う。どれも、理科系の知識があるともっと楽しめるのかもしれないけれど、知らなくても登場人物に自分を重ねたり比較したりして読んでいくうちに、なんとなくわかったような気がしてくる。『山を刻む』が好きなのは、作品がど

          読書の記録(58)『月まで三キロ』伊与原新 作 新潮社

          読み聞かせした本(53)『ぴっかぴかすいぞくかん』2024年9月

          小学校の図書館司書をしています。 図書の時間に読み聞かせをした本や紹介した本について書いています。 『ぴっかぴか すいぞくかん』 文・構成 なかのひろみ 写真  ひさかたチャイルド 選んだ理由 ・『どうぶつ園のじゅうい』を学習した後に、『この本、読もう』のコーナーがありそこで紹介されていたから。 ・どうぶつのお医者さんの話を読もうかとも思ったが、貸し出し中だった。 子どもの反応 ・反射して見えないかもしれないと思ったので、「見えにくかった人は読み聞かせの後、カウンダ

          読み聞かせした本(53)『ぴっかぴかすいぞくかん』2024年9月

          読書の記録(57)『翼の翼』朝比奈あすか 光文社

          手にしたきっかけ 市内の学校図書館司書が集まる研修会で他校の司書さんが取り上げられていて気になった。昨年、長男の高校進学の時にやきもきしたことも思い出した。本の帯に「なぜ我が子のことになると、こんないも苦しいの?」とある。確かに教員をしていたときに他所の子のことは客観的に見られていた。いざ我が子のこととなると、いろいろ不安になったなあと思い出した。 心に残ったところ 私の中ではこの本はイヤミスの部類かな?後味がすっきりしないというか、ざわざわすると言うか…。noteに残

          読書の記録(57)『翼の翼』朝比奈あすか 光文社

          読書の記録(56)『私たちの世代は』瀬尾まいこ 文藝春秋

          手にしたきっかけ 新刊が出るたび読んでいる瀬尾まいこさん。中学校の教員をされていたこともあり、勝手に親近感を抱いて、ずっと読んできた。 『私たちの世代は』で書かれているような、突然一斉休校になって、卒業式もぶっつけ本番みたいな感じになって、そのあとの入学式や分散登校など、わけがわからないまま大きな渦に巻き込まれたような感じは今でもよく覚えている。 心に残ったところ 『私たちの世代は』は待ってました!という感じの瀬尾ワールドのお話。学校が出てくるところ、子どもたちそれぞれ

          読書の記録(56)『私たちの世代は』瀬尾まいこ 文藝春秋

          読み聞かせした本(52)『うまれたよ!ヤゴ』2024年9月

          小学校の図書館司書をしています。 図書の時間に読み聞かせをした本や紹介した本について書いています。 『うまれたよ!ヤゴ』 中瀬潤 写真  小杉みのり 構成・文  岩崎書店 選んだ理由 ・『やくそく』を学習するのに合わせて、姿を変える昆虫のお話を…というリクエストが担任の先生からあった。過去にチョウは読んだことがあった。↓ ・チョウ以外で何か…と考えて、最近よく見かけるトンボはどうだろうと思った。 ・学校のプールが老朽化により使えなくなり、プールを清掃する機会がなくなた

          読み聞かせした本(52)『うまれたよ!ヤゴ』2024年9月

          読書の記録(55)『本を守ろうとする猫の話』夏川草介

          手にしたきっかけ 図書館によく来る6年生がいる。その子は、学校の図書館にない本を市の図書館から取り寄せてほしいとリクエストをする。そのリクエストの中の1冊がこの『本を守ろうとする猫の話』だった。数日して、本が届いたので「本、来たよ~」と声を掛けると「こないだ、本屋さんにつれていってもらったもらったとき、文庫本で買ってん。でも、本当はこの大きい方が好きやねん」とのことだった。「わかる~。単行本だとカバーを取ったときの装丁とかも、いいのよね~」と盛り上がった。 この本は借りて

          読書の記録(55)『本を守ろうとする猫の話』夏川草介

          読み聞かせした本(51)『ねえさんといもうと』2024年9月

          小学校の図書館司書をしています。 図書の時間に読み聞かせをした本や紹介した本について書いています。 『ねえさんといもうと』 シャーロット・ゾロトウ文 酒井駒子絵・訳 あすなろ書房 選んだ理由 ・しんみり聞いてくれそうだと思ったから。 ・姉の心情や妹の心情に寄りそえると思ったから。 ・酒井駒子さんの絵が素敵。2人の距離感や空気感、草原のくすぐったい感じも伝わってくるから。 子どもの反応 ・「おうちを でて、おにわを でて、みちを、どんどん あるいていって…」のところで

          読み聞かせした本(51)『ねえさんといもうと』2024年9月