見出し画像

起業ストーリー②~箱(店舗)を捨て、マッサージサービスをストック型ビジネスにしよう

「仕事の疲れは会社でリフレッシュ」「あったらいいなを形にした福利厚生」を実現すべく、施術業界では珍しい「企業専門の出張施術」で独立開業をした私。
これには業界に入る前の5年間法人営業をしていた影響も大きく、施術師の資格を取ってから店舗での6年半の修業期間終盤は、旧来の商習慣や将来性の分析、そして自分の性格やキャリアの棚卸しをして、勝てるビジネスモデルの模索をしていました。

従来の施術業界では、「自分の店舗を開業して地域一番店を目指す」のような王道というか定番の道筋がありましたが、当時の私は、企業への出張業態に可能性を感じていたと同時に、

①箱(店舗)も持つ → 箱を持つと、意識が守りになり動きが制限される
②お客様を待つ   → お客様はたくさんいるのに、待つだけは機会損失  
③一人で運営する  → 自分不測の事態があったら収入ゼロ

というこれまでの定番の形に、リスクしか感じられませんでした。
これらは「明日の売上や来週・来月の売上が読みにくく安定しない」ということ、「人数×時間で、作れる売上の上限が見えてしまう」ということを意味し、とても意義深くやりがいのある仕事ではありながら、継続的かつ発展的な事業経営という点からは、夢も希望もなく受け入れられない異端的な自分がいました。事実、先に独立開業した先輩や仲間には、売上の伸びや頭打ちに悩んでいたり、廃業した人を多く見てきました

そのような不安要素を払拭する為に、売上が安定的かつ継続的に増加する「ストック型ビジネス」を目標として、「箱(店舗)を捨て」「お客様がたくさんいる場所へ」「人を遣って」無限の可能性を感じる新しいビジネス領域の開拓をはじめました。

私の性格上、先の売り上げが読める経営は、自分の精神衛生上安心だったのです。これも自分が長く続けられるポイントだと考えてました。

あと、大きなきっかけになったのは、私の師匠の一言。
お前が50代や60代になったとして、サロンで“リラクゼーションはいかがですか?”とか、いいオッサンが気持ち悪くないか?」って(笑)

カリスマ治療家(あん摩マッサージ師・鍼灸師・柔道整復師)である師匠の偏見とも言えそうな、この愛ある一言が、民間資格のリラクゼーションセラピストの私にはむちゃくちゃ刺さり、「確かに気持ち悪い…かも」と(笑)。
実際にはそんなことないと思いますけど、当時の自分には、やはり一人の施術師プレーヤーということではなく、人を雇用して、発展的に事業をする経営者として起業しなければ…と考えさせられました。
当時34歳の私は、50代以降のことを考えて起業プランを立てました。

そして動き出し始め、まず、何をおいてもサービスを導入してくださる企業契約の獲得が必要なのですが、創業後数年は、法人営業で培ったアプローチ法や提案スキルを駆使しても「会社でマッサージ、何それ、どういうこと?」「どうして会社でやらないといけないの?」「社員をサボらせてどうするの」という否定的な反応や怒り出す経営者も多くいまして、想像していた現実と違う状況に戸惑い悩み、凹む日々の連続で突破口を模索する日々が続きました。(続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?