BtoB SaaS は作り手本人(エンジニア・PdM)が営業すると無双
「SaaS を作っているあなた。特にエンジニアのあなた。是非営業の現場に出ていきましょう無双できます」ということを書きます。
私はもともとエンタープライズのセールスからキャリアがスタートして、エンジニアを経験しつつ次第に自分でコードを書きながら顧客に紹介したり提案するようになりました。
なので純粋なセールスとして誰かが作ったプロダクトの営業をすることと、自分自身が作ったプロダクトの営業をすることの両方を経験してきたのですが、あらゆる面で後者のほうが良いと感じています。以下にそれぞれについて深掘っていきます。
顧客のウケが良い
プロダクトの作り手、特にエンジニアが商談の場に同席することはそれ自体が珍しく、顧客から歓迎されやすいです。
SIer や BtoB の SaaS プロダクトの場合基本的にセールスが顧客と相対し、必要な情報を社内にフィードバックしますが、それに慣れている顧客からすると「XX プロダクトの中の人に会える」という状況を楽しんでくれます。
本気で売りにいける
営業活動は人対人の営みなので、少なからず感情的な面が仕事の結果に影響します。自分が扱う商材や商品を自分自身が本当に広めたい・紹介したい と思えると営業活動のパフォーマンスは上がり、そう思えていない場合はその逆の状態になります。
通常これを解決するために以下のような取り組みを実行します。
会社やプロダクトのビジョンを描き、同じ方向を向けるようにする
ビジネスサイドと製品開発サイドでの連携を密にし開発サイドの思いを共有する
加えて、以下のようなセールスの目標や KPI、インセンティブを定義することで、パフォーマンスが上がるような仕組み作りをします。
全体毎、チーム毎、個人毎の売上目標
テレアポやメールなどのアウトバウンド数、アポ数、受注確度低 ~ 高までのステージ毎のみ込み顧客数 .. といった KPI
社内報酬、成約数に応じたインセンティブ、ボーナス
とあれやこれやでうまくセールス活動が回るように四苦八苦するのですが、もしその営業行為を、プロダクトを企画・開発している PdM やエンジニア自身が行うことができると、上記のような点は一切抜きにして純粋に私はこのプロダクトを広げたいのだ。という想いで突き進めることができると感じています。
そのため、営業活動にエンジニアを同席させる目的は通常テクニカルなことや仕様の詳細について質疑応答をするため、だとは想いますが、作り手本人がどのような想いでプロダクトを展開しているかを知ってほしい、といったややウェットな目的で同席してもらう というのもありだと考えています。
深い議論ができる
営業活動においてプロダクトを正確に説明することは重要ですが、顧客の購買意欲を促進するようなストーリーテリングをするためには、以下のような要素があるとよりよいです。
なぜそのような機能や仕様なのか。その背景
プロダクトはどこに向かっているのか。何を目的としているのか
このあたりは実際の作り手本人であれば明瞭に語り顧客の感情を揺さぶることができます。
さらに顧客からよく聞かれる質問に「こんなことできますか。こんな機能作れますか」というものがあります。
こういった質問は営業的には結構チャンスだと考えていて、どの程度彼らのニーズを満たすことができるプロダクトなのかを説明する機会であるのはもちろん、現状応えられないニーズがあっても応えようという姿勢があるか、将来的に応えられそうかをアピールすることにつながるからです。
通常は
社内に持ち帰り開発部門と協議することで前向きさを見せる
対応できそうであればそれを顧客に伝える
ということでそのアピールとしますが、もし商談の場で PdM やエンジニアが直接この会話をできると、顧客の期待値を大きく超えるコミュニケーションにつながります。
顧客の質問に対してこうしたらうまく実装できるかもしれないという旨を即答したり、対応が難しいとしてもそれを正確に伝えることができると顧客の納得につながり減点されることを回避できたりもします。例えば以下のような切り替えしのイメージです。
あまり他からは聞かれないニーズであるため
システム設計や他の機能との兼ね合い上の制約があるから
別の機能を利用する代替案を提案する
営業スキル面の不安は杞憂
もしかすると特にエンジニアの方は、そんなこと言っても自分には営業スキルが無いし .. ということを気にされるかもしれません。
これについては明確に、顧客はエンジニアに対して"営業マン"であることをを期待してこないので、一切杞憂で終わります。
例えば入室に始まり名刺交換やアイスブレイクなど .. セールスであれば一定当たり前だよねと思われる所作なども、エンジニアというポジショニングを取ってしまえば気にならず、せいぜい「エンジニアさんだとやっぱり少し奇抜なんですね」といった反応をされるくらいです。
ということで、今回は PdM や エンジニアといったプロダクトの作りてこそ積極的に営業しましょうということについて書いてみました。
ちょこちょここういったポエム的雑文を投稿しているのでよければ他の記事とかも読んでみてください。
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