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場作りネット

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NPO法人場作りネットは、若者たちが中心となり相談支援窓口を運営しています。 そこで出会う社会課題を分析し、必要な場を作る事を目的に活動しています。 現在は、500円で泊まれるや… もっと読む
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記事一覧

やどかりハウス第二幕”助かり合う私達へ”

やどかりハウス第二幕”助かり合う私達へ”

ロゲンは天使だったのではないか。そう思うことがある。  
自由の国アメリカで「世界の悲しみ」を一身に背負い、深手を負った天使は、 命からがら「日本」というより僕らの元にやってきた。誰よりも礼儀正しく、 優しく、澄んだ魂を持った彼は、日本語をほとんど話せなかったが、みんなの 心の中にある温かなものと通じることができた。
やどかりハウスに逃れてきた 傷ついた女性に「ロゲンとなら一緒に住んでもいい」と思

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泥沼に咲く(のきしたjournalvol3寄稿文)

泥沼に咲く(のきしたjournalvol3寄稿文)

 深夜 0 時。軽自動車を運転しながら帰宅する30分間。右手に ハンドル、左ひじをひじ掛けに置いて掌で顔を支えている。斜め に下がった顔から車道は半分しか見えていない。車はよろよろと 中央分離帯をはみ出る。  

 「社会」が求めてくる人間になることが嫌で、自分の生きる場所 を探して歩いていたら、苦しんでいる人達と出会うことが日常に なった。助けたいのではない。仲間として生きたい。そう思って きた

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へたくそな手巻き寿司

へたくそな手巻き寿司

やどかり食事会。一緒に作って食べる。こんな単純なことが、どれほど人を豊かに、そして強くするか。思い知ります。

寿司とジブリが好きすぎて日本に来ちゃったスペイン人のアレックス。これから住むアパートが決まり、ゲストハウス最終日ということで、手巻き寿司を。子どものように喜んでました。滞在中に仲良くなったやどかりハウスの人達もわいわいがやがや。小麦アレルギーのアレックスの為に慎重に食材を選んだり、ヘンテ

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新型コロナ下で生まれた「のきした」という希望

新型コロナ下で生まれた「のきした」という希望

信濃毎日新聞デジタル寄稿(2021/12/29 長野県 論説 語る@信州)

 私たちは今、上田市で「のきした」という活動を行っている。社会の雨風をしのぐ場を、至る所に作ることが目的だ。街の劇場や映画館のスタッフ、ゲストハウスやNPOを運営する人、一般市民から公的立場の人までさまざまな人が携わる。

 活動の一つである「やどかりハウス」は、1泊500円でゲストハウスに泊まることができ、困り事の相談

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のきしたおふるまい

コロナをきっかけに長野県上田市ではじまった無料で食事を食べられるイベント。のきしたおふるまいの2回目は、2021年3月14日。
今回はインドネシア人のレイナさんに監修してもらい、みんなで作ったインドネシア料理をおふるまい。
ホームレスの人も外国の方も、ただ一緒にご飯を食べる。
その場にはライブもあって、書きぞめもあって、なんとなく話が出来る。
一緒に食べれば「ホームレス」ではなく「苦労人のおっちゃ
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なぜ劇場なのか-福祉を劇場で-

なぜ劇場なのか-福祉を劇場で-

コロナ禍で自殺が増加している。そのことと、我々が支援拠点を、劇場に置き始めたことは、無関係ではないと感じている。

コロナ以後、我々の相談対応件数は倍増した。しかしそれはコロナによる困難というよりも、元々あった困難が、コロナ禍によって出口を無くしているという印象を持っている。つまり、ある「息詰まり」を感じるのだ。

この間、暴力を受けている若者や、女性を立て続けに保護した。明らかに保護が必要な状態

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雨風しのぐ宿 やどかりハウス

雨風しのぐ宿 やどかりハウス

やどかりハウスは、コロナ禍に長野県上田市の街中で始まった取り組みで、女性や母子が一泊500円で宿泊でき、昼間ベットルームで休むこともできるというものです。

上田市で、ゲストハウスや劇場を運営する犀の角と、相談支援を通した社会づくりを行っているNPO法人場作りネットが、協働で運営しています。

コロナ禍で女性の自殺が増加。場作りネットに寄せられる相談も、子育ての行き詰り、夫婦関係の悪化、生活困窮な

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